風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

東京都知事・七夕決戦

2024-07-09 23:10:46 | 時事放談

 今年は選挙イヤーと言われ、各地の様々な選挙でサプライズが続出し、世間を賑わせている。

 6月初めのEU議会選挙では、極右や右派などのEU懐疑派が躍進し、フランスやイタリアやオーストリアでは国内第一党になったのには驚いた。これを受けたフランス・マクロン大統領が国民議会(下院)解散・総選挙の賭けに打って出たことに驚いた上、マクロンの狙い通りに極右が失速したこと、更に左派連合が最大勢力になったことにも驚いた。マクロン政権の年金改革が不人気だったようで(不人気でもやるべきことをやったのは偉いと思うが)、彼の求心力が低下すると噂されるのは気の毒ではあるし、EUやNATOの結束という意味でも不安がある。

 イギリス下院選挙が予想外に早く実施されたのはともかくとして、5年前に屈辱的な惨敗を喫し、今後10年は立ち直れないと言われた労働党が、下馬評通りとは言え見事にカムバックしたことには驚いた。労働党が野党の立場から総選挙で勝利するのは27年ぶり、総選挙で勝つこと自体19年振りだそうで、久しぶりの政権担当能力が問われる。

 …とまあ、前置きが長くなった。一昨日の七夕に東京都知事選が行われ、現職有利は既定路線と言ってもよく、得票数こそ前回から大幅に落としたものの、8時の開票直後に小池さんに当確が出たことに驚きはない。蓮舫さんが国政の政局を持ち込んで「反自民・非小池」とやらかして不発だった上、共産党と組んで伸び悩んだことにも驚きはない。財政に余裕がある東京都で政策論争を仕掛けたところで勝ち目はなさそうだ。ところが、広島県安芸高田市の前市長(石丸伸二氏)が、緑の古狸と必殺仕分け人(ちょっと古い)という注目の二人に挟まれながら善戦し、165万票を獲得して二位に食い込んだことには驚いた(残念ながら二位ではダメなのだが、というのもちょっと古い)。知名度不足をSNSでの発信や連日連夜の街頭演説で克服したと賞賛されるのは、既存政党が飽きられているとは言え、並大抵ではない。「出来ることは全部やったと言い切れる」と胸を張ったのは天晴れと言うべきで、次に来年秋の広島県知事選出馬を狙っているのではないかと囁かれるのは、なかなか野次馬的には楽しみだ。

 選挙はやってみなければ分からない。また、選挙にはマーケティングが働く余地が多く、実はやってみると面白いものだ。私は、選挙好きの父に騙されて、小5の時に児童会書記に当選し、小6で会長に当時史上最多得票で当選したことがあって、応援演説にひょうきん者のカサマツ君を起用したり、ポスターや演説に凝ったりして、子供心に選挙なるものを楽しんだことを懐かしく思い出す。だからと言って、過去最多の56人もの立候補者の中に多数の売名出馬があり、ポスター掲示板ジャックやら掲示スペース販売が騒がれたのは、ちょっと大人げない。かつての私の真摯なるも心から楽しんだ選挙活動は所詮はガキの遊びで、見習えとは言わないけれども。

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