風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

コロナ禍④中国リスク

2020-02-25 22:31:57 | 時事放談
 新型コロナウィルスは、どうやら通常のインフルエンザより感染力は強そうだが重症性は低いとの見方が出ているが、いつも言いたい放題の麻生さんがG20財務相・中央銀行総裁会議で言われたように、中国の言うことは信用ならないので、なんとも言えない(まあ、そんなことを言えば日本だって十分に検査できていないので、どこまで感染が広がっているのかよく分からないし、私自身だって既に感染しているかも知れないので、いつ発症してもおかしくないし、いずれも考えすぎかも知れない)。従い、中国を忖度するWHOは、中国で感染増加のピークが過ぎたようなことを言ったらしいが、とても信じられない。当の中国はアメリカのことを過剰反応だと批判し、日・韓のことを措置が脆弱だと批判したらしいが、感染源の中国には言われたくない(笑) まあ、彼らの報道の殆ど全ては国内向けとは言え・・・。それに日・韓は中国のような一党独裁の全体主義国家じゃあるまいし・・・(韓国はやや微妙だが 笑)。
 こうして眺めていると分からないことだらけだが、一つ、確実の言えるのは中国に対するリスクだろう。トランプ政権が中国を先端技術の開発や製造のサプライチェーンからデカップリングしようとするのは難しいほどに、もはや中国はグローバル経済に組み込まれている現実は動かしようがないが、他方で、そんな中国への過度の依存が、人口14億(あるいは少なくともネット人口8億)ものスケールのもとで行われ、しかもその国が戦後のリベラル・オーダーとは異質な秩序観をもつ一党独裁の全体主義国家であることのリスクも再認識されたことだろう。
 なんだかんだ言ってアメリカは連邦国家だが、中国は中央集権で絶大なカネと権力を握る。これほどの巨大な中央集権国家は、世界史上、初めてのことだ。しかも、貧しい地方を置き去りにしたまま、また今回の新型コロナウィルス問題で明らかなように公衆衛生や医療などの社会インフラは貧しいまま、放置する一方で、AIやロボティクスなどの先端分野では、先進の超大国アメリカに張り合おうとしているのだから、如何にもイビツだ。開発独裁として、1100万人都市の武漢封鎖だろうが、病院建設だろうが、AIへの集中投資だろうが、万機公論に決すべき自由・民主主義国よりスピーディで力強く、一帯一路に見られるように中小国を債務の罠に陥れ、AI分野ではアメリカを凌ぐ特許申請件数を記録したと報じられる通りだが(中身を見ると、質はまだアメリカには劣るようだが)、自由・民主主義国のようなエコな発展は望むべくもない。
 中国が恐れているのは、こうした中国リスクから脱・中国が加速しかねないことだろう。否、もっと恐れているのは、過去4000年の歴史でしばしば見られたように、中国共産党政権が「管理できない」「信頼に値しない」として人民に見限られることかも知れない。それだけに、習近平政権の強権発動は、初動の遅れがあったとは言え、天晴れと言えるのかも知れない。
 もう一度言うが、経済的に日本を含む多くの国が相互依存する中国は、人口14億、その内のネット人口だけ拾っても8億というのは、EU(イギリスを含め)の1.6倍、あるいはEUとアメリカを合せた規模に匹敵し、過度の依存と言うが、要は十分過ぎるほどのキャパシティがあるということに他ならない。これほどの人口超大国が日本の隣に鎮座するのだから、日本の経済も歪むわけだ。日本の「失われた20年」「30年」は、冷戦崩壊後、中国の経済発展の時期に重なる。日本の製造業が空洞化してきたのは、「世界の工場」中国の発展を抜きに考えられないし、中国から安い製品・部品が流れ込み、それがそのままデフレの要因だとは言わないが、なにがしかの貢献をしていることだろうし、日本で生き残るためには賃金を抑えるか安い非正規雇用に頼らざるを得ない現実もあることだろう。
 こうしてみると、日本の1.3億人すら中央集権でやっていくには大き過ぎる規模だと思っていた(ので地方分権が望ましいと思ってきた)が、企業(工場)経営と同じように、国家経営にも最適な規模があるような気がする。この不幸な環境を如何に凌ぐか、中国の総人口がピークアウトするとされる10年後(一説には3年早まったとも、既に2018年に人口減少社会に突入したとも言われるが)までの大きな課題だ。

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