風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

サクラ咲く

2024-04-14 22:50:26 | 日々の生活

 花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき、と自らの半生を花に託して詠ったのは林芙美子だった。桜島に石碑がある。確かに先週末は満開だった桜は、この季節の気紛れな雨風に晒されて、今週末は葉桜に変わった。花にとっては過酷な季節である。

 だからであろう。咲き始めの可憐さ、咲き誇る華麗さ、散り際の潔さは、日本人の美意識を体現して、日本人にこよなく愛されて来た。

 そして、いのち短し、恋せよ乙女、とも歌われた(ゴンドラの唄)。紅き唇褪せぬ間に、熱き血潮の冷えぬ間に、明日の月日はないものを、と。人にもそんな季節があることを思い起こさせるかのように、この春もまた、桜は咲いてくれた。桜を眺めながら、人は何を思うのだろう。桜が愛される所以である。

 上の写真は先週末のもの。

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