風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

空気を読めない人々

2011-06-17 02:28:19 | 時事放談
 今朝の日経新聞の特集記事「美しい日本へ 第4部 震災が問う選択 5」のサブタイトルは、「財政悪化 このままですか」と問いかけるものでした。勿論、単純に問うているのではなく、心ある国民で、なんとかしなければ、と思わない人はいない中で、そうすんなり事が運ばない現実、とりわけ政治状況を揶揄する内容です。
 その記事の中で、民主党・代議士会で菅さんが「辞める」という発言を巧妙に避けたがために物議を醸した今月2日、社会保障と税の一体改革に向けた検討会議で、消費税10%の改革案がまとまり、その4日後、会議を主導した与謝野さんが改革案を民主党の会合で説明したところ、「我々は衆議院で消費税を上げると言っていない」「辞める首相が責任を持てるのか」などと反発が噴出したというエピソードが紹介されていました。空気を読めない民主党の面々にとって、消費税を持ち出すたびに選挙で敗北した自民党を他山の石にしているものと見受けられますが、この期に及んで何を今さらとの思いを禁じ得ませんし、これだけの重大局面に選挙一辺倒のMind-setでしかないのかと呆れてしまいます。勿論、選挙はいずれにせよ政治家にとって重大事で、特に今の民主党にとっては最も重要であることは言を俟ちません。何故なら、自民党の自壊によって大した用意もなく政権をうっかり手中に収めてしまった民主党にとって、何より政権与党としての経験が貴重だからです。長い目で見て、とにかく今の地位にしがみつくことが民主党にとっては一番のはずです。しかし残念ながらそれほど悠長なことを言って待ってはいられないのが日本の厳しい現実でもあります。
 政治の劣化が言われて久しく、それはひとり民主党にとどまらず、自民党も同じ穴のムジナなのですが、それでは今の日本の政治シーンに必要なものは何かと言えば、個別政策論議などよりもむしろ国のありようを示す理念であり、かつその理念を熱く語る信念の政治家ではないかと思います。少なくとも私はそれを待望します。その時のキーワードは公平でしょう。世代間や、中央と地方との間で、誰がどう負担することを公平とみなすかという、国としてのコンセンサスがなければ、今の状況は打開できそうにありません。
 今宵のTVニュースを見ていると、空気を読めない菅総理は、国民の支持率はゼロであるにも拘わらず政権与党の傍にへばりついて目障りな国民新党の代表・亀井某の進言を入れて、内閣改造を検討しているかのような報道がありました。ビジネスの世界では、無能な経営者ほど組織をいじくり回すものだと言われます。騎兵隊内閣などと自負したこともあり、その後、人材を浪費し、それでもなお内閣改造をすればより良くなることを信じろ・・・とはとても正気の沙汰とは思えません。いつまで最後の悪足掻きを続けるのでしょうか。
コメント
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