風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

追悼・民主党の不祥事

2011-06-12 23:30:02 | 時事放談
 一昨日と昨日の続きで、東日本大震災のどさくさで、書き忘れていたことの一つに、民主党の不祥事があります。最近はすっかり菅内閣に手厳しいいくつかの週刊誌が枕詞に使う程度ですが、本稿タイトルに言うように、この未曾有の大災害に直面しているからと、亡きモノとしてこのまま葬り去っても良いものでしょうか。
 一つは、菅総理の違法献金問題です。菅さんは、まさに大震災当日午前の参院決算委員会で、自らの資金管理団体が在日韓国人系金融機関の元理事から献金を受けていたことを明らかにしましたが、外国籍とは承知していなかったと述べ、辞任の可能性を否定しました。前原前外相が同じように在日韓国人の知人からの献金を認めてあっさり外相を辞任したのとは対照的です。そして、菅総理が「全力をあげ」て「死力を尽くして」対応しているはずの大震災三日後にちゃっかり返却していたそうです。
 次は、菅総理のグループの代表も務めたことがある民主党の重鎮・土肥隆一衆院議員が、日本政府に竹島の領有権放棄を求める「韓・日キリスト議員共同宣言」に署名していた問題です。3月9日にこの事実が明らかになったとき、産経新聞の取材に「個人的には、竹島は日本の領土とは一概にはいえないのではと思っている」とぬけぬけと語っていましたが、話が大きくなると、翌日の記者会見では「冒頭、きっちりと申しあげておかなくてはならないが、竹島は日本の固有の領土だ。それは一歩たりとも譲ることのない。歴史的にも、これまでの経過からみても日本の固有の領土であることは間違いない」と主張をコロッと変えました。この問題で、大震災三日後に離党届けを出し、翌日承認されたそうです。さらに、この問題を巡って、自民党の大島副総裁が「日本の国会議員としてあるまじき恥ずべき行為」であり、安倍元首相が「国家、主権、領土に対する民主党の体質を表しており、看過できない」と批判したのは当然のことでしたが、民主党のある若手が「これでは左翼政権だと思われる。議員辞職ものだ」と怒りを爆発させたのには、苦笑せざるを得ませんでした。この若手は官房長官が自衛隊のことを「暴力装置」と呼んだ時には何も感じなかったのでしょうか。
 最後は、専業主婦年金の救済策を巡る問題です。そもそも直近二年間の保険料を追納すれば、それ以前の未納分を帳消しにする政策そのものも問題でしたが、課長通知が出された昨年12月ではなく、昨年3月、政治主導を掲げていた当時の長妻昭前厚労相など政務三役が決めたもので、細川律夫厚労省相は、3月8日の衆院厚労委員会で、長妻氏から救済策の引き継ぎがなかったことを暴露したことに、長妻氏が反発し、責任のなすりあいに発展しました。結局、前厚労相に指示されて従った職員だけが懲戒処分を受け、政策を決めた前厚労相や「年金記録回復委員会」は責任を不問に付されたままです(と思います)。
 震災後三か月にして、先週金曜午後の衆議院本会議で、ようやく復興基本法案の修正案が可決されました。阪神大震災の時には一ヶ月余りで可決されていたものであり、しかも今回は自民・公明(案)の丸呑みだと言われていて、この間、民主党は一体何をやっていたのかと訝っていましたが、どうやら民主党が得意とする“亡国法案”だけは推進しているという週刊誌の報道があったことを思い出しました。一つは、日韓基本条約などで互いに請求権が放棄されているにも関わらず、4月28日の衆議院本会議で「日韓図書協定」を通過させ、朝鮮半島に由来する図書を一方的に引き渡すことになりました(これは外国人地方参政権を付与する法案が通らなかったお詫びと噂されています)。更に、4月22日の衆議院本会議では、「日独交流百五十周年に当たり日独友好関係の増進に関する決議」を議決し、「両国は、(中略)1940年に日独伊三国軍事同盟を結び、(中略)その後、各国と戦争状態に入り、多大な迷惑をかけるに至り、(後略)」などと、旧・大日本帝国をナチス・ドイツと同列に論じる誤りを犯し、村山談話に負けず劣らぬ亡国ぶりを示しました。非自民党・党首が首班の時に起こった阪神大震災と村山談話との、奇妙な類似を思わないわけには行きません。
 (ほかにも「コンピューター監視法案」「人権救済法案」も問題との指摘がありましたが、ここでは触れません。参考:「週刊新潮」6月2日号)
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