保健福祉の現場から

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劇症型溶血性レンサ球菌感染症

2024年05月15日 | Weblog
R6.5.14クローズアップ現代「危険な感染症「劇症型溶連菌」 命を守るためには?」(https://www.nhk.or.jp/minplus/0121/topic086.html)。
R6.5.16読売「激しい痛みで手足が壊死、「人食いバクテリア」と呼ばれる「劇症型」溶連菌で死亡事例も…山形で感染高止まり」(https://www.yomiuri.co.jp/medical/20240516-OYT1T50039/)。

R6.5.15NHK「「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」報告 過去最多ペースで増加」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240515/k10014449271000.html)で「ことしに入ってから今月5日までの国内の患者数は速報値で801人で、去年の同じ時期の2.76倍」とある。感染症疫学センター(https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc.html)の「IDWR速報データ2024年第18週」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/data/12665-idwr-sokuho-data-j-2418.html)の「全数把握疾患、報告数、累積報告数、都道府県別」の「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」をみておきたい。R6.3.29国立感染症研究所「国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/group-a-streptococcus-m/2656-cepr/12594-stss-2023-2024.html)が出ているが、昨年をはるかに上回るペースである。なお、感染症法による届出(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kekkaku-kansenshou11/01.html)では、5類全数届出である「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の生存患者の届出要件(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-06.html)は、「病原体検出」のほか、「ショック症状」+「以下の2つ以上;肝不全、腎不全、急性呼吸窮迫症候群、DIC、軟部組織炎(壊死性筋膜炎を含む)、全身性紅斑性発疹、痙攣・意識消失などの中枢神経症状」である。実際には、届出要件を満たさないが、緊急の治療が必要なケースが少なくないであろう(ショック症状がない等)。R6.1.19NHK「劇症型溶血性レンサ球菌感染症去年1年間の患者数過去最多」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240119/k10014328001000.html)では「国立感染症研究所によりますと、去年7月から12月中旬までに報告された50歳未満の患者、65人を調査したところ、21人が死亡」「感染の初期は、発熱やのどの痛みなど、かぜと見分けがつきにくいが、意識がはっきりしなかったり、皮膚に赤い発疹が出たりするなど、ふだんのかぜと異なる様子があれば、すぐに医療機関を受診してほしい」と報じられているが、我が国では、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00424.html)のR4.8.2「限りある医療資源を有効活⽤するための医療機関受診及び救急⾞利⽤に関する4学会声明 〜新型コロナウイルスにかかったかも︖と思った時にどうすればよいのか〜」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000972886.pdf)p1「症状が軽い場合は,65歳未満で基礎疾患や妊娠がなければ,あわてて検査や受診をする必要はありません」と受診抑制が徹底して要請されてきたことが気になる。まさか、ショック症状が出るまで待つことはないであろうが...。「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の生存患者の届出要件(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-06.html)は、「病原体検出」のほか、「ショック症状」+「以下の2つ以上;肝不全、腎不全、急性呼吸窮迫症候群、DIC、軟部組織炎(壊死性筋膜炎を含む)、全身性紅斑性発疹、痙攣・意識消失などの中枢神経症状」であるが、ショック症状を呈する前の早めの診断・治療がポイントであろう。なお、感染症疫学センター(https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc.html)の「IDWR速報データ2024年第18週」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/data/12665-idwr-sokuho-data-j-2418.html)の「疾病毎定点当たり報告数 ~過去10年間との比較~」ではA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は高い状況が続いている。そういえば、医療保険部会(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28708.html)のR5.9.7資料3「こどもにとってより良い医療の在り方等」(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001143707.pdf)p4「こどもにとってより良い医療を実現するための方策案」の一つに「小児抗菌薬の適正な使用」が打ち出されているが、「溶連菌感染症」(https://www.mizuho-m.co.jp/information/oyakudachi/strep/strep.html)(https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/group-a/)に抗菌薬を使えないようではいけない。「医療用医薬品供給状況」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kouhatu-iyaku/04_00003.html)では薬剤不足は解熱鎮痛薬に限らず広範囲に渡っているが、「医療用解熱鎮痛薬等の供給相談窓口(医療用解熱鎮痛薬等110番)について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29794.html)では「解熱鎮痛薬、鎮咳薬、トラネキサム酸、去痰薬」以外は絶対に受け付けられないのであろうか。R6.2.27現代ビジネス「「東京一極集中で地域医療が崩壊」「前例のない薬不足」…日本医師会会長が語った「医療制度の課題」とは」(https://gendai.media/articles/-/124812)の「コロナの時は解熱剤がないということがありましたが、今は、普通に抗菌剤がない。子どもの抗菌剤が途絶えていて、命にもかかわる状況です。」(https://gendai.media/articles/-/124812?page=3)ではいけない。 
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