保健福祉の現場から

感じるままに

DPC病院ランキング

2019年04月15日 | Weblog
メディウォッチ「2019年度のDPC機能評価係数II、各群トップは長崎大病院、済生会熊本病院、公立豊岡病院―厚労省」(https://www.medwatch.jp/?p=25910)。<以下引用>
<2019年度のDPC機能評価係数IIの最高は、大学病院本院群(旧I群)では長崎大学病院(長崎県)の0.1188、DPC特定病院群(旧II群、大学病院本院並みの高度医療を提供する病院群)では済生会熊本病院(熊本県)の0.1501、DPC標準病院群(旧III群、その他病院群)では公立豊岡病院組合立豊岡病院(兵庫県)の0.1522である―。厚生労働省が先ごろ告示した「厚生労働大臣が指定する病院の病棟並びに厚生労働大臣が定める病院、基礎係数、暫定調整係数、機能評価係数I及び機能評価係数IIの一部を改正する件」から、こうした状況が明らかになりました。大学病院本院群、トップ3は長崎大病院・和歌山医大病院・自治医大病院 DPC制度では、全病院に共通する「DPC点数表に基づく点数」(日当点)に、医療機関ごとの係数(医療機関別係数)と入院日数を乗じて、包括範囲の収益を計算します(DPC点数×医療機関別係数×在院日数)。医療機関別係数は、(1)基礎係数(2)機能評価係数I(3)機能評価係数II(4)激変緩和係数(診療報酬改定年度のみ、2019年度は全病院で0.0)—の和で計算されます。このうち(3)の機能評価係数IIは、いわば「各DPC病院の努力をさまざまな角度から評価する」もので、前々年の10月から前年の9月までの診療実績などをもとに、毎年度見直されます。2019年度について見てみると、まず大学病院本院群(旧I群)のトップは5次のようになりました。第1位:長崎大学病院(長崎県) 0.1188 第2位:和歌山県立医科大学附属病院(和歌山県) 0.1144 第3位:自治医科大学附属病院(栃木県) 0.1097 第4位:旭川医科大学病院(北海道) 0.1081 第5位:岩手医科大学附属病院(岩手県) 0.1061 逆に最も低いのは、国際医療福祉大学病院(栃木県)の0.0585で、トップの長崎大病院との差は0.0603となりました。機能評価係数IIの増減は、DPC病院の収益増減に直結2019年度の医療経済実態調査(医療機関等調査)によれば、特定機能病院の1施設当たり保険診療収益は267億円。また2019年度の社会医療診療行為別統計によれば、DPC病院における保険診療収益に占める包括部分のシェアは58.0%となっています。大学病院では手術の比率がより高いことなどを考慮し「保険診療部分に占める包括部分」シェアを50%と仮定すると、133億円程度と推計できます。ここに上述の差「0.0603」を掛け合わせると、8億円程度となります。ここから「長崎大病院と国際医療福祉大病院が、全く同じ規模で全く同じ診療行為を実施した場合、収益の差が8億円出る」と考えることができます。DPCの包括部分収益は、前述のように「DPC点数×医療機関別係数(機能評価係数IIもここに含まれる)×在院日数」で計算されるため、機能評価係数IIの上昇は、ダイレクトに収益増に結びつきます。いかに「機能評価係数II」の向上がDPC病院にとって重要かを再確認できるでしょう。もっとも機能評価係数IIは相対評価であるため、他院とのベンチマークが欠かせません(自院が10の努力をしたとしても、他院が11の努力をすれば、自院は「努力不足」と判断されてしまうことから、他院の状況をみて自院の行動を決する必要がある)。メディ・ウォッチを運営するグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンでは、多機能型経営分析ツール「病院ダッシュボードχ(カイ)」を開発。自院の他院の状況を細かく分析し、機能評価委係数IIの向上を含めた「改善」事項がどこにあるのかを可視化します。特定群のトップ3は済生会熊本病院・帯広厚生病院・神戸市立医療センター中央病院 次に、大学病院本院並みの高度な医療を提供していると評価されるDPC特定病院群(旧II群)については、トップ10は次の顔ぶれです。第1位:済生会熊本病院(熊本県) 0.1501 第2位:JA北海道厚生連帯広厚生病院(北海道) 0.1406 第3位:神戸市立医療センター中央市民病院(兵庫県) 0.1399 第4位:旭川赤十字病院(北海道) 0.1387 第5位:大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院(岡山県) 0.1372 第5位:高知県・高知市病院企業団立高知医療センター(高知県) 0.1372 第7位:武蔵野赤十字病院(東京都)1340 第8位:徳島県立中央病院(徳島県) 0.1318 第9位:福井県立病院(福井県) 0.1315 第10位:徳島赤十字病院(徳島県) 0.1273 標準群のトップ3は公立豊岡病院・岩手県立中部病院・大曲厚生医療センター さらにDPC標準病院群(旧III群)について、トップ20は次のようになりました。第1位:公立豊岡病院組合立豊岡病院(兵庫県) 0.1522 第2位:岩手県立中部病院(岩手県) 0.1496 第3位:大曲厚生医療センター(秋田県) 0.1488 第4位:みやぎ県南中核病院(宮城県) 0.1442 第5位:岩手県立磐井病院(岩手県) 0.1435 第6位:長岡赤十字病院(新潟県) 0.1433 第7位:地域医療機能推進機構徳山中央病院(山口県) 0.1430 第8位:公立藤岡総合病院(群馬県) 0.1422 第9位:兵庫県立淡路医療センター(兵庫県) 0.1410 第10位:いわき市医療センター(福島県) 0.1401 第11位:島根県立中央病院(島根県) 0.1396 第12位:八戸市立市民病院(青森県) 0.1395 第13位:京都中部総合医療センター(京都府) 0.1383 第13位:広島県厚生農業協同組合連合会廣島総合病院(広島県) 0.1383 第15位:名寄市立総合病院(北海道) 0.1382 第15位:日本赤十字社栃木県支部足利赤十字病院(栃木県) 0.1382 第17位:松山赤十字病院(愛媛県) 0.1379 第18位:近江八幡市立総合医療センター(滋賀県) 0.1373 第19位:高山赤十字病院(岐阜県) 0.1371 第20位:北見赤十字病院(北海道) 0.1369 なお大学病院本院群(旧I群)・DPC特定病院群(旧II群)とDPC標準病院群(旧III群)では機能評価係数IIの計算方法が異なるため、また、医療機関別係数のベースとなる基礎係数も各群で異なるため、群分けせずに機能評価係数IIのみを並べて比較することに大きな意味はありません。>

すでに平成30年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html)の「第3 関係法令等」(11)の25「厚生労働大臣が指定する病院の病棟並びに厚生労働大臣が定める病院、基礎係数、機能評価係数Ⅰ、機能評価係数Ⅱ及び激変緩和係数の一部を改正する件」のExcellファイルをダウンロードすれば、各病院ごとの機能評価係数Ⅱの数値が出ていたが、中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)でも出てくるであろう。病院情報局(https://hospia.jp/)のランキングでも注目である。さて、病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)の報告結果ページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/open_data.html)では、エクセルファイルで医療機関・病棟ごとに実績データがダウンロードできる。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000197983.pdf)p30~37「機能評価係数Ⅱの見直し」のうち「地域医療係数」は、医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)や地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)とも密接に関連することは強く認識したい。病院経営は地域全体で取り組む時代であろう。なお、DPCはやわかりマニュアル(https://medical.mt-pharma.co.jp/support/dpc-manual/index.shtml)は参考になる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AI活用による医療扶助レセプト審査を

2019年04月15日 | Weblog
M3「「医師の生産性、2040年までに7%以上改善」医療・福祉サービス改革プラン 根本厚労相、経済財政諮問会議で説明、プランは今夏に」(https://www.m3.com/news/iryoishin/670983)。<以下引用>
<根本匠厚労相は4月10日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、2040年を展望し、本年夏を目途に「健康寿命延伸プラン」と「医療・福祉サービス改革プラン」を策定する方針を説明した。健康寿命については、2040年までに男女ともに2016年と比べて3年以上延伸し、75歳以上とすることを目指す。医療・福祉分野の生産性は、少ない人手でも回るようにするため、全体として5%以上の改善を図る。この5%以上の改善は、2018年5月21日の「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」に基づくマンパワーのシミュレーションでも打ち出されていたが、医師については「7%以上」の数値が新たに加わった。医師の働き方改革を念頭に置いた目標設定と見られる。二つのプランは、(1)1億総活躍、(2)イノベーション、(3)社会保障の枠組みを超えた他分野との連携――という3つの視点で検討を進める方針。「健康寿命延伸については、ナッジの考え方など、個人の行動変容の視点を新たに取り入れていくとともに、特定健診とがん検診の同時実施など、好事例の横展開を進める。保険者インセンティブについては配点基準のメリハリ強化とともに、成果指標の導入拡大も検討する。医療・福祉サービス改革については、ロボット、AI、ICT等の活用を進める」(根本厚労相)。4人の民間議員は連名でこの日の経済財政諮問会議に、「新経済・財政再生計画の着実な推進に向けて~社会保障制度改革~」との資料を提出。その中で、第一に掲げたのが、「地域医療構想の実現等」だ。「消費税財源を活用し、病床のダウンサイジング支援を拡充すべき。地域によって進捗が遅れている要因の検証と成果につながる追加的方策を諮問会議に報告すべき」などと求めた。民間議員の一人は、「社会保障改革の問題は喫緊の課題だ。期限を区切ってスピード感をもって取り組むことが重要。とりわけ、地域医療構想の実現、次世代型医療サービスにおけるデジタル化を通じた生産性の向上が重要になる」と指摘。これを受け、根本厚労相は、経済財政諮問会議で次回、社会保障について議論する際に地域医療構想の進捗状況等を説明すると答えた。麻生太郎財務相は、「今後の社会保障を取り巻く環境を考えると、必要なサービスを効率的に提供していくことが重要な課題だ。本日議論になった過剰な病床の削減や調剤報酬などの公定価格の適正化、医療や介護の保険者向けのインセンティブ施策のメリハリ強化などをしっかり進めていく必要がある。こうした取り組みで、社会保障制度の持続性を確保するため、今後、給付と負担の見直しを含めた社会保障全般にわたる改革に取り組んでいかなければいけないと考えている」と発言した。経済財政諮問会議では、根本厚労相と民間議員による資料説明の後、出席議員と民間議員が議論を交わした。石田真敏総務相は、「マイナンバーカードと健康保険証の一体化を進めることが重要」と述べ、2020年度からの実現を目指すとした。「転職によって職場が変わっても、新たな保険証の発行を待たずに医療機関で受診できるとともに、過誤請求や保険者の未収金やなりすましの防止、高額医療費の限度額認定証の発行等の削減などの効果が期待される。また医療分野のデータの正確性、信頼性が向上することで、効果的な保健事業の実施などにも貢献できると考える」。世耕弘成経産相は、3月20日の未来投資会議で、「疾病・介護の予防・健康インセンティブ」をテーマに議論したことを紹介した。>

未来投資会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/index.html)の厚労相資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai25/siryou3-1.pdf)p3「医療・福祉サービス改革プラン;今夏に向けて策定」では、①ロボット・AI・ICT等、データヘルス改革、②タスクシフティング、シニア人材の活用推進、③組織マネジメント改革、④経営の大規模化・協働化の4つの改革が盛り込まれる。「ロボット・AI・ICT等、データヘルス改革」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai25/siryou3-2.pdf)による生産性向上を図るのであれば、国保情報4月1日号「AIで審査の高度化 新谷政務官、支払基金に オンライン資格確認の導入や高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施、審査支払機関改革などを盛り込んだ健保法等改正案の本格的な審議が、3月27日の衆院厚生労働委員会で始まった。新谷正義厚労大臣政務官は、支払基金の審査機能の強化へ向け、AI(人工知能)を活用し審査の高度化を図る考えを示した。繁本護委員(自民)への答弁。新谷政務官は「審査委員の医学的専門知識に基づく判断はこれまで通り必要」と前置きしたうえで、「AIを活用し審査結果等の分析をし、その結果を審査委員による審査の前段階で実施しているコンピュータチェックの見直しに反映させる」といった例を示した。」と報道されていたように、AI活用によるレセプト審査の生産性向上が必要であろう。規制改革推進会議の医療・介護ワーキンググループ(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/iryou/20181029/agenda.html)の支払基金資料(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/iryou/20181029/181029iryou03-1.pdf)(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/iryou/20181029/181029iryou03-1.pdf)に示す「支部固有のルール」が多いのはそもそもおかしい。「社会保険診療報酬支払基金の見直しに関する意見」(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/publication/opinion1/290425iryou1.pdf)p3「「地域の顔が見える関係を土台」とした審査は、他方で、審査する側とされる側が同じ地域の医師であることから生じ得る利益相反の批判も招いてきた。」はしっかり認識したい。また、会計検査院「国民健康保険団体連合会におけるコンピュータチェックを活用したレセプト審査の実施について」(http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/31/h310319.html)(http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/31/pdf/310319_zenbun_01.pdf)が出ていたように、国保レセプトの審査も気になるところである。今後、AI活用によるレセプト審査の生産性向上は試験的に始まるのかもしれないが、公的医療保険よりも、生活保護の医療扶助の審査の方が、全国統一的に試行できるように感じる。社会・援護局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2018/01/dl/tp0115-s01-01-03.pdf)の医療扶助適正化は、後発医薬品の普及、頻回受診の適正化、生活習慣病の予防・重症化予防であるが、「AI活用による医療扶助レセプト審査」は検討されないであろうか。そういえば、以前「生活保護受給者に心臓カテーテルを強制、相次ぐ匿名告発」(https://judiciary.asahi.com/fukabori/2013102300002.html)が出ていたが、自己負担がない「医療扶助」において、高額検査、高額薬剤、高額処置のAI審査が導入されても良いように感じる。特定の医療機関における医療扶助による高額検査、高額薬剤、高額処置の集中チェックは容易であろう。また、重複薬剤や重複検査などもAI審査は威力を発揮するであろう。医療扶助も電子レセプトが普及しているなかで、なぜ、福祉事務所ごとの医療扶助レセプトの審査が継続されているのか、疑問に感じる方が少なくないかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

児童相談所関連データの見える化を

2019年04月15日 | Weblog
朝日新聞「児童相談所の専門性を高める 新しい国家資格は必要?」(https://www.asahi.com/articles/ASM3T5DWQM3TUBQU00W.html?iref=com_apitop)が目にとまった。「全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000174789_00001.html)の「児童相談所関連データ」(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000349860.pdf)をみると、自治体によって児童相談所の体制にかなりの違いがみられることがわかる。全国児童福祉主管課長会議(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kodomo_129064.html)の虐待防止対策推進室資料(https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000484407.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000484422.pdf)には目を通しておきたい。特に資料(https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000484422.pdf)p1~4「新たなルール」、p5~8「留意点」は徹底したいが、やはり、人材確保・育成が急務と感じる。とにかく、まずは「児童虐待防止対策推進本部」・「児童虐待防止対策に関する関係府省庁連絡会議」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000128770.html)の 「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000468583.pdf)p2「(1)児童福祉司の増員;① 児童相談所の人口当たり配置標準の見直し、② 里親養育支援児童福祉司・市町村支援児童福祉司の配置」、「(2)スーパーバイザーの増員」、「(3)児童心理司の増員」、「(4)保健師の増員」、「(5)弁護士の配置」をそれぞれの自治体で確実に進める必要があるように感じる。いくら、国レベルで報告書が繰り返され、法律改正、通知発出、事業化されてもそれぞれの自治体で取り組まれなければ全然意味がない。児童虐待防止専用HP(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/index.html)でも、「乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児等の緊急把握」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198791_00001.html)が都道府県別に出ているが、例えば、資料(https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000484407.pdf)p136「都道府県別の状況;平成30年11月30日時点で安全確認ができていない児童数」は中核市・政令市は別途示された方がインパクトがあるかもしれない。資料(https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000484407.pdf)p103~104「児童相談所の設置に向けた検討状況(平成31年2月時点)」では、中核市(対象:52市)のうち、「設置する方向」(2ヶ所)、「設置の方向で検討中」(5ヶ所)とかなり低調である。児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案(https://www.mhlw.go.jp/content/000489914.pdf)の注目の一つは、「児童相談所の管轄区域は、人口その他の社会的条件について政令で定める基準を参酌して都道府県が定めるものとする。」「政府は、施行後5年間を目途に、中核市及び特別区が児童相談所を設置できるよう、施設整備、人材確保・育成の支援等の措置を講ずるものとする。その支援を講ずるに当たっては、関係地方公共団体その他の関係団体との連携を図るものとする。」で、都道府県が定める児童相談所の管轄区域は平成35年4月1日である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一般会計から病院事業会計への繰出金の「見える化」が不可欠

2019年04月15日 | Weblog
毎日新聞「大橋・涌谷町長「病院運営、財政圧迫」 生前、知事に相談 /宮城」(https://mainichi.jp/articles/20190409/ddl/k04/010/161000c)。<以下一部引用>
<村井嘉浩知事は8日の定例記者会見で、4日に死亡が確認された涌谷町長の大橋信夫さん(当時69歳)から2月上旬に携帯電話へ町立病院の運営などについて直接相談があったと明らかにし、「病院経営をいかに立て直すか話し合っている最中の訃報。大変ショックを受けている」と述べた。>

毎日新聞「涌谷町「財政非常事態宣言」 2年後、赤字転落のおそれ /宮城」(https://mainichi.jp/articles/20190201/ddl/k04/010/205000c)。<以下一部引用>
<涌谷町は1月30日、積み立てから財政危機時に取り崩す財政調整基金(財調)の残高が2年後になくなり、赤字転落が予想されるとして、「財政非常事態宣言」を出した。税収が増えない中、10年あまりで倍増した医療関連費など住民生活に欠かせない部分の負担拡大が、町財政を圧迫している。町企画財政課によると、2017年度の町一般会計の歳出(決算額)は、07年度の1・3倍の約78億円に膨らんだ。障害者自立支援事業や民間保育所委託費などの「扶助費」がこの間に1・7倍に増えた。また、一般会計から公設公営の病院を運営する病院事業会計への繰出金は同期間で2・5倍の4億7988万円にまで増加した。この間、町は職員給与などの「人件費」などを削減してきたが、効果は限定的だ。一方、歳入のうち町税は減り、地方交付税も伸び悩んでいる。>

首長の死をきっかけに、「一般会計から病院事業会計への繰出金」が注目されている。「地域医療構想」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_368422.html)については、医療政策研修会(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000194369.html)の資料(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000349458.pdf)p7「平成30年2月7日付け医政地発0207第1号厚生労働省医政局地域医療計画課長通知」では「都道府県は、個別の医療機関ごと(病棟ごと)に、以下の内容を提示すること。①医療機能や診療実績 ②地域医療介護総合確保基金を含む各種補助金等の活用状況 ③公立病院・公的病院等について、病床稼働率、紹介・逆紹介率、救急対応状況、医師数、経営に関する情報など」とあり、各地域の地域医療構想調整会議で「公立・公的医療機関ごとの経営に関する情報」が示される必要がある。「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)、「公的医療機関等2025プラン」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20170804_01.pdf)の再検証のためには、公立・公的病院への補助金投入状況の「見える化」が不可欠と感じる。資料「今後の社会保障改革について ー 2040年を見据えて ー」(https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000474989.pdf)p2「2040年を展望した社会保障改革についての国民的な議論の必要性」は同感であるが、それぞれの地域において徹底した情報公開が不可欠であろう。もはや威勢の良い情報ばかりを流す時代ではないように感じる。例えば、医療機能情報(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)や病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)をみれば、がん手術実績が非常に小さい病院が少なくない。がん診療連携拠点病院(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html)については、通知(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_byoin_03.pdf)で、「院内がん登録数年間500件以上、悪性腫瘍の手術件数 年間400件以上、がんに係る化学療法のべ患者数 年間1000人以上、放射線治療のべ患者数 年間200人以上」の実績要件が設定されているが、それ以外の病院でどこまでの急性期診療機能を確保するか、医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)、「公的医療機関等2025プラン」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20170804_01.pdf)、「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)等でしっかり検討されるべきである。専門スタッフ(医師だけではない!)や高度機器等を考慮すれば、「政策医療とアクセスを踏まえた急性期診療機能の集約化」はやはり必要であろう。「医師確保計画策定ガイドライン及び外来医療に係る医療提供体制の確保に関するガイドライン」(https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2019/190405_6.pdf)p17「個別の医療機関については、現在、各地域医療構想調整会議において、公立・公的医療機関等でなければ担えない機能に重点化が図られているか等をはじめとした医療機関の機能と役割について議論が行われているところであるが、その議論の結果に沿って地域において必要とされる医療が過不足なく提供されるよう医師の確保がなされなければならない。この目的を達成するためにも、地域医療構想調整会議においては、各医療機関について現在の機能を所与のものとせず、医療機関が地域の実情と比べて必要以上の機能と役割を担うことがないよう十分な議論を行う必要がある。」とある。しかし、まずは「病床利用率の低い一般病床(特に休棟)を有する病院」について、今後の方向をしっかり打ち出す必要があるように感じる。国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson18/t-page.asp)(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson18/3kekka/Municipalities.asp)に出ている「2045年までの市区町村の性・年齢階級推計人口」と政策医療を踏まえて、人口減少地域では、ダウンサイジング方向を打ち出すべきであろう。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p23に示すように、必要病床数を計算する際の稼働率は「急性期78%」であるが、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)に出ている「医療機関ごとの病床種別の許可病床数と前年度一日平均入院患者数」をみれば、かなり利用率が低い一般病床を有する病院が少なくない。平成32年度までの計画期間である「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)に関する総務省通知(http://www.soumu.go.jp/main_content/000350493.pdf)p8では、「過去3年間連続して病床利用率が70%未満」である病院に対して、抜本的な検討が要請され、総務省資料(http://www.soumu.go.jp/main_content/000343695.pdf)p5「公立病院の運営費に係る地方交付税措置(病床当たり単価;707千円)の算定基礎を許可病床数から稼動病床数に見直す」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000350493.pdf)となっている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする