「凄かった」と朝、顔を会せるなりカミさんが言う。てっきりオバマ大統領の広島での演説のことかと思ったら、「錦織がフルセットの末に勝ったのよ。解説者も錦織の粘り強さに感心していた」と言う。昨夜、試合が終わるまでテレビを見てしまったそうだ。スポーツの試合になるとカミさんは熱狂的になる。「勝者と敗者に分かれるから、つまらない」と私が言えば、「どう勝つか、そのプロセスが面白いのに」と呆れた素振りで言う。
今朝の中日新聞はオバマ大統領の演説の全文を英語と日本語で掲載していた。「こっちも凄いね」と言うと、「現職の大統領が広島を訪れることだけでも凄いのにね」と、昨日からオバマ大統領の広島訪問のニュースを何度も見たカミさんは言う。「17分も演説するくらいなら、もう少し原爆資料館をじっくり見て欲しかったな」と私が言えば、「被爆者の方たちと話もされているのだから、オバマ大統領としてはギリギリのところなのよ」と諭された。
原爆を投下したことに対する謝罪がないと言う人もいるが、カミさんの言うようにあれがオバマ大統領としては限界だったのだろう。原爆資料館で何を見たかということも「アメリカとの約束で言えない」と館長が言っている。これからは、演説したように核廃絶に向かって具体的な1歩でも2歩でも進めて欲しいが、演説の中で「生きている間は無理だろうが」と述べているからやる気はないのだろう。
サミットも「世界経済の回復に向けてみんなで努力しよう」というだけのセレモニーであるし、歩調を合わせるためにと、安倍首相は来年の消費税の引き上げをさらに延期する理由を作り上げる場であった。それでも首脳たちが他国を知る機会になればそれでよいのかも知れない。サミットで面白かったのは、カナダの首相夫妻が結婚記念日(25日)は公務を全て休み、ハイキングなどを楽しんだことだ。しかも、「ポケットマネーで支払った」とまで報道されていた。
束の間ながら、異国の土地で、結婚記念を祝うとは、さすがに若い首相である。「凄いわね」とカミさんは感心する。私は舛添知事への当てつけ報道に感心する。さて次は、12月に安倍首相が真珠湾で謝罪をする番だと思うがどうだろう。