姉の見舞いに行ってきた。3月で86歳になったが、すこぶる元気がいい。姉にはこの施設が合っていたのだろう。ひと頃よりも顔つきがよくなったし、私たちの話していることが理解できているのかは分からないが、返す合いの手のタイミングがいい。姪っ子が「私よりも長生きするわ」と笑う。ありがたいことだけれど、そうなると私の方が先に逝くことになりそうだ。
姉は当時にしてはモダン派で、今でも「ステーキが食べたい」と言う。義理の弟が「イモの煮っころがしの方がうまいのに」と口を挟むと、「あんたは田舎者だね」と皮肉を言う。姉のダンナも格好つける人で、「予科練くずれ」を自慢していたが、本当は予科練には行っていないと思う。ふたりは戦後世代の先鋒のような存在だったと思う。
男がプラットホームで汽車を待っていると、若い女が寄って来て、「すいませんがこれ、ちょっと見ててくれません」と言うが早いか、返事も聞かずに旅行鞄を置いて行ってしまった。しばらくして女は帰って来たが、「ありがとうございました」とだけ言った。やがて汽車が来て、ふたりとも同じ車両に乗り込んだ。それがふたりの出会いだった。
何度かデートを重ねるうちに気が合うことがふたりは分かった。植物園を散歩した帰り、女が男に言った。「このまま、さようならしたくない」。男は女を可愛いと思い、キスをした。すると女は「私はあなたのお母さんの生まれ変わりのような気がする」と言う。男がきょとんとしていると、「おっぱい飲ませてあげようか」と言って、セーターをめくりあげて乳房を出した。
おっとと、今晩は劇団・新感線の『蛮幽鬼』を観に行く。昨日のブログに『待つ』同人さんが、「老青年の真面目でトボケた文章がすき」とコメントをくださったことに悪乗りして、妄想がさらに広がってしまった。もう午後5時だ。それではここでおしまい。
時間がなくてアップ出来なかったので、これからします。