夏休みの電車は空いている。それでも朝は、同じ数の通勤客がいるし、この人たちは大体いつも同じ席に座っている。この日も30代の男の人の隣はまたいつものように若い女性だ。そして隣の女性は眠っている。この男の人を見ていると、男のずるさとそれでいて小心なところが見えてくる。この男の人はいつも眠っている。でもよく観察していると、眠ったふりをしているというのが正しいと思う。彼はいつも眠っているが、時々薄目を開けて隣の女性の胸元をチラチラと見ている。
この男性は、電車の揺れに合わせて、どんどんと女性の方に身体を傾けていく。夏だから女性は半そでかノースリーブだから、男性が密着する部分は多い。彼はゆっくりと少しずつ、女性の方へと傾き、彼の張った腕は女性の胸に触れんばかりだ。女性が気付いて身体を入れ替えると、彼も何食わぬ顔で、身体をまっすぐに直す。そしてまた、電車の揺れに合わせて女性の方へと傾いてゆく。
初めはヘンなヤツだなと思うくらいだったが、2回目に見た時、この男は確信犯だと思った。1回目の時は、左側の女性の方に傾いていた。進行方向に向かって後ろ側だから、人間としては自然な形に見えた。ところが2回目に見た時は、同じ席でありながら、進行方向側に身体を倒しているのだ。これはどう見てもおかしい。ズーと見続けていたけれど、彼は何事も無いように、真っ先に起きて大きく背伸びをして、スタスタと電車を降りていった。
そんな男もいるかと思うと、まだ幼稚園か保育園に通っている子ども連れの母子が乗り込んできた。子どもはお菓子をずっと食べている。若い母親は、見事なほどスリムな体型で、子どものことなど見向きもしないで、お化粧に余念が無い。これが彼の朝食なのかと思った。そうかと思うと、夏休みだからだろうが、ガールスカウトやボーイスカウトの子どもたちが引率されて乗り込んでくることもある。ガールやボーイは、教育されているので、決して我先に座席に座ることは無い。そのこと自体は立派なことだと思うけれど、空いた席の前に陣取っていたのでは他のお客は座りにくいものだ。そんな時、リーダーが一言、「席に座ってもらいなさい」と子どもたちに声をかけて欲しい。
マナーがなっていないと思うのは、運動部の選手達だ。どかどかと乗り込むなり座席を占拠し、他のお客への配慮も無い。少年野球チームなら、監督かコーチが野球技術だけでなく、マナーも教えて欲しいと思う。そういうリーダーが一緒でない高校生の運動部の連中はもうどうしようもない。電車の中も部活活動の場所も、全く区別が付けられない。子どもたちには小さい時から、「若いときは座席に座るな」と教えておいて欲しいと思う。
子どものマナーが悪いのは、もちろん大人の責任である。大人が子どもたちにマナーを教えなければ、子どもがマナーをマスターできるはずは無い。大人を見ながら子どもは育つ。子どもはいつも大人の真似をしながら覚えていくのだ。だからこそ、親の責任は大きいというわけだ。
この男性は、電車の揺れに合わせて、どんどんと女性の方に身体を傾けていく。夏だから女性は半そでかノースリーブだから、男性が密着する部分は多い。彼はゆっくりと少しずつ、女性の方へと傾き、彼の張った腕は女性の胸に触れんばかりだ。女性が気付いて身体を入れ替えると、彼も何食わぬ顔で、身体をまっすぐに直す。そしてまた、電車の揺れに合わせて女性の方へと傾いてゆく。
初めはヘンなヤツだなと思うくらいだったが、2回目に見た時、この男は確信犯だと思った。1回目の時は、左側の女性の方に傾いていた。進行方向に向かって後ろ側だから、人間としては自然な形に見えた。ところが2回目に見た時は、同じ席でありながら、進行方向側に身体を倒しているのだ。これはどう見てもおかしい。ズーと見続けていたけれど、彼は何事も無いように、真っ先に起きて大きく背伸びをして、スタスタと電車を降りていった。
そんな男もいるかと思うと、まだ幼稚園か保育園に通っている子ども連れの母子が乗り込んできた。子どもはお菓子をずっと食べている。若い母親は、見事なほどスリムな体型で、子どものことなど見向きもしないで、お化粧に余念が無い。これが彼の朝食なのかと思った。そうかと思うと、夏休みだからだろうが、ガールスカウトやボーイスカウトの子どもたちが引率されて乗り込んでくることもある。ガールやボーイは、教育されているので、決して我先に座席に座ることは無い。そのこと自体は立派なことだと思うけれど、空いた席の前に陣取っていたのでは他のお客は座りにくいものだ。そんな時、リーダーが一言、「席に座ってもらいなさい」と子どもたちに声をかけて欲しい。
マナーがなっていないと思うのは、運動部の選手達だ。どかどかと乗り込むなり座席を占拠し、他のお客への配慮も無い。少年野球チームなら、監督かコーチが野球技術だけでなく、マナーも教えて欲しいと思う。そういうリーダーが一緒でない高校生の運動部の連中はもうどうしようもない。電車の中も部活活動の場所も、全く区別が付けられない。子どもたちには小さい時から、「若いときは座席に座るな」と教えておいて欲しいと思う。
子どものマナーが悪いのは、もちろん大人の責任である。大人が子どもたちにマナーを教えなければ、子どもがマナーをマスターできるはずは無い。大人を見ながら子どもは育つ。子どもはいつも大人の真似をしながら覚えていくのだ。だからこそ、親の責任は大きいというわけだ。