名東文化小劇場で、「愛知・県民の手による平和を願う演劇の会」のよる『がんばれ!日本国憲法』を観た。上演は明日も行われるので、興味のある方はぜひ見て欲しいと思う。憲法問題に真正面から取り組んだ演劇というのに、残念ながら入りは良くない。「難しいことはわからないから」とよく人は口にするけれど、難しいというのは逃げ口上でしかないことは多分言ってる本人もわかっていることだ。興味があることならば、難しいなどとは決して口にしない。政治のことは難しいことだという固定観念が人々に植え付けられてしまっているのだ。これは、政治を話す側の力量がなかったためでもある。
その点でも、『がんばれ!日本国憲法』はおもしろいなと思った。チラシもそうなのだが、日本国憲法を巡るバスツアーに出かけるという筋立てがユニークだ。バスの客も、2人の憲法改正賛成派と3人の反対派、そして中間的な人々を配していて、かなり「双方」あるいは「中立」に配慮している。私は憲法改正に反対する根拠が弱くなりそうな気がし、心配した。最後に、憲法改正がされることがもたらす現実を描いていたが、徴兵制度の導入はすぐには行われないだろう。改正に反対する空気を強めるようなヘマはしないものだ。
ヒットラーが独裁国家を作り上げたのは、圧倒的な多数の国民が熱狂的に支持したからだ。初めから強権的な政権ではなかったが、むしろ国民が後押しした。日本の場合も、欧米列強国の横暴への反発から、マスコミも軍部の先走りを認め国民を鼓舞した。怖いのは、集団の心理だ。これはおかしいと思っても口に出せなくなる。次に、おかしいことを擁護し、自分の身を守る。国家のような大きな集団でなくても、4~5人の集団でもそうしたことは起きる。「いや、それはおかしいよ」などと言えば、あいつは偏屈なヤツだとか、集団の和を乱すヤツとか、レッテルを貼られて何もいえなくなる。次にいじめられるのは自分ではないかという恐怖心から、ゴマすりをする者が生まれてくる。こうしてどんどん集団は先鋭化してしまう。
「現在の日本国憲法で困っている人がいるの」との問いかけに、改正派はうまく反論できなかった。環境権がないとか、自衛隊を認めた方が現実的だとか、そんな程度だった。改正派の問題意識としては、憲法が制定されて60年も経ていること、自国を防衛する軍隊を持つことは当然の権利であること、この2点に尽きるように思う。60年経ているとかアメリカの押し付けであるという意見には、「現在の日本国憲法で困っている人がいるの」という言い方は有効である。自国を防衛する権利と言う意見にはこの演劇の中では「どこの国が攻めてくるの」という反論になっていた。この点での掘り下げが必要に思った。つまり、憲法第9条の積極的な価値を取り上げるべきだと私は思っている。
人はともすれば「難しい話は」と言うけれど、そういう人たちに対し、戦前のような社会にもどると強調しても共感を抱いてはもらえないだろう。あなたはこれからどんな社会にしたいのか、積極的に未来を語ることが大切な気がする。戦前の恐ろしい社会を見てもらうことは大事なことだが、それだけでは物足りない。人は恋もするのだから、否定面だけでは受け入れられない。この演劇『がんばれ!日本国憲法』を見てみようと思われる方は、明日の午後2時から、地下鉄『上社』駅の名東文化小劇場へ足を運んで欲しい。
ところで、蝶の幼虫は2匹ともさなぎになった。片方はまだ色が緑色だが、先にさなぎになった方は白っぽくなってきた。報告はまた、明日。今晩はこれから、長女が「タコ焼き」をルーフガーデンでやってくれるという。
その点でも、『がんばれ!日本国憲法』はおもしろいなと思った。チラシもそうなのだが、日本国憲法を巡るバスツアーに出かけるという筋立てがユニークだ。バスの客も、2人の憲法改正賛成派と3人の反対派、そして中間的な人々を配していて、かなり「双方」あるいは「中立」に配慮している。私は憲法改正に反対する根拠が弱くなりそうな気がし、心配した。最後に、憲法改正がされることがもたらす現実を描いていたが、徴兵制度の導入はすぐには行われないだろう。改正に反対する空気を強めるようなヘマはしないものだ。
ヒットラーが独裁国家を作り上げたのは、圧倒的な多数の国民が熱狂的に支持したからだ。初めから強権的な政権ではなかったが、むしろ国民が後押しした。日本の場合も、欧米列強国の横暴への反発から、マスコミも軍部の先走りを認め国民を鼓舞した。怖いのは、集団の心理だ。これはおかしいと思っても口に出せなくなる。次に、おかしいことを擁護し、自分の身を守る。国家のような大きな集団でなくても、4~5人の集団でもそうしたことは起きる。「いや、それはおかしいよ」などと言えば、あいつは偏屈なヤツだとか、集団の和を乱すヤツとか、レッテルを貼られて何もいえなくなる。次にいじめられるのは自分ではないかという恐怖心から、ゴマすりをする者が生まれてくる。こうしてどんどん集団は先鋭化してしまう。
「現在の日本国憲法で困っている人がいるの」との問いかけに、改正派はうまく反論できなかった。環境権がないとか、自衛隊を認めた方が現実的だとか、そんな程度だった。改正派の問題意識としては、憲法が制定されて60年も経ていること、自国を防衛する軍隊を持つことは当然の権利であること、この2点に尽きるように思う。60年経ているとかアメリカの押し付けであるという意見には、「現在の日本国憲法で困っている人がいるの」という言い方は有効である。自国を防衛する権利と言う意見にはこの演劇の中では「どこの国が攻めてくるの」という反論になっていた。この点での掘り下げが必要に思った。つまり、憲法第9条の積極的な価値を取り上げるべきだと私は思っている。
人はともすれば「難しい話は」と言うけれど、そういう人たちに対し、戦前のような社会にもどると強調しても共感を抱いてはもらえないだろう。あなたはこれからどんな社会にしたいのか、積極的に未来を語ることが大切な気がする。戦前の恐ろしい社会を見てもらうことは大事なことだが、それだけでは物足りない。人は恋もするのだから、否定面だけでは受け入れられない。この演劇『がんばれ!日本国憲法』を見てみようと思われる方は、明日の午後2時から、地下鉄『上社』駅の名東文化小劇場へ足を運んで欲しい。
ところで、蝶の幼虫は2匹ともさなぎになった。片方はまだ色が緑色だが、先にさなぎになった方は白っぽくなってきた。報告はまた、明日。今晩はこれから、長女が「タコ焼き」をルーフガーデンでやってくれるという。