友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

高校野球と手紙

2007年08月08日 19時38分23秒 | Weblog
 今朝から高校野球が始まった。いつ、誰に出したのか定かでないが、高校野球を題材に書いた手紙の下書きがある。宛名と年月が入っているといいのだが、私の手紙の下書きはいつもその点でも抜けている。読み返してみると結構まともなことを書いているように思ったので、ここに掲載しておく。

 『高校野球を見ていると実におもしろい。どこどこのピッチャーはなんとか一の豪腕だとか、どこどこのチームは強打のチームだとか、いろいろな前評判が新聞に載っています。なるほどそのとおりの時もあるけれど全くハズレている時もあります。
 
 かつて、巨人の名三塁手の長嶋茂雄選手が「野球は筋書きの無いドラマだ」と言ったとか、―これは一度調べておく―誠に高校野球は素晴らしいと思います。あんなに試合をリードし、圧倒していたと見えたチームが、たった一つの思わぬミスから、次々と失点を重ねて敗戦に至ったり、互角の展開で甲乙つけがたいと思われていた試合が、ほんの少しの気の緩みや気迫の欠如から、コロリと負けてしまったりします。だからおもしろいのです。そこに人間の喜怒哀楽の凝縮があるから、人を魅了するのでしょう。

 優勝したチームは確かに力のあるチームでしょう。けれども、1回戦で負けたチームは全く力の無いチームなのでしょうか。テレビを見ていていつも思うことは、有名なチームも名も無いチームも、ほとんど力に差は無いということです。

 たった一つの、ほんのちょっとしたミスが、勝負を分けたに過ぎません。でも考えてみれば、たった一つのほんのちょっとしたミスを生んでしまうか否かも実力のうちかも知れないし、幸運を呼ぶのも実力なのかも知れません。人生の勝負などというものは、このように不確かなものなのでしょう。確かなのは、勝負の時にどれほどの気迫でぶつかっているかということです。100%の気迫で向かった人はそれで大満足なはずです。

 さて、高校生活おめでとう。入試をくぐり抜けたあなたたちは、甲子園の選手と同じです。皆、力の差はありません。ほんの少しのミスや気の緩みの無いように、3年後を目指して頑張ってください。』

 最後の3行から推測すると、娘が高校生になった時に、書いたものなのかなと思うけれど、果たして長女の時だったのか次女の時だったのか、わからない。それとも、私が編集していた地域新聞のコラムの下書きだったのだろうか、それも覚えが無い。何十年も前の文章ではあるが、考え方としては少しも変っていないので、掲載しておいてもよいと思った。
コメント
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