箕面市北部の止々呂美地区で、ゆずの出荷が始まっています。大阪府内で唯一のゆずの出荷生産地である止々呂美地区では、約20軒の農家が出荷用にゆずを栽培しており、11月下旬頃から12月の中旬頃にかけて収穫が行われます。ゆずの収穫量は2年周期で波があり、今年は(裏年のため)昨年より収穫量が少なく、約1~2トンを見込んでいます。
ゆずは木の幹にトゲがあり、実がトゲに触れると茶色く変色し、商品の価値を下げてしまいます。また昔から、『桃栗3年柿8年、柚子の大馬鹿18年』と言われるほど、実が採れるまで年数がかかります。そのため、通常は5年ほどで結実される接木栽培が主流ですが、止々呂美のゆずは種からじっくり育てる実生栽培です。実が大きくて香りが良く、日持ちするのが特徴です。
収穫されたゆずは、JA大阪北部萱野支店で1キログラムあたり300~850円程度で主に予約販売されます。品質の良いものはホテルなどで使われるということです。一部は、ゆずのポン酢やマーマレードとして加工され、滝道のお店などで販売されます。
また今年も、人手不足により収穫や手入れが十分に行き届かないゆず農家を応援する“ゆず収穫・剪定サポーター隊”が結成されました。ゆず収穫・剪定サポーター隊は、ゆずが好きで農作業に関心のある市民のかたを対象に公募し結成されたもので、今年は12人の隊員が所属しています(現在も隊員募集中です)。止々呂美ゆず生産者協議会の指導のもと、各農家に出向き、ゆず収穫や樹木剪定を手伝います。
この日は、サポーター隊のメンバーのうち3人が参加して、ゆずの収穫や剪定、切り取った枝の片付け作業などを手伝いました。
すし店に勤める坂口大将さんは、「普段お店で使用しているゆずが、どのようなところで生産されているか直接見てみたくて参加しました」と話しました。
また、初めてサポーター隊に参加した川下愛さんは、「剪定作業や枝の片付けは大変で、農家さんの苦労がうかがえます。箕面のゆずは実が大きくて香りが良いので、もっと多くのかたに知ってもらいたいです」と話しました。
止々呂美ゆず生産者協議会会長の尾上喜治さんは、「今年は収穫量が少ないですが、ひとつひとつの実は大きく香りが良いです。こうして剪定作業をきちんと行っておくと日当たりが良くなり、来年はもっとたくさんの実がなると思います。サポーター隊のみなさんに手伝っていただき、とても助かります」と喜んでいました。
<箕面のゆずはさわやかでいい香りっ 料理にちょっと添えるだけでも美味しさアップだね!