3月2日(金曜日)から5月14日(月曜日)まで、一昔前に桃の節句、花見、端午の節句といった春の代表的な行事に使われていた道具類を展示した企画展示「春の行事と道具展」が、箕面市立郷土資料館で開催されています。
今回の企画展示「春の行事と道具展」は、季節感が味わえるものとして、明治から昭和時代の人々が春の代表的な行事である桃の節句、花見、端午の節句で使用していた道具類を展示しています。また、市内の各地域で行われていた当時の行事の解説も掲示されています。
今では行楽として行われている花見ですが、元々は毎年特定の時期に地域ごとで行われる行事の一つでした。昭和30年頃までの箕面市内では、花見を行う日時や場所が地域でそれぞれ決まっており、当日は学校が休みになるなど、地域総出で山に出かけていました。
花見は、寒い冬の期間に弱った体に、春の日差しを受け、健康を取り戻すといったことが本来の目的だったようで、市内では「花見」のことを「メンギョ(ウ)」と呼んだ地域が多かったそうです。この呼称の由来は、「無縁経」というお経が訛ったもの、休みになる日ということで「免業」が訛ったものなど諸説があります。
この「メンギョ(ウ)」の日に、巻きずしなどの料理を詰めた重箱やそれを運ぶための道具である外居(ほかい)などの花見に使用した道具が展示されています。
外居(ほかい)
また、桃の節句や端午の節句にちなみ、明治から昭和時代の雛人形や五月人形も展示されています。
展示されている雛道具には、今でもよく見られるぼんぼりや唐草模様の施された小さなたんすや鏡台などのほかに、かまどやほうき、ちりとりなど実用的な道具を小さくしたものなどが展示されています。
今回展示されている17種類の展示品は、すべて市民のかたから寄贈していただいたものです。
郷土資料館の福田薫館長は、「時代が進むにつれ季節の行事は簡素化されてきましたが、今回の展示をご覧いただいて、昔からの伝統行事を楽しんでほしいです。箕面は自然が豊かで山には綺麗な花がたくさん咲くので、これを機にお花見に行ってみてはいかがでしょうか」と話しました。
郷土資料館を訪れた秦康雄さんは、雛人形を見て「こうした文化は日本独自のもので他国からはすごく珍しがられますね。人形も一つ一つに作りや表情の違いがあり、職人さんの腕を感じます。伝統文化を大事にしていきたいですね」と話しました。
【春の行事と道具展】
開催期間 3月2日(金曜日)から5月14日(月曜日)まで
開館時間 午前10時から午後5時まで(木曜日休館)
開催場所 箕面市立郷土資料館(阪急箕面駅から東へ徒歩約2分、みのおサンプラザ1号館地下1階)
問合せ先 電話072-723-2235
入場料 無料
<郷土資料館に行った後は、お花見しに滝道へ行こうっと!