秋口からは光線の具合いも斜めであり写真にはもってこいの状況である。夏場の光線は、太陽が真上に在る状態が長く影も短いし光も強い。つまり立体的、劇的な写真表現が難しいのだ。逆に、真夏の気だるさはこの季節しか表現出来ない。秋口からはの斜光は、照らされた物や事象を立体的、劇的なに見せるし暖色系の光がふくよかさを出す。ギラギラしない光が出す光線の暖かさ、美しさは街も港も路地も何とも言えない表現である。芸術の秋などと言うが趣味を行うには、気持ちも落ち着いて良いのだろう。フィルムの消費が激しく増す季節である。
浦賀と言えば、毎日ランチに来店してくれるお客さんで浦賀出身の還暦に成る方が居る。大雑把には理解しているつもりだが、今日の来店で更に深く尋ねて叩き台にして行こうと考えている。浦賀は、京浜急行の終着駅でありその為ナカナカに叙情豊かである。終着駅というのもそうは沢山在る訳では無いから大事な逸材なのだ。開発の遅れた風情が漂い、駅の目の前は入り湾というこの世の終着的な侘びしさが気にいっている。度々出掛けているが秋は初めてで昔流行った「落ち葉の舞い散る停車場」で始まる「終着駅」という歌謡曲に因んだ訳である。