でもしかし、その美術館・博物館に出向く気持ち自体が稽古です。好奇心と学習の心の動きが実行に移す、稽古です。すると、先人達の技術や手間・時間の掛け方つまり根気の物凄さに驚かされる。ハイテクなんて無い時代、機械も無い時代によくぞ造れた逸品中の逸品。「壺中の壺」と言えば、お城。木造建築の粹ですなっ!コンピュータなんて無いですよ。あの時代はっ!更に驚くのが、石垣。一つ何トンもの大石を隙間無く積み、しかも何百年も崩れない。勿論、重機は有りません。それが、政治と軍事の両面でも完璧に機能する。「壺中の壺」。
そして今日は、革工芸を趣味にしている方が来て作品を見せて頂いて、作風の個性や細かい部分の仕上げの方法で勉強に成りました。稽古という言葉には、見取り稽古・聞き取り稽古・行い稽古とあるがなんでもが稽古になります。人の作品を観る事で巧い所・巧くない所も学べます。「ここは、この様に処理すれば綺麗に仕上がるのかっ!」「ここは、自分ならこうするなっ!」等と無駄無く勉強に成る。やなり手に取り観察しないと本当には理解出来ない。だから、美術館・博物館の物品は鑑賞の見取り稽古です。国宝を手には出きないモンねっ!