長谷川よしきのブログ

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安上がりを目指す図書館では市民の損失

2013年10月20日 | ブログ

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3_2 講演される 常世田 良氏

 9月議会で、三田市が提出していた条例改定案を日本共産党を除く会派により、市立図書館を「指定管理者制度」で管理・運営を来年4月から実施することを認めた。

 条例そのものは、「指定管理者を置くことができる」というものだが、それに伴い、市は併せて来年4月からの実施を説明していた。ただし、その内容は明らかではなかった。(ただ、現行のサービスを維持、開館時間の延長と現行以上のサービスをこれまでの経費で実施させるとしている)

 これまでも私たちは繰り返し「公立図書館で、指定管理を行うことは、人件費の中から、企業は利益を上げることとなり、開館時間の延長やサービス拡大を人件費削減の中で実施しようとすれば、働く人の低賃金化により、長く働き続けることが困難となり、結果、図書館本来の市民からの相談に応えられない事態となり、図書館機能の低下を招くことになる」と指摘してきた。

 このことが、今日の常世田氏(立命館大学教授、元浦安市立図書館館長)の講演で裏付けられた。

 「図書館の命は人」・・・図書館は建物ではない。図書館に所蔵している図書・資料を把握し、自館にない資料は他の図書館(広くは全世界の図書館)から借りて提供。市民からのどんな求めにも応ぜられるようバランスのとれた収書を行い(しかし、おのずと自館だけでは限界があるが)、選書ができなければならない。

  それが、指定管理ではできない。(できている指定管理の図書館は無い)

 アメリカの諺は大変興味ある。「図書館員は、市民の時間とお金を節約するために働く」・・・図書館の役割を的確に表している。

 「指定管理者制度」により、コストを下げて、量を拡げても図書館の質を低下するだけとなることは、これまでの指定管理者制度を導入している実態が物語っている。

 *「図書館は水道の蛇口」・・・図書館は形ではなく、ネットワークが重要。小さな図書館や、地方の図書館でこそ、優秀な図書館員が必要であり、その優秀な図書館がいれば、全世界の情報・必要とする情報を得ることができる。

 その優秀な図書館員は、低賃金で働く指定管理者制度の下では、期待できないどころか、図書館の在り方に馴染まない。だからこそ、全国の自治体では、分館など止まりであっても指定管理者制度を導入しているのは1割に満たない。

 市民の文化の低下へとつながる市立図書館の質の低下は、誰も望むところではないでしょう。

 公立図書館の「民間によるノウ・ハウ」の蓄積はないのが実態。

 三田市は、市の他の施設において指定管理の実績があると説明しているが、あまりにも雑で説得力がないもの。だれも、公立図書館の民間によるノウ・ハウを証明できていない。


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