野田市長の岸本 崇氏のお話
2010年1月21日(木)午後6時30分から尼崎商工会議所で開かれた「野田市公契約条例についての勉強会」に参加してきました。会場に用意された机が足りず、部屋の後ろにいすを並べて熱心にお話を聞く人でいっぱいになりました。160人ほどの人(京都から、大阪から、西宮からなど)が参加され、自治体職員、議員、ビルメンテナンス業者、現場労働者、労働組合員など、多彩な顔ぶれでした。
世界的には早くから「公契約法」が各国で実現されているにもかかわらず、日本政府は批准すらしていない。そんな中で、全国で初めて昨年11月末に千葉県野田市で、市長提案により、「公契約条例」が策定されました。
野田市長の岸本 崇氏は、大学卒業後建設省へ入省後、地方自治体や建設省大臣官房や関東地方建設局などで働いたのち、野田市助役、1992年から野田市長(現在5期目)をされています。
私自身が、なぜこの勉強会に参加することになったのか。昨年12月の決算委員会で、三田市の公契約で働く人たちが、最低賃金法ぎりぎりの賃金で働かされている実態を取り上げ、行政にその改善を求めたが、その意思が全くなく、また公契約条例を策定した野田市のことをどのように受け止めるのかを質したところ、「それは、その自治体のことであり、三田市としては、(公契約条例の策定を)考えていない」と答弁され、野田市長の考えとあまりにも開きがあることに、失望しました。(かつて、議会として全会一致で国へ「公契約法」の策定を求める意見書を議決していたのですが)時間がかかっても三田市でも「公契約条例」を策定していきたいとの思いからです。大局的な見地から物事を見ていくこと、三田市の憲法という「まちづくり基本条例」策定に向けての論議が進められていますが、その観点からも、重要なポイントだと考えるからです。
岸本氏の明快で、情熱的な思いが充分に伝わってきた話であり、参加者の多くが展望を持てた内容でした。
以下に、「野田市公契約条例http://www.city.noda.chiba.jp/reiki_int/reiki_honbun/ag00909291.html」の「前文」を載せます。
「前文」:
「地方公共団体の入札は、一般競争入札の拡大や総合評価方式の採用などの改革が進められてきたが、一方で低入札価格の問題によって下請けの事業者や業務に従事する労働者にしわ寄せがされ、労働者の賃金の低下を招く状況になってきている。
このような状況を改善し、公平かつ適正な入札を通じて豊かな地域社会の実現と労働者の適正な労働条件が確保されることは、ひとつの自治体で解決できるものではなく、国が公契約に関する法律の整備の重要性を認識し、速やかに必要な措置を講ずることが不可欠である。
本市は、このような状況をただ見過ごすことなく先導的にこの問題に取り組んでいくことで、地方公共団体の締結する契約が豊かで安心して暮らすことのできる地位社会の実現に寄与することができるよう貢献したいと思う。
この決意のもとに、公契約に係る業務の質の確保及び公契約の社会的な価値の向上を図るため、この条例を制定する。