3月25日に定例市議会が閉会した。新年度予算を中心に審議が進められた。また、三田市政始まって以来の出来事として、議員定数2名の削減が可決された。
一般会計:358億円、特別会計(国保・介護保険・後期高齢者医療・下水道など182億円)と企業会計(市民病院・水道で142億円)を合わせ、総額683億円となる。歳入で、個人が納める市民税は5000万円減る(3年連続)一方、企業が納める法人市民税は4億2千万円の増加(2年連続減の後、3年ぶりで増加)となる見込み。
市内、大手企業で2回も大幅上方修正するほど売上・利益が上がっている一方、そこで働く人の賃金は低く抑えられたまま(雇用形態も正社員でなく、安上がりのパートや派遣、契約社員など)。しかし、小規模の企業や一人親方のような零細企業では依然として厳しい。
8年ぶりに「財政調整基金」を取り崩さずに、予算編成をしたと胸を張るが、障害者(福祉金の削減)や職員給与の削減など「行革の効果」と自慢。(プラス、国からの地方交付金と法人市民税の増を原因として)
① 第2テクノパーク企業誘致のため、これまで(北摂三田テクノパークなど)の3年間納税を免除してきた「固定資産税」「都市計画税」を5年間免除を決めた。5年間免除に拡大した理由として市は、「新たな雇用の創出」と「地域経済の活性化」を図るとしている。
理由としては、もっともなことに見える。しかし、「新たな雇用の創出」するための企業への条件付けなど、それを裏付ける「担保」はない。(他市の多くは3年間の税の免除とともに、地元住民を何人以上の常用雇用をすれば奨励金を出すなどとして、雇用の確保を自治体として企業に求めている)
今回の市の決定は、「雇用」については全くその保証がない!そこで、共産党市議団として、企業誘致は理解できるし、進めるべきの立場で、市がその目的として大きくうたう「雇用の創出」をするならば、進出企業が「新たな雇用をする場合は、三田市民を3分の1は雇用するように」との条件を付ける提案を行った。
しかし、市や与党の議員は「先ず企業誘致が先。その後で個別企業と相談を進めて雇用できるように努力する」として、私たちの提案は否決された。
他に、「県の条例(地元住民を11名以上雇うこと」を適用するので、雇用ができると市は説明するも、ここでいう「地元住民」とは、兵庫県内のこと。三田市民を雇うことではない。したがって、お隣の神戸市北区や篠山市を含め周辺自治体の住民を雇用し、三田市民を雇用しなくても「地元住民の雇用」ということになる。
第1テクノパークでは、これまで約2000名の新たな雇用が促進されたとするが、その大半は低賃金のパートや派遣など。これでどうして「雇用」といえるのか。生活できる賃金や安心して継続労働ができる「正社員雇用」が必須のはず。
② これまで、TPP交渉参加問題について触れてきたが、兵庫県議会では全ての議員による全会一致で「交渉参加は慎重にすべき」との意見書が可決され、農業委員会やJAなども、「食と農」を破壊するTPP交渉参加に断固反対を表明している。また、単に農家の問題にとどまらず、全ての消費者である国民的問題である。この見地から、主に、農業問題に絞って「TPP交渉参加反対の意見書を挙げる」べき提案し、その理由を私が行った。
提案理由説明全文:「teian_anti_tpp_mar2511.pdf」をダウンロード
共産党だけの賛成少数で否決された。
③ 議員定数2名削減で来年9月の選挙から定数を22名とすることを可決
「市の財政が厳しい、一方で2元代表制(行政の責任を持つ市長、その市長の行政内容をチェックし、市民の声を実現する議会)の中、議会の役割が重要として、また他市との比較で2名削減がふさわしい」として、削減提案が与党議員から出され、賛成多数(反対は共産党の3名のみ)で可決。
一方、私たちは、市の財政が厳しい状況で、また地方分権や人口が3万3千人のときに決められた24名の定数のまま人口が11万4千人にまで増加し、また他市と比較するなら、他市よりも広い市域の状況から、24名の維持が必要。2名削減に等しい、議員の給料を8%削減することを提案した。しかし、共産党のみの賛成少数で、否決。
議会の中身がなかなか市民に伝わっていない現状。本会議は放映され、見ることができるが、実質的に審議される「常任委員会」は、傍聴しなければ分からない。しかし、傍聴者はごくごく少数。また、放映もされていない。
本会議議事録はインターネットでも読むことができるが、常任委員会の記録は市役所へ来ないと分からない。等々。
まだまだ、不透明な議会をもっともっと公開し、市民が関心を持てるようにしなければ本当の意味で議会が市民のものにならない。