議員定数削減が議会改革でしょうか？

　２００９年１１月２６日（木）午後２時からキッピィーモール６階で開かれた「コミュニティバス等検討委員会」の傍聴をしました。この日は私のほかに３名の市議による傍聴もありました。

　この検討委員会は本当に市民の交通の便を図ろうとしているのか、少々疑問を持たざるを得ないというのが傍聴しての率直な感想です。今回で２回目の検討委員会ですが、次回は１月２８日に予定されており、１２月にとる市民アンケートの結果検討をする事になっています。

　ところが、この市民アンケートは５５歳以上の市民３万人を対照として抽出した３千人にアンケート用紙を送り、「高齢者をはじめとする移動制約者の日常における交通手段の実態について把握」することが目的とされています。

　確かに、高齢者の交通手段は深刻ですが、それは三田市が計画地域としている国道１７６号線の東北部（高平・小野・乙原地域）でのコミュニティバス運行により解決できるものではありません。市街地でも特に西山や天神地域では位置的に高台となっており、バスが通っていないため、高齢者にとっては危険で急な坂道を通わねばなりません。ところがこの地域はコミュニティバス運行の予定がされていません。

　今回のアンケート内容を決めるにあたっても１回だけの会議で決めてしまうのではなく、市民の望むコミュニティバスやディマンドタクシー（ディマンドバス）など、もっと丁寧で慎重な市民要望の把握が必要ではないでしょうか？高齢者を中心とする交通手段の確保が目的ならば、高齢者自身の参画でアンケート内容の検討が当然必要だと思いますが、いかがでしょうか？

　夜になり、午後６時３０分からは「三田を愛する市民の会」主催の「議員定数削減を考える」集会に私を含め５名の市議がひな壇に座り、約３０名の市民が参加しました。

　この会の目的は、議員定数を削減することが市の財政を救うという観点でとらえられており、また、市議の活動が市民に見えないとも意見が出されました。また、会の会長のお友達が震災で障害者となり傷害福祉年金を受けていたが、所得制限が厳しくなり、傷害福祉年金が受けられなくなり、現在は生活保護を受けておられるとのこと。弱者にしわ寄せをしてはいけないが、しわ寄せされた人たちの痛みを市議自ら痛みを分かち合わなければならない（議員定数をしなければならない）と主張されました。

　市議の活動がよく見えないという点は確かに私たち市議の市民への報告なりが不足しているでしょうが、それは個々のの議員の努力であって、そのことと議員定数削減とは全くつながらないのではないでしょうか？私自身議員となり、議会報編集委員の役をいただいた最初の会議で、三田市の現在の議会報ではどの市議がどの内容で議会での質問をしたのか分からないようになっているので、市民からは市議の活動が分からない。質問内容と市議の名前が分かるように表記を改善することを主張しましたが、最初の会議で私の主張は拒否されました。それぞれの議員が自分のニュースなどで市民に伝えればよいということが反対された理由でした。また、「自分の名前を売るためのパフォーマンスで質問をする人もいる」とも言われましたが、私自身は議会での質問は全力でぶつかっており、とてもパフォーマンスで出来るものではないと自覚しています。議員定数を削減することで、市議の活動がよく見えることになるのでしょうか？むしろ逆ではないでしょうか？さらに、活動を報告したり、考えをお伝えするために、日常的に私はニュースの発行や毎週の駅での訴え、市内を宣伝カーやバイク、自転車に乗ってたくさんの方々にお会いしています。また、ブログで率直な意見も表明したり、活動内容も報告しています。お会いしながら実情を受け止め、またご要望やお困りのことを解決するために活動しています。勿論十分ではありませんが。しかし、どこまで頑張ったら「見える」と判断していただけるのでしょうか？調査や会議などもあり、毎日外出しているわけではありませんが。

　「市の厳しい財政の折、職員給与削減や職員を減らしているのだから、議員の定数を減らすのが当然」との見方をされています。また、会の皆さんは「コスト意識が必要で定数削減が必要だ」とも主張さています。行政を厳しくチェックし、市民の願いを実現するために議会があり、議員が市民の声を受け止めて活動するという大切な役割を果たしています。多様な意見があるからこそ多様な意見を受け止めることが出来るシステムが必要であり、少数精鋭の議会はありえないことです。どれだけの議員の数が少数精鋭となるでしょうか？その基準は無く結局は限りなく少数で十分であることになってしまいます。そこでは民主主義がなくなってしまいます。市長と僅か数人の議員さえあれば十分ということでは市民の声が届かない議会となってしまいます。勿論今の議員定数事態明確な根拠があるわけではないでしょう。しかし、ひとつの基準として人口から割り出した定数で多様な意見を反映できるようにしている今の法定議員定数は尊重する必要があります。

　出席者から、「議員の給料が年間１千万ある」とも言われていましたが、大きな誤解です。何を根拠に給料が１千万円と言われるのでしょうか？月々の税込み給料は４９万円。しかし、実質の可処分所得は２０万円台です。そのなかから活動に必要な費用を出しているのです。（勿論、視察や調査のための費用として「政務調査費」が月額一人当たり４万５千円出ていますが、やりくりして使っているのが現状です）

　さらに、議会改革プロジェクトチーム（ＰＴ）が議員定数を削減した他市を視察したことは、けしからん。「先ず私たち市民の意見を聞くべきであり、今後他市への視察はするべきでない」とも主張されました。削減の結果、どのような効果が上がり、またどのような弊害が出ているのか、先に議員定数削減を実施した他市の調査は当然であり、三田市民の意見を聞くより先に他市へ視察したことはけしからん、これからもその必要がないとの主張は余りにも暴言ではないでしょうか？もう少し冷静にお考えいただきたいと思いますがいかがでしょうか？

　「議員定数削減に賛成か反対かを述べてください」との質問については、はたしてそれが生産的なのでしょうか？賛成の市議には拍手されても反対の市議には拍手されません。何故反対なのか、何故賛成なのかの丁寧な説明とそれぞれの説明を受け入れることが大切ではないでしょうか？削減反対はけしからん！のでしょうか？

”耐えているんですよ！”

　午前中、議員団の会議で１２月定例議会の質問内容を打合せました。といっても代表質問をする事になった私自身の準備が出来ておらず、先輩議員のアドバイスを受けながら骨子を組み立てる段階までとなりました。

　昼食後、支部の方と一緒に市街地の訪問をしましたが、おすし屋さんの店舗に不動産屋さんの販売看板がかかっていたり、電気屋さんが店を閉めたりと次から次へと商店がなくなっていました。

　あるお店に入り主人からお話を聞いていましたら、「市役所からの注文があるからと連絡をいただいて行くと、僅か３０円・５０円の発注。とても採算が取れるわけではないけれど、その仕事でもしていかないと食べていかれない。店舗や駐車場料金を払い、従業員の給料・社会保険料を払うと自分の給料が出ない。それでも従業員には苦労させられないからと、ぐっとガマンして頑張っているつもり。これに耐えているんですよ！」

　学校の仕事も今年はインフルエンザの影響で、大打撃となってしまったとのこと。従業員を守りながら、自分は食べられない。

　そのお店を出て次の訪問の家に向かっていたら、追いかけてきて「誰にもこんな苦しいことを聞いてもらえない。今日は良い日になった。悶々としていたことをじっくり聞いていただいて嬉しかった！」

　ただただ苦しい実情をお聞きするだけで、励ましの言葉も掛けられない。先日も別のお店で聞いたことと、大して内容は変わらない。是非とも早く行政は市内の生の実態を把握し、必要な手立てを打つべきである。「たくさんのボーナスをもらえて、ええなあ～！」返す言葉がない。

　三田市からの優遇税制を受けておりながら、雇用の維持・拡大ではなく正社員の解雇まで行っている会社。（現在希望退職を募っている）一旦失業すれば再就職は大変困難！決して早まらないで、希望退職には応じないように頑張っていただきたい。不当な解雇強要にはどうか私たちにもご相談をいただき、ご一緒に解雇通告を跳ね返しましょう！！

議会改革 淡路市役所視察

　日中でも１０℃を下回るような季節になり、寒さに弱い私の苦手な季節になりました。最近まで気にならなかった、三田駅での早朝宣伝は寒さと共に体がこわばってきました。

　２００９年１１月１９日（木）、午前９時半から始まった都市環境常任委員会の傍聴をした後、議会改革プロジェクトチームのＢ班に所属する私は、他のメンバーとともに２台の車で淡路市を訪問しました。目的は議員定数削減を昨年実施した淡路市の議会に議員定数を削減した経緯・目的・影響などを聞き取り、三田市の議会改革に生かすためでした。

　議会事務局長・議長・元議員定数等調査特別委員長であった議員に貴重なお時間をいただきました。丁寧な説明や、生々しいお話（定数削減により、激しい選挙戦、買収で逮捕者を出したことなど）までお聞きすることになりました。

　淡路市は人口 51,08人、面積 184.05k㎡、法廷議員定数３０名であり、実際の議員定数は２８名であったものを定数削減により２０名にまで引き下げました。（三田市：　人口１１４千人、法廷定数３４名、実際の定数２４名）

　「定数を削減するため」の市民の意見・コンセンサスを得るための努力、議会としての取り組み等をお聞きしました。説明は特別委員長であった公明党の議員さんからお聞きし、議長からも補足説明をお聞きしました。

　人口が５万人を割るような状況、市の財政状況が大変悪く（公債費率：　23.5%、　将来債務：　319%、　市民の意識もこのままでは第２の夕張となる危機感）、議員の定数削減の声が大きくなってきていたようです。しかし、何を根拠としてふさわしい定数なのかという基準が無いため、同規模の他の自治体と比較して決めざるを得なかったとのことです。

　定数を削減して感じたこととして指摘されていたのは・・・

　当局から提案される議案などを常任委員会で議論・検討していく議員として大切なことが、議員削減によって、十分にできなくなってくる危険性がでてきている。（１つの常任委員会が余りにも多くの対象となる議案が増え、対応しきれなくなる。結果として当局の提案が十分な検証もされないまま、承認されてしまう。審議できる人数が必要など）　より多くの得票を得なければ当選できないことから、組織を持たない新人が議員となることが困難となる。このことから次の３点について、十分に認識をする必要がある様です。

　１．　民主主義をどのように守るのか

　２．　定数を削減することが本当に良いのか

　３．　削減しても、さらに削減を求める意見が出てくる

　お話をお聞きしていて、上記「１」と「２」は特に大切であり、行政との関係で与党であれ、野党であれ、行政をしっかりとチェックする本来の役割である議員のあり方をしっかり基本に抑えないところで「議員削減」に賛成・反対を論じることの危険性を強く感じました。

ワークフェア三田 緊急雇用対策合同就職面接相談会

  　ワークフェア三田の受付風景

　２００９年１１月１７日午後１時から午後４時まで「まちづくり協働センター」（キッピーモール６階）にて市長出席の下、緊急雇用対策合同就職面接相談会が開かれました。

　三田市とハローワーク三田・笹山とが共同しての開催でした。

　丁度、共産党の議員団会議をキッピーモールで午前中に開いていましたが、会議の前から市の職員がフロアーを行き来、ハローワークの所長さんも来られており、お話をしました。午後１時からの準備をなさっておられましたが、生憎の雨で、出足が心配されていました。

　ところが、私たちの会議が午後１時に終わり、面接会場入口に行ってみると、何と会場に入りきれない人が入口にたくさん立ち並んでいました。

　会場内に入りきれない人たち

　１８社の企業が３５件６９人の求人をしている今回の合同就職面接相談会に２３４名の方々が応募されてきました。（市職員の話）

　昨年来ず～と市を追求してきた雇用悪化の実態調査とその具体的対策がこの４月からの市役所内の新体制とハローワーク三田の新所長の公務員離れした働きで、大きく前進してきました。

　議会での追求だけでなく、ハローワーク所長さんともお話を続けてきた中で、今回の合同面接会が開催されたことは大変嬉しいことです。

　今年２月ハローワーク三田の前任所長さんのお話では、かつてもこのような会を開催したが、経費ばかりかかり、実利が余り無かったので、今年は取りやめの方向ではないだろうかともお聞きしていたのですが、フットワークの軽い営業マン（？）的働きをされる新所長の情熱には私も思わず引き込まれていきました。

　経済振興課の課長さん・室長さん・部長さんはじめ、新米議員の私の話を真剣に聞いてくださり、本当に良くやっていただいています。

　この合同面接相談会に市長も参加するとのことで、その熱意が伝わり参加していただいた企業もあるとか。やはり、トップの姿勢・意気込みは大切であり、大きな効果も発揮するものです。

　今回の募集社員の大半が「正社員」でありながら、残念なことに大手の企業は「非正規社員」の募集となっており、まだまだ企業としての「社会的役割」の自覚が無いことは大変残念です。

　このような求人活動をしている一方で、テクノパークの一部企業では「正社員の希望退職」を募っているようです。政府の緊急経済対策で一時残業も始めたものの、受注の「先食い」で今後の仕事減（？）を見越しての正社員解雇へとなってきている様子。根本的な経済対策がどうしても必要です。

　それにしても、民主党による新年度概算要求にたいする「仕分け作業」が行われていますが、余りにも荒っぽいやり方や、現場の実態調査もしないで短時間に結論を出すやり方は大変問題があるのではないでしょうか。フローラ８８にある高齢者雇用相談窓口も、この「仕分け作業」によりバッサリ削られてしまうことになったそうです。もっと丁寧な政治が必要ですね。

三田農業まつり

   優勝した三田牛

　第３５回三田農業まつりがパスカル三田の広場で開催されました。初日の天気予報では午前中雨となっていましたが、幸い早朝で雨は上がりたくさんの人でにぎわいました。（２００９年１１月１４日～１５日）

　三田牛の優勝を表彰される

　全国ブランドの三田牛をどうぞ！

　市を挙げてのブランド三田牛は松阪牛に匹敵するすばらしい牛肉として全国に発信しています。

　ところで、三田市域の半分以上は農業として地産地消が進められています。しかし、その農業の実態は高齢化が進み、生産組合、株式会社方式、大規模化など、さまざまな取り組みがなされているものの、若者の後継者は育っていない。毎年の減反政策の推進や米価の大幅な下落が続き、生産意欲は大きく減退しているのが実態です。勿論誇りを持って農業を営んでおられる方々もたくさんおられます。

　新政権による新たな「日米ＦＴＡ（日米自由貿易協定）」の推進に、これまでお会いした多くの農業者からは大きな不安の声をお聞きしました。

　これからの食料安定供給と自給率の回復、環境・国土保全のためには、農業者だけの問題でなく、全ての市民・国民が自分の食料・大地をどのように守り、続く人たちに安全と安心を引き継いでいくか、真剣に考えなくてはならない。

　三田書道展の作品

　農業まつりでたくさんの美味しいものをいただいた後は、道を挟んでの総合福祉保健センターで開かれている「三田書道展」（主催：三田書道会、１１月１４日～２１日開催）を伺い鑑賞さえていただきました。書道といってもさまざまな作品があり、上の作品は特に私の目を引きました。

　ほほえましい作品

　書道のイメージを打ち破るような作品もあり、また惚れ惚れするような素晴らしい筆の運びが展示されていました。是非ともご覧いただきたいと思います。