10月19日(日)午後2時からキッピィモール6階にて、三田革新懇主催による神戸大学名誉教授・二宮厚美先生の講演があり、参加しました。
呼び込みが全くできていなかった中で、50数名の参加者があり、先生の大変分かり易い話は多くの方に「ストーン」と腹に落ちたのではなかったでしょうか。
マスコミでさんざんもてはやされた「アベノミクス」と安倍首相が胸を張って進めているこの政策(といえる中身なのだろうか?)によって、日本経済、地域経済、国民の生活(富める人々を除く)は一層厳しいものにさせられています。
アベノミクスが登場した背景として、消費税増税を前提条件としての「デフレ不況の打破」を目指すものでした。しかし、それは名実ともなったデフレ脱却でなく、「見せかけ」の上で景気が良くなったとさせる必要があることからのものであること。
しかし、安倍政権が行ったことは、実質賃金が14か月連続で下がり続け(安倍首相は賃金が上がったといっているが、物価上昇を差し引くと、その中身はマイナス)、年金は3年連続引き下げなどの状況下で8%への消費税増税で日本経済全体を大きく冷え込ませてしまいました。
経済の見方で根本的な過ちがあったのは、経済が落ち込んでいるために物価も沈んでいるのであって、その経済を活性化させていくための方策を取るべきであるのに、安倍首相は、落ち込んだ経済状況で強引に物価を引き上げようと増税をしたことで、さらなる経済不況へと落ち込んでしまった。これは当然のことであって、不景気の状況で物価高 Stagflation (学生時代に学んだことを思い出しながら聞いていました)という、最悪の状況となり、それが進行している日本経済が現状です。
「第2の矢」としての財政出動で公共工事にジャブジャブ税金を投入し、一部の業種では確かにその効果は出てきたものの、すでにその役割は終わっています。それ以上の効果は期待できないどころか、公共工事部門で様々な問題が起きてきています。(原材料・人件費の急激な高騰等々)
安倍内閣は一層の「グローバル経済」を推し進めるとしていますが、すでに大企業を中心として、かつての「加工貿易」は終わり、大企業を中心に海外で生産をすすめており、家電製品をはじめ、中国などから日本はどんどん輸入が進んでいることに表れているように、「貿易黒字」とすることは、もはや困難。事実、円安が進んでも貿易は黒字とはなっていない。
こうした中、極右人物の安倍晋三氏が率いる内閣にはそうした人物を大量に入閣させ、「復古的国家主義」を推し進める政治が近隣諸国との摩擦を大きくしており、財界が中国をはじめとするアジア地域で企業活動を進めようとする足かせになっていることも財界にとっては悩みの種となっています。
「地方創生」や「女性が輝く社会」を標榜した安倍内閣ですが、その内容は全くの「真逆」を推し進めています。
消費税増税や外形標準課税導入で、どうして中小企業が元気になれるのでしょうか?地方や中小企業の状況を全く分かっていないのか、『切り捨て』政策を推し進めているのかのどちらかでしょう。
「労働者派遣法」を一層改悪し、労働者にとっては一生涯派遣労働、企業にとっては、こんなにうまい話はない。残業代をゼロにして、ただ働き、「限定正社員」導入で低賃金正社員。等々、安倍首相の主張する「日本を世界の中で企業にとって最も『活躍しやすい国』にする」と言ってはばからない。
「こんなにあけすけに自分の考えを述べる首相は世界広しといえどもどこにもいないでしょう」と先生の言葉。少なくとも言葉の上では「国民生活を守る」というでしょう!
その他、まだまだいくつかのお話をいただきましたが、本当に分かり易い話でした。ただ、その中身は、今後の私たちの生活にとって、恐ろしいことが待ち構えているばかり。
これを打開し、市民生活や中小企業を守るためにも、安倍内閣の存続をストップ!させることが必要です。
午後のこの講演のまえ、午前中は秋晴の下に開催された高平地域の運動会に来賓出席し、私も「玉入れ」に参加しました。