みけん・み~すけのやさしい技術士ブログ

あなたと、技術プロフェッショナルな人々をリンク! みけん、み~すけのコラボレーション・ブログは技術士への扉です!

いぬのえいが

2005-03-06 08:08:13 | バイオ
 3月19日(土)から全国ロードショーのいぬのえいがの予告編をテレビで
見て、もうそれだけでウルウルきてしまいました。

 写真の犬は、大学の研究室に入った頃から飼い始めた“マヤ”君です。
 秋のある日、もう十●年昔のこと・・・・。
 私は彼を連れて近くの谷に出かけました。
 大学の卒業研究で、自然界から脂質(油)を有用物質に変換する菌を探
すため。
 自然界には目に見えない数多(あまた)の微生物が棲息していて、その
中には未知のユニークな性質、優れた物質生産力を持つものが、ひそんで
いるに違いないと言われています。
 微生物を探し、選別することを「微生物のスクリーニング」と呼びます。
 探すといっても、別に虫眼鏡を持ってあちこち覗いて見つけるわけでは
ないのですが。
 まずは目的とする微生物の棲息していそうなサンプル(排水、腐葉土、
そのへんの溜まり水でもOK)を採取し、そこから微生物を分離します。
 分離にあたっては、一般に、試験管に培地(水に種々の栄養分を加えた
もの)を入れて滅菌し、そこにサンプルを耳掻き1杯程度加えます。
たいていは28度とか36度とかの培養条件で、3~5日程度振とう培養
します(注:揺すって酸素を供給するため)。
 すると、複数の微生物が生育してきます。
 培地組成を工夫すると、目的にかなった微生物群だけを選択的に生育さ
せることもできます。生育してきた微生物を1種類ずつ純粋分離して、ス
トックしておき、後の実験に使います。
 一種の「宝探し」めいて、わくわくするけど、これがはずれも多い、い
たって地道な作業です。
 さて、当時生後5カ月のマヤは、山道を嗅ぎ回りながら随分歩き、疲れ
てしまったのか、坂の途中でしゃがみ込み、前足をあごに乗せて全く動か
なくなってしまいました。
 そして目の前の腐葉土を鼻先でつつき、意味ありげに「ワン!」と吠え
ました。
 私は「花咲かじいさん」ならぬ「花咲か嬢ちゃん(注:当時。今は知ら
ん!)」
をきどって、その土を採取して帰りました。
 はたしてその土からは、なかなかの、いい微生物が取れてきたってわけ。
  全ては、ここ掘れワンワンしてくれたマヤのお陰!
 その後、微生物のスクリーニングには、必ずマヤを連れていき、
「マヤ、吠えろ!!」と強要するのでありました。

 もちろん、これは単なる偶然?!だよね?!
 けどね、もしかして。
 動物の能力には計り知れないものがあるから、あるいはマヤは、彼の優
れた嗅覚で、あるいは特殊な能力で、有用な微生物のひそんだ場所を探り
あてることができるのかもしれないんです。
  
 ・・・・そんな話を思い出して、ウルウルきてしまったのでした。バイオな気分も読んでね!