日 時: 平成24年7月5日(木)13:30-18:00 (懇親会を含む)
場 所: 日本製薬工業協会 5階会議室
(東京都中央区日本橋本町3-4-1 トリイ日本橋ビル) http://www.jpma.or.jp/access/
参 加 費: 無料
主 催: デンマーク大使館 (Invest in Denmark/投資局)
共 催: コペンハーゲン・キャパシティ(Copenhagen Capacity)
後 援: 日本製薬工業協会(予定)/一般財団法人バイオインダストリー協会
お申込先:デンマーク大使館
TEL: 03-3496-3001(代表) FAX: 03-3476-4234 E-mail: rumiid@um.dk
13:00 開場・受付
13:30 開会挨拶 駐日デンマーク大使 A. カーステン・ダムスゴー
『デンマークのライフサイエンスを取り巻く状況』
デンマーク外務省投資局アジア担当ディレクター ヘンリック・イェンセン
『ヨーロッパ3大バイオ・クラスターの一つ、ベディコン・バレーの現状』
コペンハーゲン・キャパシティー 事業開発マネージャー ルース・クリューバー
14:10 『2型糖尿病におけるゲノム解析の現状と課題』
岐阜大学大学院医学系研究科/医学部内分泌代謝病態学
堀川幸男 臨床教授(医学部附属病院 医療連携センター 副センター長 併任)
(概要)
全ゲノム関連解析(GWAS)により現在まで約20-30種類の遺伝子多型でコモン2型糖尿病発症との関連が認められ、人種、民族を超えた高頻度、低浸透率の糖尿病感受性アリルが存在することが証明された。しかし従来の糖尿病発症の臨床危険因子(年齢、肥満、家族歴など)に比べて、遺伝子多型の発症予測における有用性は現時点では低く、依然40-60%といわれる遺伝率のほんの数パーセントしか説明できない。現在、次世代シークエンサーの登場により、発症における遺伝素因が強いと考えられる若年発症家族性糖尿病(MODY)の原因遺伝子アリルなど、GWASでは獲得できなかったと考えられる低頻度、高浸透率型のエクソン変異アリル同定が積極的に進められており、この場合は、変異タンパクの生理機能解析などからコモン2型糖尿病のインスリン分泌不全病態の解明に繋がることが考えられる。その過程で、糖尿病標的臓器での網羅的遺伝子プロファイリング(トランスクリプトーム)や相互作用タンパクを網羅するタンパクネットワーク解析などプロテオーム的アプローチが重要であることは言うまでもない。
14:55 『代謝疾患に関わる遺伝子の影響力』
コペンハーゲン大学 ノボノルディスク財団基礎代謝研究センター、ヒト代謝遺伝学
Prof. Torben Hansen (トーベン・ハンセン教授)
(概要)
For the past 2 decades, genetics has been widely explored as a tool for unravelling the pathogenesis of cardio-metabolic disorders. Many risk alleles for type 2 diabetes and hyperglycaemia have been detected in recent years through massive genome-wide association studies and evidence exists that most of these variants influence pancreatic beta-cell function. However, risk alleles in five loci seem to have a primary impact on insulin sensitivity. Investigations of more detailed physiological phenotypes, such as the insulin response to intravenous glucose or the incretin hormones, are now emerging and give indications of more specific pathological mechanism for diabetes-related risk variants. Such studies have shed light on the function of some loci but also underlined the complex nature of disease mechanism. In the future, sequencing-based discovery of low-frequency variants with higher impact on intermediate diabetes-related traits is a likely scenario and identification of new pathways involved in type 2 diabetes predisposition will likely offer opportunities for the development of novel therapeutic and preventative approaches.
Furthermore, in order to understand the impact of gut microbes on human health and well-being we recently described the Illumina-based metagenomic sequencing assembly and characterisation of 3.3 million non-redundant microbial genes from faecal samples of 124 European individuals. The extensive gene catalogue has enabled us to perform studies of association of the microbial genes with human metabolic phenotypes.
15:40-16:00 休憩
16:00 『遺伝子ネットワーク解析が切り開く個別化医療への道 -未来は既に始まった!!』
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターDNA情報解析分野 分野長
宮野 悟 教授
(概要)
2013年、「私」のDNAシークエンスを10万円で1時間で得られる時代が始まる。だれもが自分のゲノム情報を手に入れることができる。そして、スーパーコンピュータでゲノムや遺伝子発現データを解析し、「私」のがんのシステム異常を捉えようとする研究が進んでいる。「京コンピュータ」などのスパコンで初めて暴き出せるがん研究の一端を紹介する。特に、数理モデリングとスパコン用いた解析により、抗がん剤に応答して動的に変化する大規模遺伝子ネットワークを暴き出すことや、数百のがんサンプルの遺伝子発現データから個人のがんの個性・多様性を分子ネットワークとして抽出することが一部できるようになった。これを地図として用いることで、個別化された分子標的の探索などへの応用可能性を考えている。
16:45 質疑応答
17:15 意見交換会・懇親会
18:00 閉会
*) セミナーには通訳はつきません。ハンセン先生の講演は英語で行われます。
*) 都合によりプログラムが一部変更される場合がございますのでご了承ください。