「オオサンショウウオの遺伝子音楽」いよいよCD化の作業も大詰め。
おりしも、音楽の素になった遺伝子解析を実施した、
広島国泰寺高校 理数ゼミ生物班3年生の皆さんも明日、卒業の日を迎えます。
サンプルCDを、自宅でちょうどいいボリュームにして聞いてきみました。
内容をちょっと御紹介しますね。
オオサンショウウオの遺伝子メロディー
1.HoxA13 遺伝子
作曲:三浦郁夫 (広島大学大学院理学研究科両生類研究施設) と広島国泰寺高校生物班
編曲・演奏:Trevayne Fernandez ( Australian Music Examination Board )
2.ヒトのHoxA13 遺伝子
作曲:三浦郁夫 (広島大学大学院理学研究科両生類研究施設) と広島国泰寺高校生物班
編曲・演奏:Trevayne Fernandez ( Australian Music Examination Board )
3.ミトコンドリアのNon-Coding領域
作曲・演奏:石原えりか (広島国泰寺高校理数コース1年)
4.ミトコンドリアのATPase8 遺伝子
作曲:坪北紗綾香 (エリザベト音楽大学大学院音楽研究科音楽教育学専攻)
演奏:松本 愛 (エリザベト音楽大学大学院音楽研究科宗教音楽学
(オルガン) 専攻修了)
5.反復配列 ( Xba repeat )
-どこから来たの なつかしい愛の調べ( DNA )-
作曲:杉 真理
編曲:小泉信彦
1.と2.は、同じ「指を作る遺伝子」で、1.がオオサンショウウオ、2.がヒトです。
オオサンショウウオは、井伏鱒二のせいか、
のたりのそり、というイメージがありますが、
この楽譜は、神話の世界のサラマンダーのように、
軽やかで不思議な動きをする、神の遣い、という
イメージです。
2.の「ヒト」メロディーがマイナーコードであることに、この世の中の憂いを感じます。
指をつくる遺伝子というところも含蓄があります。
人の世の幸せも憂いも、全て自由に動く器用な指があってからこそ、
ですものね。
最初に聴いたときの感想を転記します。
●娘(4歳)の感想です。口述筆記します。
みうらせんせい、このおんがくはとてもかんどうしました。
おおさんしょううおは、とてもたのしかったです。
にんげんのおんがくも、だいすきだったです。
かなしいおんがくでした。
なみだがでました。
それで、みうらせんせいにあいたいです。
●私の感想です:
音符からは、失礼ながら、このような繊細な音楽が奏でられるとは、
予想していませんでした(合唱団だったので、譜面はちゃんと読めますが)
オオサンショウウオはかわいらしく、50cmなどの堂々とした体躯の個体ではなく、
幼生を思い浮かべました。
ヒトの音楽のほうは、哀しみと憂いに満ちたメロディで、
でも、心が洗われるようでした。
種としてのヒトの哀しみといいますか、楽しみもあるけれど、
苦労もあるといいますか・・・。
「指を作る遺伝子」に着目されたとのことですが、
ヒトという種の喜びも悲しみも、全て、
自由に動く「指」があってこそであり、
深遠な哲学というか、自然の摂理というか、
何と申しますか、「神の手」のなせる業のようなものを感じ、
涙が出てきました。
名曲です!!
ピアノの伴奏もとても綺麗です。
3つめの曲は、生物班の生徒である石原えりかさんが作曲されたピアノ曲です。
最初楽譜を見せていただいたときは、
不思議と水の中に居るような感じではなく、
雨上がりの草むらの中で
シロツメクサの群生(というほど大げさなものではないですが)から
四葉のクローバーを
鼻歌を歌いながら探している、、、
(最初のモチーフは、クローバーを探して、
視線がうろうろしているのですよ・・・)
そんな印象を持ちました。
ここのところ雨が多かったせいかもしれません。
伴奏によって、印象も変わるとは思いますが、
そんなふうに感じました。
三拍子でかろやかです。
オオサンショウウオも陸に上がりたかったのでしょうか?
大学の工学部の学生実験棟のあたりに、
今はどうかわかりませんが、クローバーがたくさんあったのですよ。
工学部図書館からブドウ池(という池があったのです)あたりまで、
実験棟が続いているのですが、
そのあたりで酒盛りしたり、テニスの壁うちする学生がいたり、
講義室のあるあたりから、階下をながめて、
本部からごくたまにくる女子学生を見つけて
(工学部だけが遠く離れて、東広島市に移転したのです。
「バイオな気分」ご参照ください。)
喜んだり、、、していたものです。
4つめは、宗教音楽を専攻しておられる音楽家の方が
作曲されたもの。地元広島の名門エリザベト音楽大学の方が、
作曲と演奏をされた壮大なイメージの曲です。
娘は、パイプオルガンの曲が
荘厳で、原始的な怖さを感じたようで、
つっぷしていました。
進化に抗うものたちの叫びというか、
ミトコンドリアATPaseの遺伝子ですから、
生きる苦しみや地球に生きる生きものゆえの哀しみといったものを
訴えているような気がしてなりませんでした。
そのあとに杉さんの、美しい心を涙で洗うような曲があって、
この世に救いがもたらされたように感じました。
はじめて聴いたとき、娘は、しきりに
「なつかしい」と口にしていました。
4歳の幼い子に、そのような感情を湧き出させる曲の力とは、
どこから来るのでしょうか。
息子は三浦先生の最初の2曲が好きみたい。
えりかさんの曲は、「うる星やつら」劇場版第2作のビューティフル・ドリーマー
のDNAのシーンを思い出しました。
下記の、右の写真の上から3つ目のシーンですね。
不思議な感覚を呼び起こします。
http://www.kyo-kan.net/oshii-ig/urusei-bd/
さて、スーパーサイエンスハイスクールで、
オオサンショウウオの遺伝子解析を行った、
広島国泰寺高校 理数ゼミ生物班3年生の皆さんも、
明日、3月1日が卒業式ー!!
本当に熱心で、気持ちのよい若人たちです。
春から大学生ですね。
おめでとうございます!!!
(画像は、三浦先生からお借りした、オオサンショウウオ、DNA、そして遺伝子音楽のイラストです。)
おりしも、音楽の素になった遺伝子解析を実施した、
広島国泰寺高校 理数ゼミ生物班3年生の皆さんも明日、卒業の日を迎えます。
サンプルCDを、自宅でちょうどいいボリュームにして聞いてきみました。
内容をちょっと御紹介しますね。
オオサンショウウオの遺伝子メロディー
1.HoxA13 遺伝子
作曲:三浦郁夫 (広島大学大学院理学研究科両生類研究施設) と広島国泰寺高校生物班
編曲・演奏:Trevayne Fernandez ( Australian Music Examination Board )
2.ヒトのHoxA13 遺伝子
作曲:三浦郁夫 (広島大学大学院理学研究科両生類研究施設) と広島国泰寺高校生物班
編曲・演奏:Trevayne Fernandez ( Australian Music Examination Board )
3.ミトコンドリアのNon-Coding領域
作曲・演奏:石原えりか (広島国泰寺高校理数コース1年)
4.ミトコンドリアのATPase8 遺伝子
作曲:坪北紗綾香 (エリザベト音楽大学大学院音楽研究科音楽教育学専攻)
演奏:松本 愛 (エリザベト音楽大学大学院音楽研究科宗教音楽学
(オルガン) 専攻修了)
5.反復配列 ( Xba repeat )
-どこから来たの なつかしい愛の調べ( DNA )-
作曲:杉 真理
編曲:小泉信彦
1.と2.は、同じ「指を作る遺伝子」で、1.がオオサンショウウオ、2.がヒトです。
オオサンショウウオは、井伏鱒二のせいか、
のたりのそり、というイメージがありますが、
この楽譜は、神話の世界のサラマンダーのように、
軽やかで不思議な動きをする、神の遣い、という
イメージです。
2.の「ヒト」メロディーがマイナーコードであることに、この世の中の憂いを感じます。
指をつくる遺伝子というところも含蓄があります。
人の世の幸せも憂いも、全て自由に動く器用な指があってからこそ、
ですものね。
最初に聴いたときの感想を転記します。
●娘(4歳)の感想です。口述筆記します。
みうらせんせい、このおんがくはとてもかんどうしました。
おおさんしょううおは、とてもたのしかったです。
にんげんのおんがくも、だいすきだったです。
かなしいおんがくでした。
なみだがでました。
それで、みうらせんせいにあいたいです。
●私の感想です:
音符からは、失礼ながら、このような繊細な音楽が奏でられるとは、
予想していませんでした(合唱団だったので、譜面はちゃんと読めますが)
オオサンショウウオはかわいらしく、50cmなどの堂々とした体躯の個体ではなく、
幼生を思い浮かべました。
ヒトの音楽のほうは、哀しみと憂いに満ちたメロディで、
でも、心が洗われるようでした。
種としてのヒトの哀しみといいますか、楽しみもあるけれど、
苦労もあるといいますか・・・。
「指を作る遺伝子」に着目されたとのことですが、
ヒトという種の喜びも悲しみも、全て、
自由に動く「指」があってこそであり、
深遠な哲学というか、自然の摂理というか、
何と申しますか、「神の手」のなせる業のようなものを感じ、
涙が出てきました。
名曲です!!
ピアノの伴奏もとても綺麗です。
3つめの曲は、生物班の生徒である石原えりかさんが作曲されたピアノ曲です。
最初楽譜を見せていただいたときは、
不思議と水の中に居るような感じではなく、
雨上がりの草むらの中で
シロツメクサの群生(というほど大げさなものではないですが)から
四葉のクローバーを
鼻歌を歌いながら探している、、、
(最初のモチーフは、クローバーを探して、
視線がうろうろしているのですよ・・・)
そんな印象を持ちました。
ここのところ雨が多かったせいかもしれません。
伴奏によって、印象も変わるとは思いますが、
そんなふうに感じました。
三拍子でかろやかです。
オオサンショウウオも陸に上がりたかったのでしょうか?
大学の工学部の学生実験棟のあたりに、
今はどうかわかりませんが、クローバーがたくさんあったのですよ。
工学部図書館からブドウ池(という池があったのです)あたりまで、
実験棟が続いているのですが、
そのあたりで酒盛りしたり、テニスの壁うちする学生がいたり、
講義室のあるあたりから、階下をながめて、
本部からごくたまにくる女子学生を見つけて
(工学部だけが遠く離れて、東広島市に移転したのです。
「バイオな気分」ご参照ください。)
喜んだり、、、していたものです。
4つめは、宗教音楽を専攻しておられる音楽家の方が
作曲されたもの。地元広島の名門エリザベト音楽大学の方が、
作曲と演奏をされた壮大なイメージの曲です。
娘は、パイプオルガンの曲が
荘厳で、原始的な怖さを感じたようで、
つっぷしていました。
進化に抗うものたちの叫びというか、
ミトコンドリアATPaseの遺伝子ですから、
生きる苦しみや地球に生きる生きものゆえの哀しみといったものを
訴えているような気がしてなりませんでした。
そのあとに杉さんの、美しい心を涙で洗うような曲があって、
この世に救いがもたらされたように感じました。
はじめて聴いたとき、娘は、しきりに
「なつかしい」と口にしていました。
4歳の幼い子に、そのような感情を湧き出させる曲の力とは、
どこから来るのでしょうか。
息子は三浦先生の最初の2曲が好きみたい。
えりかさんの曲は、「うる星やつら」劇場版第2作のビューティフル・ドリーマー
のDNAのシーンを思い出しました。
下記の、右の写真の上から3つ目のシーンですね。
不思議な感覚を呼び起こします。
http://www.kyo-kan.net/oshii-ig/urusei-bd/
さて、スーパーサイエンスハイスクールで、
オオサンショウウオの遺伝子解析を行った、
広島国泰寺高校 理数ゼミ生物班3年生の皆さんも、
明日、3月1日が卒業式ー!!
本当に熱心で、気持ちのよい若人たちです。
春から大学生ですね。
おめでとうございます!!!
(画像は、三浦先生からお借りした、オオサンショウウオ、DNA、そして遺伝子音楽のイラストです。)