『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』を観た]

2009-12-12 12:50:23 | 物語の感想
☆う~ん。

 判定を公言するのが難しい作品だ。

 映画版としては初めての、原作者・尾田栄一郎によるストーリーで、製作総指揮も務めたとのこと。

 私は、観る前などは、「何で、原作者が作る話とオリジナルの話は面白さが異なるのだろう」などという言葉を用意していたのだが、

 う~ん、映画の尺では、正直、尾田栄一郎のやりたい事がテクニック的にしか成功していなかった。

 それは、情緒的な深さを得るには至っていないと言うことだ。

 ともあれ、ルフィ海賊団の面々が、それぞれの持ち味を見せてくれることが、この作品では重要なのであるが、9人の大所帯に膨れ上がったメンバーの、それぞれの見せ場・・・、例えば、チョッパーの医療技術や、フランキーの操船技術など、まあ、ナミの気象予報などは物語にうまく絡んでいたのでいいが、個々の持ち味をストーリーに組み込むことで安心しきっていたきらいがある。

 また、尾田栄一郎は、原作の各エピソードで、いつも、海賊団の巡る島(国)の文化や植生・生態系を、いかにも体系的にうまく描いていて、

 今回も、凶暴な動物たちから村を守る特殊な樹木<グリーンなんとか>の存在や、だが、同時に、その樹木によって蝕まれる人体の特効薬<アイキューなんとか>と言うローカル・ギミックを出して、浮遊島の文化的特殊性を創っていた。

 が、その二つの<なんとか>が、尾田栄一郎らしく、物語のクライマックスまで無駄なく伏線として活きているが故に、却って、「使い回し」感が起こり、物語を、安っぽさのギリギリまで追い詰めそうになっていた。

   ◇

 私にとってのナミは、「少女」であり、原作では、ナイスバディではあるが「少女」っぽさを失っていないのに対し、映画では「いい女」化しているのが非常に嫌だった。

 今回のヒロインはナミで、悪役の<金獅子のシキ>に追い詰められる。

 その「追い詰められ方」が、こちらの気持ちを揺さぶるところなのだが、

 原作の<アニエス・ロビー>篇でのニコ・ロビンのエピソードと似通った状況なので、二番煎じ感が否めない。

 『ワンピース』において、感動の場面は多いが、それぞれのシチュエーションが独立していたからこそ、私など毎度、男泣きさせられていたので、原作とは別個の映画だからと言って、一度やったと同じ流れをやってしまったら、興醒めだ。

 ナミ=少女、ロビン=いい女・・・、がメンバー内での二人の女性の、それぞれの個性でもあったと思うのだが、ナミに「いい女」を演じさせてどうすんの?

   ◇

 一度、ルフィたちは、シキにコテンパンにやられる。

 シキに殺されないのが、物語上不自然である。

 シキは、ルフィたちにとどめを刺したと思っていたが、どっこい、ルフィたちは生きていた、が定石だと思う。

 ルフィたちが生きていなくては、シキの家来にさせられるナミの、仲間たちへのメッセージが効果を為さない、という人がいると思うが、

 物語上の「不自然さ」を土台にして、その上に「リアル」を積み重ねても、全てが不自然になるのである。

 それから、物語の最後に明らかにされて、私は勢いで感動してしまったが、

 ナミのメッセージの最後の一言も、なんか解せない・・・。

   ◇

 <ワーナーマイカル・日の出>は空前の人手だった。

 私は、こんなに混雑した映画館を知らない。

 『ワンピース』『ヤマト』『ウルトラマン』『仮面ライダー』『カールじいさん』と子供向けが目白押しで、親子連れでごった返していた。

 私のお気に入りの従業員<平安顔の巨乳>さんも、テンパった顔で、お客さんを誘導していた。

 いつもは美人なのに、今日は険しい顔をしていた^^;

   ◇

 ・・・私が言いたいのは、尾田栄一郎の原作・製作総指揮だとしても、いつもと変わらない映画版レベルだなあ、っちゅうことだ。

 ファンならば、観て損はないと思う。

 膨大な原作のエッセンスがそこかしこに見られよう。

 また、ギャグも多いのだが、

 ギャグのシーンに限って、声優が奇声を上げるので、聞き取りづらいことこの上なく、客で笑う人がほとんどいなかった。

 ギャグのシーンのセリフだけは、散文的にクリアーな発声をして欲しい。

 ブルックは、とぼけた味のギャグを言い、静かに語るので、皆もちゃんと理解できて笑っていた。

 シキの声を演じた竹中直人はうまかった。

 あと、ルフィやナミを助ける<電撃の鳥・ビリー>が、ずーっと鼻水を垂らしているのも良かった^^;

                                      (2009/12/12) 

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2 コメント

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TBありがとうございました (シムウナ)
2010-12-30 03:18:20
TB有難うございました。
ワンピースの知識は、ほとんどありませんが
人気の秘密は少し分かった気がしました。
ファンならば、さらに楽しめるのでしょうね。

今度訪れた際には、ブログ記事の冒頭に、
【評価ポイント】☆をクリックしてこの
映画の評価をお願いします(5段階評価)とあって、
☆が5つ並んでいますが、その☆の1つ目~5つ目の
どこかをぽちっとお願いします!!
返信する
シムウナさんへ♪ (ミッドナイト・蘭)
2010-12-31 15:00:08
映画シリーズとしては、かなり良質の作品でしたね。

私も大好きですが、「ドラゴンボール」のような力のインフレではなく、現在、マンガの方では、やや感動のインフレを物語が起こしていて、あまり面白くないです。
返信する

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