☆何の予備知識もなく、何か絢爛豪華なイメージだったので、楽しみにして映画館に向かった。
粋なプレイボーイの映画監督の、これまでの女性遍歴と、現在の女性関係・映画監督としての行き詰まりの物語で、
はじまってすぐに、「ああ、これはフェリーニ監督の物語か・・・」と合点がいく。
タイトルの『NINE』は、つまり、フェリーニの『8 1/2』の次という意味なのだと・・・。
◇
すぐに、そのテーマに行きついたので、そもそもがストーリーには整合性が感じられないとされるジャンル・ミュージカルだが、この作品の見方が分かり、楽しめた。
私は、この「無意識なエゴイスト」であるグイド・コンティー二(ダニエル・デイ=ルイス)監督の伊達男(ダメ男)振りに憧れを感じた。
可愛い奥さんがいるのに、愛人とは懇ろになる。
思い出の中では、ソフィア・ローレン演じるお母さんに頼り、
少年時にして、浜辺の魔女(ファーギー)の危うさに心を奪われている。
浜辺の魔女のアピールに、どう対応していいか分からないグイド少年が笑うしかなく、でも、その「女」にどうしようもなく惹かれている描写がいい。
また、愛人(ペネロペ)の女性本位の押しかけの身勝手さと、グイドの女性への思いやりのない無頓着さのぶつかり合い、
奥さん(マリオン・コティヤール)の真摯な言葉が、グイドへ全く届いていない「次元の違い」、よく描けた脚本だ。
また、グイドと絡む女たちは同じ個性がなく、それぞれが、グイドに違う女の一面を見せてくれ、
次作として企画していた女優(二コール・キッドマン)などは、大人のたしなみで、寂しさから言い寄っていたグイドに一線をおく。
つまり、グイドは振られる。
しかし、それさえも、グイドの人生の彩りに過ぎない。
今でこそスランプのグイドだが、その初期の作は、イタリアの文化を牽引するパワーがあり、
ファッション誌「ヴォーグ」の記者(ケイト・ハドソン)にはホテルの鍵を手渡されたりする。
とにかく、黒いスーツにサングラスが、細身の体にソフトにフィットしていて、グイドは格好いい。
クライマックスでいっちょ前に苦悩するのも似合っている。
そして、心のつながりを持っているメイク・ファッション担当(ジュディ・リンチ)に安心感を与えられる設定も良い。
・・・女ってのは、若くても老いても、総じて素晴らしい^^
◇
各エピソードでのダンスにも力が入っていて、私は特に、浜辺の魔女の、白昼での妖艶な踊りと、ケイト・ハドソンのスピーディーな踊りに魅了された。
モノクロとカラー映像の切り替えも心地よい。
イタリアの風景もうまく切り取っていて、フェリーニ的な夜の石畳の幻想的な撮り方も良かった。
・・・ゴージャスな映画を楽しませて頂きました^^
(2010/03/19)
粋なプレイボーイの映画監督の、これまでの女性遍歴と、現在の女性関係・映画監督としての行き詰まりの物語で、
はじまってすぐに、「ああ、これはフェリーニ監督の物語か・・・」と合点がいく。
タイトルの『NINE』は、つまり、フェリーニの『8 1/2』の次という意味なのだと・・・。
◇
すぐに、そのテーマに行きついたので、そもそもがストーリーには整合性が感じられないとされるジャンル・ミュージカルだが、この作品の見方が分かり、楽しめた。
私は、この「無意識なエゴイスト」であるグイド・コンティー二(ダニエル・デイ=ルイス)監督の伊達男(ダメ男)振りに憧れを感じた。
可愛い奥さんがいるのに、愛人とは懇ろになる。
思い出の中では、ソフィア・ローレン演じるお母さんに頼り、
少年時にして、浜辺の魔女(ファーギー)の危うさに心を奪われている。
浜辺の魔女のアピールに、どう対応していいか分からないグイド少年が笑うしかなく、でも、その「女」にどうしようもなく惹かれている描写がいい。
また、愛人(ペネロペ)の女性本位の押しかけの身勝手さと、グイドの女性への思いやりのない無頓着さのぶつかり合い、
奥さん(マリオン・コティヤール)の真摯な言葉が、グイドへ全く届いていない「次元の違い」、よく描けた脚本だ。
また、グイドと絡む女たちは同じ個性がなく、それぞれが、グイドに違う女の一面を見せてくれ、
次作として企画していた女優(二コール・キッドマン)などは、大人のたしなみで、寂しさから言い寄っていたグイドに一線をおく。
つまり、グイドは振られる。
しかし、それさえも、グイドの人生の彩りに過ぎない。
今でこそスランプのグイドだが、その初期の作は、イタリアの文化を牽引するパワーがあり、
ファッション誌「ヴォーグ」の記者(ケイト・ハドソン)にはホテルの鍵を手渡されたりする。
とにかく、黒いスーツにサングラスが、細身の体にソフトにフィットしていて、グイドは格好いい。
クライマックスでいっちょ前に苦悩するのも似合っている。
そして、心のつながりを持っているメイク・ファッション担当(ジュディ・リンチ)に安心感を与えられる設定も良い。
・・・女ってのは、若くても老いても、総じて素晴らしい^^
◇
各エピソードでのダンスにも力が入っていて、私は特に、浜辺の魔女の、白昼での妖艶な踊りと、ケイト・ハドソンのスピーディーな踊りに魅了された。
モノクロとカラー映像の切り替えも心地よい。
イタリアの風景もうまく切り取っていて、フェリーニ的な夜の石畳の幻想的な撮り方も良かった。
・・・ゴージャスな映画を楽しませて頂きました^^
(2010/03/19)
この2つのミュージカルシーンが終わった瞬間に、少し残念に思える溜息をついてしまったほどでしたから。
私は、圧倒的に物語を愛する者ですが、ミュージカルという感覚に訴えてくるものの、あまり論理的に語れない高揚感というのは素晴らしいものです^^
そういえば、前日にも、「プリンセスと魔法のキス」というミュージカルを見ていたんですよね^^
ファーギーは、姉御の魅力。
ケイト・ハドソンはプロとしてのアクションの魅力がありました。
どちらも、わりとムチッとしていて、パワフルでした^^
ルイザがずっと自分のための言葉だと支えにしてきたセリフが、単にオーディションでの決まり文句だと知った…なんて件は結構しんみりとしたんですけどね。^^
今もサントラを聞きながら…です(笑)
だから、私は、ペネロペとグイドの絡みの、しつこい女のうっとうしさみたいなところなどに、非常に面白味を感じました。
また、ケイトの誘惑に耐えつつも、二コール・キッドマンには夢中になって振られる。
要するに、グイドは女で悩むのが好きなんですよね^^