「累 -かさね-」【予告】9月7日(金)公開
☆・・・2人の朝ドラ女優(土屋太鳳、芳根京子)に、かなりの負荷をかけさせての演技合戦、満島ひかりVSステファニーの『プライド』以来の面白さ(^.^)
…顔に大きなキズを負い、天才的な演技力をうちに秘めながらも日陰の人生を送ってきたカサネ(芳根京子)、
対して、華やかな容姿を持ちながら、演技力が伸び悩んでいる舞台女優のニナ(太鳳)、2人の短所(欲求のさまたげ)が、キスすることによって身体を入れかえることが出来る「魔法の口紅」によって、一時的に解決される。
カサネがニナに成り代わり、舞台に立つ。
実社会に、一つの不思議なアイテムが存在して物語が紡がれるさまは、デスノートを彷彿とさせる。
芳根京子と土屋太鳳は、全く違うタイプの女優だが、もう、序盤から、なんか知らないが、区別がつかなくなる。
たった2人の間のことなのに、入れ替わり、それぞれが立ち位置で不安を感じ、それぞれが状況で自信を持ち、それぞれが相手の容姿で社会に出て行く。
次第に、外見さえも、どちらがどちらだか分からなくなってくる。
頼みの綱はキズだけなのだが、中身である個性も物語の経過で変化していくので、たった2人の事なのに、複雑化していく。
見ているこっちは、迷宮に誘われるようなイリュージョンを感じさせられる。
作り手の演出以上に効果が出ているだろうし、それに2人の演技が120パーセント応えている。
私は、土屋太鳳は好みではない。
顔でかいし、市原悦子みたいな作り声を出すし、
彼女は、おそらく、熱狂的なファンのいるタレントではない、しかし、テレビや映画で出まくっているのは「華やかな無難さ」があるからだろうな。
芳根京子には、端整な顔立ちながらも、どうしても地味な印象がある。
2人の演技対決…、キャストの時点で、きらびやかな世界から、身体を奪われ、プライドを崩され、名声を失っていく、転落の役を演じる土屋太鳳の勝利でもあった。
でも、芳根京子も、陰の役として頑張っていた。
ニナの心・カサネの体で町に出る芳根京子は、カサネの心・ニナの体で舞台に立つ土屋太鳳と双璧だった。
一緒に行った彼女は、芳根京子に似ている。
なんか見終えて、無口になってたので、かなり複雑な心境になってたみたいだ^_^;
(2018/09/14)