『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『コララインとボタンの魔女/3D』を観た]

2010-02-21 03:57:45 | 物語の感想
☆仕事の前に無理して観に行った。

 良かった。

 今年のここまでで、一番に満足のいく作品だった。

 人形アニメーション、その3D作品だ。

 ただ、初めて見たTOHOシネマズ南大沢(だからかは分からないが)での3D映像は最低だった。

 遠近感が逆だったり、焦点の合い方の、クリアーな部分とぼやけた部分が、理解できない視覚上の優先順位になっていた。

 なんなんだろ?

 他の映画館でも、この作品の3D映像は、おかしいのだろうか?

 まあ、「カリガリ博士」みたいな歪みと思えばいいか!

 いや、良くない(反語)。

   ◇

 しかし、物語は、今までに見たことのないファンタジー世界を描いていた。

 ブラックユーモアに溢れたファンタジー世界なのだが、その表現が、あれに似ているとか、あれにオマージュを捧げているとかいう傾向が見られなかった。

 「ボタンの目の世界」の不条理な不気味さなど、とてつもなく斬新だ。

 現実の世界と合わせ鏡のように似せたボタンの世界だが、主人公のコララインの悪友となるワイビーは、ボタンの世界では魔女によって口を封じられている。

 その、口を利けない諦観の表情なんて、作り手のうまさが、非常に表われている。

 主人公のコララインは、主人公らしく活動的なのだが、時に、思い出したように子供らしい態度・・・、例えば、歩くときに、自分が勝手に作った歌を口ずさんだりと、なかなか可愛い^^

 また、コララインが、登場人物たちに「キャロライン」と呼ばれ続け、コララインがいちいち訂正すると言う、意味がイマイチ不明な繰り返しも、ナンセンスで面白い。

 舞台は狭いのだが、そこに住む世帯が、「ボタンの世界」の存在で倍加するので、とても奥行きがある。

 それぞれ仕事に夢中のコララインの両親、地下に住む元舞台女優の老いた2人・・・、上階に住む、身軽な、ネズミサーカスの調教師兼団長など、個性豊かで面白い^^

   ◇

 この作品の監督は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』 も撮っている。

 『ナイトメアー・・・』の原作・原案であるティム・バートンは、かつて、「もう、自分は、人形アニメーションしか撮らない」とか言っていたが、結局、ジョニー・デップと組んで、無難な完成度のファンタジーばかりを撮り続けている。

 また、この物語と、ちょいと似たテーマの作品を撮ったピーター・ジャクソンの作品は成功作とは言い難い。

 先行した『ラブリーボーン』、これから公開の『アリス・イン・ワンダーランド』は、この作品に勝てるのかね?

                                         (2010/02/21)
コメント (2)
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