『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『少年メリケンサック』を観た]

2009-02-21 00:03:36 | 物語の感想
☆音楽プロダクションの新人発掘の契約社員が、ネット動画で発掘したパンクバンド<少年メリケンサック>を、彼らが活躍したのが四半世紀前だということを知らずにスカウトし、後に引けなくなって全国ツアーに廻る寿司な話である。

 契約社員の女を宮崎あおいが演じている。

 大河ドラマ『篤姫』で主役を演じた女優だが、私は詳しくない。

 ただ、5年ほど前に、テレビ朝日のドラマ『R-16』(だったかな?)で、レズの同級生に自宅に監禁され、ベッドに括りつけられて、物を食べさせられるのもその同級生が与えてくれるスプーンから、という受難の役柄の女子高生をやっていた記憶があるのだが、それは私の妄想記憶であろうか?

 私は、その緊縛の仕方がぬるかったので、「てぬるいッ!」という印象を持ったものである。

 もっとキチキチに縛らなくては駄目なのである!

 シネマジックの『インモラル女子高生』シリーズや、最近では、プレステージの『高貴美少女学園』シリーズが大好きな私が言うのだから間違いない^^;

   ◇

 ・・・と、冗談はさておき、似たタイプとしては、私は榮倉奈々のほうが好きだと思っていたのだが、この宮崎あおいも可愛かった。

 そのちんまくまとまった容姿や、ヒモ彼氏とのイチャつきぶりなど、可愛くって可愛くって、可愛さあまって憎さ百倍なので、

 <少年メリケンサック>再結成のために、メンバーを巡り、メンバーにゲロ吐かれたり、馬糞を顔にぶつけられたりするのをはじめとして、ツアーの最中にコレでもかと苦難の状況に陥らされるのが、・・・うん、良かったです^^;

 この作品は、『精神的なSM作品』としても楽しめましょう。

 『魔人探偵脳噛ネウロ』のヤコみたいである。

   ◇

 ・・・と、冗談はさておき^^;

 佐藤浩市は、これはもう、完全に映画男優ですな。

 木村佳乃なみに、私の見る多くの映画に出ている。

 しかも、佐藤浩市に至っては、シリアスからコメディへと変幻自在である。

 とみに、私は、こわもてのイメージだった佐藤の、最近のコメディへの露出が実に好きだ。

 今回は、昔はパンクバンドでならしたが、今は、高円寺のピンサロの看板持ちのバイトで生計を立てている、端から見ると浮浪者然とした、けれど、根拠のない自信だけは人一倍あるという癖のある役を演じていた。

 ・・・余談だが、私は、高円寺のピンサロには造詣が深く、『ピンサロ「蟹工船」』というネット小説を書いているので、近日、このサイトに転載するので期待してください^^v

 今回も、佐藤浩市は、ライブで張り切りすぎて、楽屋でゼーハーゼーハーなりながら、アンコールを促され、それに対し、「ハーハー、アンコールやるくらいなら、もっとましな本演奏をしたよ、ハーハー・・・」というところなど、正直なのか生意気なのか、少年のわがままな言い分みたいで、実にいいのである^^

   ◇

 監督・脚本の宮藤官九郎だが、ここ数年の人気作家だが、私は良く知らない。

 二年ほど前の正月のドラマ『タイガー&ドラゴン』は楽しく見た記憶がある。

 ただ、この人のフィルモグラフィーを見ると、若者向けの作品のほかに、上記の『タイガー&・・・』の落語と言い、弥次さん喜多さんとか、舞妓さんとか、伝統ネタへの気配りを忘れていないのが、ちょっと「保身」を感じさせられ、みみっちいなあとは思う。

 しかし、ふんだんに詰め込まれたギャグの数々には、私は一人で観に行ったのだが、ゲラゲラ笑わせられた。

 序盤から、ユースケ・サンタマリアの妙なテンションのプロダクション社長や、ジャンル名不明(ムード演歌ロック?^^;)の変な歌を歌うテルヤなど、面白いキャラクターが続出するが、最初に声を出して笑ったのが、不覚にも嫌いなキャラクターのヒモ彼氏の「桜の歌」だった。

 「さくら」「さくら」を連呼した後に、「♪桜新町~」ときて、ブフッと笑った。

 これから後、私の笑いの沸点は上昇し、笑いっぱなしだった。

 これは下らないようでいて、宮藤官九郎が音楽にのせて狙ったギャグと思われ、作中でもう一回、メリケンのメンバーたちに「♪桜上水~」と歌わせている^^;

 また、佐藤浩市演じるアキオが、宮崎あおい演じるかんなに、「彼氏はチンコ大きいか?」と繰り返し聞くのだが、それこそが「男女関係の真理」の如くにいい、私は、繰り返し聞かされているうちに、それが正しいような気になってしまった^^;

   ◇

 この物語と、『デトロイト・メタル・シティ』(クリック!)は併せて見ると面白いかもしれない。

 重なる面が多々ある。

 笑える点が、相互補完されてもいる。

 ただ、『デトロイト・・・』が、一本筋が通った脚本であるのに対し、こちらは、いまいち取りとめがない。

 バンドメンバー内の兄弟の過去を、現在と並列に描いたり、日本の音楽史を紐解くような語り口であったり、インタビュー風景をインサートさせたりと確信的に、幕の内弁当みたいな作りにして、見ているこちらに作品のレッテル付けをさせまいとする目論見が感じられるが、その方式の収支を考えるとマイナスが勝っちゃっているような気がする。

 特に、私、前日、DVDで傑作『ガチ☆ボーイ』(クリック!)を見直してしまい、その完成度に感心していたので、微妙に方向性が異なるとは言え、比べてしまう自分がいました・・・。

   ◇

 作中で、アキオの弟ハルオ(木村祐一)がバンドの盛衰について語る。

 要旨は、うまく行っているときはいいが、少しでも躓くと、それぞれの方向性(金・人気・音楽界での現在の位置への安住・もっと前進)の違いが噴出し、空中分解をする、という話だった。

 私は、バンド経験はないのだが、その話を異性との交際に移し変えて考え、なるほどなあと思うのだった。

                       (2009/02/21)
コメント (2)
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