☆最初は、TVゲーム的な画面構成で、時代状況や、英雄の配置を説明されて、「おやおや随分とザックリした映像作りだなあ」と思って見ていた。
でも、そのカンニング的な作りが、すぐに語られる曹操軍や劉備軍の世界にスムーズに移行させてくれて嬉しい。
私は「三国志」に詳しいほうではないが、人並みに趙雲・関羽・張飛の名前は知っているので、彼らが突然に活躍しても、何か顔なじみの人に会ったような気がして嬉しかった。
特に、関羽は、いかにも「中国の頼れるヤツ」てな顔立ち・目つきで格好良かった~^^
とは言え、「三国志」など全く知らない姪は、はじめは、それが退屈だったらしい。
知らない人物達が、知らない間に激闘を繰り返している。
その最中に放り出され、戸惑ったようだった。
しかし、最終的には夢中になり、「赤壁の戦い」の序盤を終えて、周瑜と小喬が愛を確かめる(文学的な表現^^)シーンなどには、「たるい!」と不満を漏らしていた^^;
◇ ◇
私も、「赤壁」の序盤を勝利で終えて、そのまま「PART1」が終了するのかと思いきや、エピローグが30分くらい続くので「おや?」と思った。
確かに、戦場で負傷した周瑜を、小喬が手当てする場面は不用に感じた。
包帯を巻くことを、一種の叙情的な行為に描こうとしているのは、分かりすぎるほど分かる。
ジョン・ウー監督は、そこここに、そのようなエモーショナル(心象や物語の主題の画像への映し込み)を配していて、それが雨であったり、小鳥であったり、弦楽器であったり、虎であったりしているのだが、それが効果的なときは良いが、しつこく感じられる時もある^^;
それは、『男たちの挽歌』の頃から変わりない。
黒澤も、分かりやすくテーマを画像に据えていたが、もうちょい洗練されていたような気がする。
ジョン・ウーは、黒澤末期の作『八月の狂想曲』レベルの拙さが見える。
◇ ◇
これだけの人々の坩堝を描いた作品である。
その力強い合戦シーンこそが、途方もない「説得力」なのだ。
それもまた、『男たちの挽歌』の頃から変らない魅力だ^^
私は、大陸や半島のビッグ・バジェット映画につきものの、完全に統率されたマスゲーム的な合戦シーンを想像していたのだが、この映画では、戦場の未曾有の雑多さが描かれていたように思う。
「PART1」における最終決戦で布かれた劉備・孫権軍の陣の壮大さには度肝を抜かれた(写真参照^^)。
土煙や、「ゴゴゴゴゴゴ!」と言う群れ犇く音が、耳でなく、心に届いた。
◇ ◇
金城武は、孔明という美味しい役を嬉しそうに演じていた。
役作りが、NHKドラマ『新撰組!』の山南副長(堺雅人)に似ていた。
ちょっと諦観を感じさせるところが良かった。
全編、潤んだ瞳で、こりゃ、世界の淑女を虜にするだろう^^;
◇ ◇
私は、任侠グループの劉備軍よりも、孫権軍のほうに心を引かれた。
周瑜(トニー・レオン)は、谷原章介みたいな「イケメン」で、私もかっちょいいと思ったが、孫権役のチャン・チェンが、石野卓球みたいな顔だが、シャープで良かった。
宝剣を抜くか抜くまいかと暗がりで悩みつつ、その少し抜いた剣のさやの、反射の光を目に受けるシーンの表情など素晴らしいと思った。
また、ここで孫権軍の将軍として中村獅童が出てくる。
その役作りが、いかにも「ワル」風なので、
あいや、また、裏切り将軍的な役回りか? と思いきや、そうではなく、最終決戦でもガンガン見せ場を与えられていて、同じ日本人として嬉しかった。
この作品には、「裏切り」行為と言う、ストレスのたまる展開はない。
孫権軍には、「項羽と劉邦」における<虞美人>的な「戦局を左右する美人」である小喬がいる。
「裏切り」はないけど、「物語的な定番美人」はいます^^;
また、颯爽とした戦う女も出てくる。
尚香(ヴィッキー・チャオ)だ。
この子は、アン・ハサウェイみたいに目がグリグリに大きくて可愛かった。
女には、戦いの先陣は切らせて華は持たすが、後は男の仕事とばかりに、ひたすらに豪傑が戦い続ける・・・。
◇ ◇
・・・赤壁の対岸では、曹操の水軍の大艦隊が陣を敷いている。
その絵柄は、勇壮で、美しい。
PART2が楽しみである^^
(2008/11/02)
でも、そのカンニング的な作りが、すぐに語られる曹操軍や劉備軍の世界にスムーズに移行させてくれて嬉しい。
私は「三国志」に詳しいほうではないが、人並みに趙雲・関羽・張飛の名前は知っているので、彼らが突然に活躍しても、何か顔なじみの人に会ったような気がして嬉しかった。
特に、関羽は、いかにも「中国の頼れるヤツ」てな顔立ち・目つきで格好良かった~^^
とは言え、「三国志」など全く知らない姪は、はじめは、それが退屈だったらしい。
知らない人物達が、知らない間に激闘を繰り返している。
その最中に放り出され、戸惑ったようだった。
しかし、最終的には夢中になり、「赤壁の戦い」の序盤を終えて、周瑜と小喬が愛を確かめる(文学的な表現^^)シーンなどには、「たるい!」と不満を漏らしていた^^;
◇ ◇
私も、「赤壁」の序盤を勝利で終えて、そのまま「PART1」が終了するのかと思いきや、エピローグが30分くらい続くので「おや?」と思った。
確かに、戦場で負傷した周瑜を、小喬が手当てする場面は不用に感じた。
包帯を巻くことを、一種の叙情的な行為に描こうとしているのは、分かりすぎるほど分かる。
ジョン・ウー監督は、そこここに、そのようなエモーショナル(心象や物語の主題の画像への映し込み)を配していて、それが雨であったり、小鳥であったり、弦楽器であったり、虎であったりしているのだが、それが効果的なときは良いが、しつこく感じられる時もある^^;
それは、『男たちの挽歌』の頃から変わりない。
黒澤も、分かりやすくテーマを画像に据えていたが、もうちょい洗練されていたような気がする。
ジョン・ウーは、黒澤末期の作『八月の狂想曲』レベルの拙さが見える。
◇ ◇
これだけの人々の坩堝を描いた作品である。
その力強い合戦シーンこそが、途方もない「説得力」なのだ。
それもまた、『男たちの挽歌』の頃から変らない魅力だ^^
私は、大陸や半島のビッグ・バジェット映画につきものの、完全に統率されたマスゲーム的な合戦シーンを想像していたのだが、この映画では、戦場の未曾有の雑多さが描かれていたように思う。
「PART1」における最終決戦で布かれた劉備・孫権軍の陣の壮大さには度肝を抜かれた(写真参照^^)。
土煙や、「ゴゴゴゴゴゴ!」と言う群れ犇く音が、耳でなく、心に届いた。
◇ ◇
金城武は、孔明という美味しい役を嬉しそうに演じていた。
役作りが、NHKドラマ『新撰組!』の山南副長(堺雅人)に似ていた。
ちょっと諦観を感じさせるところが良かった。
全編、潤んだ瞳で、こりゃ、世界の淑女を虜にするだろう^^;
◇ ◇
私は、任侠グループの劉備軍よりも、孫権軍のほうに心を引かれた。
周瑜(トニー・レオン)は、谷原章介みたいな「イケメン」で、私もかっちょいいと思ったが、孫権役のチャン・チェンが、石野卓球みたいな顔だが、シャープで良かった。
宝剣を抜くか抜くまいかと暗がりで悩みつつ、その少し抜いた剣のさやの、反射の光を目に受けるシーンの表情など素晴らしいと思った。
また、ここで孫権軍の将軍として中村獅童が出てくる。
その役作りが、いかにも「ワル」風なので、
あいや、また、裏切り将軍的な役回りか? と思いきや、そうではなく、最終決戦でもガンガン見せ場を与えられていて、同じ日本人として嬉しかった。
この作品には、「裏切り」行為と言う、ストレスのたまる展開はない。
孫権軍には、「項羽と劉邦」における<虞美人>的な「戦局を左右する美人」である小喬がいる。
「裏切り」はないけど、「物語的な定番美人」はいます^^;
また、颯爽とした戦う女も出てくる。
尚香(ヴィッキー・チャオ)だ。
この子は、アン・ハサウェイみたいに目がグリグリに大きくて可愛かった。
女には、戦いの先陣は切らせて華は持たすが、後は男の仕事とばかりに、ひたすらに豪傑が戦い続ける・・・。
◇ ◇
・・・赤壁の対岸では、曹操の水軍の大艦隊が陣を敷いている。
その絵柄は、勇壮で、美しい。
PART2が楽しみである^^
(2008/11/02)