銅版画制作の日々

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アール・ブリュット&映画「非現実の王国で」★ヘンリー・ダーガーの謎

2008-11-01 | アート

11月1日、今日は滋賀県立近代美術館へ・・・・・。“アール・ブリュット”ーーパリ、abcdコレクションよりーー展を鑑賞してきました。実はもうひとつ目的がありました。1日のみ限定で、映画の上映があることもあってです。その映画は“非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎”という作品で、京都みなみ会館で上映されたのですが、機会がなく観れませんでした。今回この展覧会の開催に併せての上映が行われると知り、早速鑑賞することにしました。無料での鑑賞だというのも魅力なので、1時間半かけて、久しぶりに滋賀県へ出かけました。

アール・ブリュットとは?ハンディキャップを持った人によるアート活動です。近年あちらこちらでこのような造形活動が注目されています。絵画だけでなく、立体、織、染め等、様々なかたちでの表現活動があります。

来年早々に、京都と滋賀の施設の作品が集まり、京都市立美術館で,「土と色」というタイトルで、展覧会が開催される予定です。また詳細が分かりましたら、ブログで紹介したいと思っています。

さて今回の展覧会は、デュビュッフェの母国フランスの非営利財団abcdの所蔵品により、アール・ブリュットの代表的な作家約60作家、約130点による展覧会だそうです。コレクション、ドキュメンタリー映画製作、多角的な研究というabcdの活動三本柱を通して、彼らが投げかける様々な問いに光をあてることを試みる展覧会です。

ボールペンや鉛筆で、力強く描いた作品の数々を見ると、おそらく鉛筆やボールペンが何本も使われているのだろうな?とか、根気のいるような緻密で細かい描写の作品を見ると、どんな精神力なのか?集中力はどのくらいあるのか?なんて色々思いながら作品を見入りました。そしてこんなことが自分も出来るか?と・・・・・。

かなりハイレベルな作品ばかりです!インパクトの強さに、驚くばかりです。無心だからこそきっとこのようなパワーのあるものが出来るのだろうと感じました。邪心を捨てないと、ここまでは出来ないのでは??好きだからこそ描く。この精神かもしれませんね。そういう意味でもう一度原点に戻る必要があるのではないかと、教えられました。

 

さて私がどうしても観たかった映画“非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎” についての紹介。

 

1973年、ヘンリー・ダーガーというひとりの老人がひっそりと他界した。彼の死後、部屋を片付けていた大家は、15000ページを超える世界最長の小説と、数百枚に及ぶその挿絵を発見。「非現実の王国で」と名づけられたその小説は、子どもたちを奴隷として虐待している王国で自由のために立ち上がった7人の少女たち「ヴィヴィアン・ガールズ」の活躍を描いたものだった。しかし彼が作品を書いていた事を知るものは誰もいなかった…。

家族や親類、友人もおらず、貧しい生涯を送ったヘンリー・ダーガー。1892年生まれの彼が「非現実の王国で」を書き始めたのは1909年。知的障害児施設にいた事もあった彼だが、独力で書き続けた。作品がほぼ完成すると、彼は挿絵の制作を始めた。驚くべきは、彼が人生のほとんどをかけた創作活動を、彼が死ぬまで周囲の誰も知らなかったと事だ。彼の作品はファンタジーともいえるのだが、人付き合いを避け、ひたすら自分の世界に没頭し続けたダーガーからすると、彼の世界は現実にではなく、その作品の中にあったのだろう。ダーガーは「発見」されたが、誰も気づかずに作品が消失してしまった「天才」も少なくないのでは?と考えさせられる。(goo映画より)

ヘンリー・ダーガー についてもっと詳しく、そして映画のHPにもリンクできます

 

彼を知っている人がダーガー像を語り、彼の挿絵がアニメーションとなって物語に。そのお話は動く、ヴィヴィアン・ガールズが誘う妄想世界ヴィヴィアン・ガールズ、あるときは荒れ狂う空の下で陽気にはしゃぎ、あるときは兵士と戦いまたあるときは、翼を持った幻想的な生き物に助けられる少女たちは、ダコタ・ファニングによるナレーションによって命を吹き込まれ観る者を興奮と彩りに満ちたダーガーの妄想の世界に誘う。

現実とおとぎ話が交互に映し出され、ちょっと頭の中はごちゃごちゃになります。独特な挿絵は好き嫌いがあると思う。字幕を追いながら、場面が変わるので、目で追うのが大変でした。時折また状態になりそうなことも。前の方もされておりました。

 

 

滋賀県立近代美術館HP  アール・ブリュットについての詳細はこちらから

お知らせ:11月16日(日)、14:00~ 元一麦寮 寮長 吉永太市先生の講演もあります!(聴講無料です)

 

 

 

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