銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

BLACK BREAD(英語)2010 ラテンビート映画祭にて

2011-09-26 | 映画:ミニシアター

 原題:Pain Noir (Pa negre)

評価:→80点

2010年製作 スペイン・フランス 113分

ラテンビート映画祭で観た2本目は、「Black Bread」。おわかりのように黒パンという意味です。pa negraはカタルーニャ語で同じく黒パン。

上映前に映画祭主催、企画をされたアルベルト・カレロ・ルゴさんより挨拶がありました。主演のフランセスク・コロメール君は学校が始まったという事で残念ながら、挨拶に来られないとの事。

そうか、もしかしたら、このシアターに彼は来たかもしれないんだ。実はこの少年が気になり、作品を観ようと思ったのもあったのもあった。ひょっとしたら彼に出会えたかもしれない。残念です。

事前にチェックしていなかったんですが、本作は、2011年ゴヤ賞で作品賞、監督賞等9部門で賞も獲得したそうで、スペイン本国で大ヒットした秀作だったことを知りました。

そんなこともあってか、18:30からの上映。かなりお客さん、多かったです。

舞台はスペイン内戦後のカタロニア。いきなり馬車を引く男性がフードを被った男に襲われる!格闘するも、結局フードの男に凶器のようなもので殴られ、無惨にも殺されてしまう。馬車の中には男性の子供が乗っていた。フードの男は気づかず。

目隠しをされた馬を崖の端に連れていき、そのまま崖から突き落とす、、、。冒頭から凄いシーンでした(汗)この凄いシーンはあくまでも序盤です。

ここから物語は始まります。アンドレウが事件に遭遇して、様々な人たちと出会い、色々な話や出来ごとを見てどんな風に感じ、決断していくかを少し語ります。

 アンドレウ(11才の男の子)は、落ちたカートの残骸を発見します。男の遺体のそばに倒れていたのは、クレット。男性は ディオニス・セギーでクレットはディオニの息子である。アンドレウが駆け付けた時は虫の息、彼が最期に言った言葉は「ピトゥリウア」。そして息絶えてしまう。 

その後、事故の目撃者としてアンドレウは父親のファリオルに付き添われ事情聴取に応じる。

ピトゥリウアの意味を聞かれ、アンドレウは鳥の名前だと話す。また別にピトゥリウアが、森の洞窟に住むと噂される幽霊の名前だという事も付け加える。
警察は事故は何者かによって仕組まれた殺人事件と断定。その裏ではアンドレウの父ファリオルが疑われているようでした。

ディオニスとは、鳥の鳴き声コンテストに出場するために、鳥を育てるためにビジネスパートナーという間柄だったのもあるのだが、それだけではなく、下記のような経歴があったからだ。

アンドレウの父ファリオルは、左派の思想教育を受けており、保守/右派な田舎の村で生きるには、大変辛い状況だった。そして今回の事件はそんな父の存在を揺るがすような話へと進むのである。

更にこんな人間関係も・・・・。

数年前、少佐とファリオルはフロンレシアを巡って争っているライバルだった。結局、フロンレシアはファリオルを選ぶという結果に。このことに少佐はいまだにこだわり続けていた。今回の事件でファリオルを犯人だという思いと個人的な彼への憎しみも思いのほかあったようだ。


少佐役にはセルジ・ロペス おぉ~リッキーにパンズ・ラビリンスでお馴染の男優さん

間もなく、アンドレウは祖母の元へ身を寄せる。父ファリオルは逃亡。


 フロレンシア 母
アンドレウに母は語る。父ファリオルの今までの苦労。アンドレウのように医者を志したが途中政治的思想に入り込み、村の人たちから疎外状態となった話など。

祖母の家は大家族だった。

 ヌリア 従姉
大人社会の現実を話して聞かせる。父親フォンソはフランスに行っているということになっているが、、、、。実は自○しているという真実を知っている。ヌリアには知らされていないようだ。

 Quirze 従兄

 
 シオー おば 未亡人                      エンリケタ 未婚のおば 村のグディオルから言い寄られていた。

ヌリアとアンドリューは、一緒に不可解な森で過ごす。彼女はアンドレウに首ったけで、性の差によるゲームをしてみたり、、、。

しかし、アンドレウは彼女の性的な接近を拒絶します。

 

早熟で元気のよいヌリアは、アルコール中毒の学校教師と性的なゲームをしたりと何やら危ない感じです。そんなヌリアの誘惑にはどうもダメそうなアンドレウ。

要領の良さそうで、世あたり上手というところですね。アンドレウにとってどんな風に見えるのでしょうね。

 Àvia 祖母

寝る前に子供たちにお伽話を聞かせてくれる。

 森の川でアンドレウが見かけた青年

彼はハンディ、肺病を患っていました。そんな彼にアンドレウは食物を差し出して助けたり。

 呑んだくれ教師

 

これは書き出すとかなり長くなりそうにな感じなので、ここからは簡単にまとめたいと思います。

結局父ファリオルは逃亡したのかと思ったら、祖母に家の屋根裏に潜んでいました。このことを察知した少佐一行は、家を強行に捜索、父は連行されるという事態となります。

フロンレシアは体を張って夫を助けるために動きます。 村の有力者Manubens夫人に願い出て少佐宛てに手紙を書いてもらい、何とか刑務所から助け出してもらうこともやってみますが、、、、。           

それでも上手く行かず、少佐にじきじきに助けを請うフロンレシア。アンドレウは母が少佐と関係を持つ場面を見てしまう。

母や父の知られざる秘密も次第に明らかに。

最初の場面でクレットが言い残した「ピトゥリウア」という名前の人物についても判明します。

 Pauletta(Dionísの未亡人)が告白する真実も、、、、、。誰がディオニスや息子クレットを殺したというのもすべて解明します。

アンドレウは人間不信となり、その後の彼の決断は意外な方向へと進みます。

フランコ政権による厳しい弾圧が行われた冬の時代を一人の少年の目を通して描いたサスペンス。

かなり複雑なお話なので、ちょっと混乱しそうでしたが、、、、。こうして再度お話を辿ってみるとなかなか面白い作品でした。

Pan negro - Pa negre 公式サイト

※2012年 銀座テアトルシネマ他で公開。

 

 

 

 

 

 

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« エクレール~お菓子放浪記(... | TOP | アジョシ(2010)☆★THE MA... »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | 映画:ミニシアター