天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

映画『赤ひげ』加山雄三婚礼に両親の笠智衆と田中絹代を登場させたのは小津安二郎・溝口健二両監督への敬意

2011-07-03 11:25:08 | 日記
今日の日記は、映画『赤ひげ』(1965年製作 黒澤明監督 井手雅人・小国英雄・菊島隆三・黒澤明脚色 三船敏郎 加山雄三主演)のことです。
この映画で、黒澤明監督はキャストはいつも自分の黒澤組専門の俳優だけでなく、日本映画を代表する小津安二郎と溝口健二両監督に多く出演した俳優や当時の若手女優を多く出演させています。
以下に、その豪華な主要出演陣を紹介します。
★★黒澤組★★
(1)・三船敏郎 (新出去定:赤ひげ)
(2)・加山雄三 (主役の一人:保本登)
(3)・土屋嘉男 (療養所の医師:森半太夫)
(4)・藤原釜足 (患者:六助)
(5)・山崎努  (患者:佐八)
(6)・東野英治郎 (長屋の大家:五平次)
(7)・志村喬  (両替商:和泉家徳兵衛)
(8)・左卜全  (療養所の患者)
(9)・渡辺篤  (療養所の患者)
(10)・西村晃 (松平藩の家老)
(11)・根岸明美(六助の娘:おくに)
★★小津安二郎組★★
(12)・笠智衆  (登の父)
(13)・杉村春子 (娼家の女主人)
(14)・桑野みゆき(佐八の元恋人:おなか)
(15)・団令子 (狂女の侍女:お杉)
★★溝口健二組★★
(16)・田中絹代(登の母)
(17)・香川京子(療養所に隔離された狂女)
★★当時の若手女優★★
(18)・二木てるみ(登の患者:おとよ)
(19)・内藤洋子(登と結婚するまさえ)
(20)・藤山陽子(登の元婚約者ちぐさ:まさえの姉)
他にもまだ俳優がいますが、4つの分類で私見的に整理させていただきました。特に、若手女優の3人は、ベテラン揃いの俳優陣にあって、とても新鮮な味を映画で出しています。
添付した写真は、登に思慕を抱く患者おとよ(二木てるみ)が物乞いする(左側上から3カット)、おとよが少年の長次(頭師佳孝)が盗みを咎める(右側上から2カット)、娼家の女主人(杉村春子)がおとよを連れ戻そうとする(左側下から1カット)、登(加山雄三)とまさえ(内藤洋子)の婚礼(右側下から2カット)の計8カットシーンです。
この添付した婚礼シーンでは、両親役の笠智衆と田中絹代が揃って登場します。黒澤監督は、二人を自身の映画に出演させたのは、日本映画の巨匠監督への敬意(オマージュ)を込めたと語っています。そして、私自身は、この映画製作に2年も費やした黒澤明監督の情熱に深い畏敬の念を持っています。
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