pure breath★マリーの映画館

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『ゼロ・ダーク・サーティ』

2013-02-17 21:12:26 | 映画(さ行)
9.11から10年
彼女を駆り立てたのは、使命か執念か。




『ゼロ・ダーク・サーティ』
監督・・・キャスリン・ビグロー
脚本・・・マーク・ボール
出演・・・ジェシカ・チャスティン、ジェイソン・クラーク、ジョエル ・エドガートン 他

【解説】
911全米同時多発テロの首謀者にしてテロ組織アルカイダの指導者、ビンラディンの殺害計画が題材のサスペンス。CIAの女性分析官の姿を通し、全世界を驚がくさせた同作戦の全貌を描き出す。メガホンを取るのは、アカデミー賞で作品賞などを受賞した『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー。『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』などで注目のジェシカ・チャステインが、狂気にも似た執念でビンラディンを追跡する主人公を熱演。リアル志向のアクションやドキュメント風の映像も見ものだ。
【STORY】
ビンラディンの行方を追うものの、的確な情報を得られずにいる捜索チーム。そこへ、人並み外れた情報収集力と分析力を誇るCIAアナリストのマヤ(ジェシカ・チャスティン)が加わることに。しかし、巨額の予算を投入した捜査は一向に進展せず、世界各国で新たな血が次々と流されていく。そんな中、同僚の一人が自爆テロの犠牲となって命を落としてしまう。それを機に、マヤの中でビンラディン捕獲という職務が狂気じみた執心へと変貌。ついに、彼が身を隠している場所を特定することに成功するが……。



実は最近『アルゴ』を観たばかり・・・どちらも疲れる映画だった。しかも~両方とも実話という重み。
けれど、どうしても私にはこういうドラマが作られる根底の争いがワカラナイ・・・
自分の信じる神の為という大義名分があれば、なにをやってもいいのか・・・それぞれが自分の想いを持っていればいいのではないの?と、こういう甘い考え方するのはどんな宗教でもありの日本人だから?それとも私が甘すぎるの?

観終わって、いろんな想いがあったけど~
一番不安だったのが、屋敷にいた大勢の子供たち・・・目の間で自分の親たちが殺されて、彼らはどう思ったのだろう?これからどうするのだろう?復讐を誓ったりしないのか・・・負の連鎖は起きないのか、とても心配になった。
『96時間』はフィクションだけど、自分たちが悪党なのにリベンジを誓ったりするし。ビンラディン暗殺への長い長い道のりが今、最終地点ではないような、そんな不安を感じたのです。
マヤの最後の涙が、安堵ではない複雑な想いを表現していた。そういうところがピグロー監督らしいのかも・・・


ジェシカ・チャスティンは『ヘルプ・・』ではセクシー女性だったけど、“華奢で青白く澄んだ瞳が印象的な”というのにぴったりだった。
どういうシーンでも女、女、してないとこが好感持てたし~マヤの同僚のジェシカが亡くなってからのギラギラとした表情も凄く良かった。
ラストの彼女も全て抜けてしまった感じで・・・打たれた。。。


ダニエル役のジェイソン・クラークは『パブリック・エネミーズ』とかで、時々お見かけする俳優さんですが~今回の役はしんどかったでしょうね~。
本当に消耗する撮影だった・・・とのことだけど、そりゃそうだと思う。拷問シーンもカットなしでデジタルカメラで一気に撮影~とのことで、観ているこちらも苦しくなるような臨場感だった。


ジェシカ役のジェニファー・イーリーが、観たことあるけど誰だっけ?ってずっと引っかかっていて・・・
帰ってパンフ見たら、BBCテレビ『高慢と偏見』のエリザベス役の彼女だった・・・『英国王のスピーチ』にも出てた・・・やっとすっきりした・・・


あら、こんな所にマーク・ストロングさん!ツルツルじゃないと違う人みたい~
あら、こんな所にカイル・チャンドラーさん!『アルゴ』で観たばかり・・・


パキスタン支局のラリーが、あっ!私のお気に入りのエドガー・ラミレスではないの~。出てるの知らなくて嬉しかった~。
素敵なんだけど、少し肥えましたか・・・?貫録ついちゃった・・・
重い映画でも、何か楽しいこと見つけないと苦しいし~
エドガーさん観て、元気出してました。いい仕事してたしね!(お屋敷発見した~)


拷問シーンが云々とよく聞くけど、思ったより軽かった・・・(苦笑)
水責めとか本人は苦しいのかもしれないけど、ん?こんなもん?っていう感じで。もっともっと痛めつけるのかと思ったら、どちらかというと精神的に苦痛を与えるものなのですね?

彼らは死を恐れていない。
自爆テロは一番手がつけられない・・・元々死ぬ為にやって来るのだから、彼らにはそれしか頭にないのだから最強ですよね。
ジェシカたちCIA職員が大勢やられたあのシーンだって、お金で買収出来た!と思ったら~実は・・・だなんて。本当に防ぎようがない。
その見極めなんて出来ないと思う。
マヤが危険をすり抜けてこられたのは運もあるのかなぁ・・・

この映画は米国のプロパガンダ映画だって声も時々聞くけど、あんな裏の裏まで見せるという危険なことを敢えてするとは思えない。国としては、ここまで見せて欲しくなかったのでは?と思ったり・・・
レーダーに映らないステルス型ブラックホークプリンス・・・その存在すら隠されていたというのに、(まぁ、映画では想像で制作したそうですが)作戦で用いたという事実も公に。そして、突入したDEVGRU:Sealsの素晴らしい能力。
撮影も彼ら目線の暗視カメラを通してだから、臨場感ありすぎ・・・
ラスト何十分・・・一緒に突入しているような疲労感。


どこからどこまでが“本当”でどこが“作られたもの”なのか、私には分からなかった。
全てが事実としたら、怖すぎる。いろんな面で・・・
とても勉強にもなりました。



マリー的お気に入り度 ・・・★8個ぐらい・・・