pure breath★マリーの映画館

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『きいろいゾウ』

2013-02-11 21:32:16 | 映画(か行)
             出会ってすぐに結婚したツマとムコ。
               お互いの秘密を知らないまま、ふたりは一緒に暮らし始めた。



『きいろいゾウ』
監督・・・廣木隆一
原作・・・西加奈子
脚本・・・黒沢久子、片岡翔
主題歌・・・ ゴスペラーズ
出演・・・宮崎あおい、向井理、濱田龍臣、浅見姫香、本田望結、柄本明、松原智恵子、リリー・フランキー、緒川たまき
声の出演・・・大杉漣、柄本佑、安藤サクラ、高良健吾 他

      【解説】
作家・西加奈子の人気小説を、『軽蔑』などの廣木隆一監督が映画化したラブストーリー。出会って間もなく結婚した夫婦が、1通の手紙をきっかけに擦れ違いながらも過去と向き合い、絆を深めていく姿を描く。共に原作のファンだという向井理と宮崎あおいが初共演を果たす。彼らを取り巻く人々には柄本明、松原智恵子、リリー・フランキーら多彩な顔ぶれがそろうほか、人気子役の濱田龍臣、本田望結らが出演。
      【STORY】
周囲の生き物たちの声が聞こえる能力を持つ天真爛漫(らんまん)な妻の“ツマ”こと妻利愛子(宮崎あおい)と、背中に入れ墨のある売れない小説家・“ムコ”こと無辜歩(向井理)は、出会ってからたちまち結婚。二人とも互いに言えない秘密を抱えていたが、至って平穏な日常を送っていた。そんなある日、ムコに差出人不明の手紙が届いたことから、二人の関係にさざ波が立ち始め……。



blog友達のmigさんの弟さん、片岡翔さんと黒沢久子さんが共同脚本ということで、ずっと楽しみにしていました。


非現実的なことと現実が上手く共存していて、冒頭から不思議な世界に惹きこまれます。
無駄なBGMもなく、静かに静かに、ゆる~くゆる~くお話が流れてゆく。風の音や木々のざわめきや自然界の音が心地よい。
お話は夫であるムコさんの過去や、近所の仲良しの奥さんが認知症だったりと・・・意外と重かったりするのだけど、その重さを全く感じさせない。

ツマが動植物と会話出来るとか普通に考えたらええっ?なんだけど、それがごく自然に受け入れられるの。
この前TVでなんとかっていうアイドル?の女の子が“1年半、家に小さいおっさんがいました~”って言ってた。小さいおっさんは体長15センチぐらいのおっさんで、カメラにも映らないらしい。
私は小さい頃、雨の夜に時々“光の妖精”が遊んでいるのを眺めていた・・・というと、おかしな人と思われるのだけど(笑)光の妖精はとんがり帽を被っているとか、小人の形をしている、とかそんなんじゃなくて~キラキラキラキラ輝いていて、どこからともなく聴こえる鈴みたいなシャンシャンという音に合わせてキラっキラって光るの。
そういうのって信じる力があれば、誰だって見えるし聴こえると思う。

この作品のツマは小さい頃ひとりぼっちで淋しかった時に大好きな童話「きいろいゾウ」の中のゾウが現れて世界中を一緒に旅してくれた。
きいろいゾウはツマとムコさんを繋ぐ大切なアイテム。
それが可愛いアニメで挿入されていて~そんなところもツボ。
そういうメルヘンな物語かと思ったら、
今度は夫のムコさんが1通の手紙によって過去の女性に会いに行くというシリアスな展開に。一般的に妻は夫の女性関係には敏感なもの。
上京しようとする夫の手を、無言でガンガンとコップをぶつけるシーンは痛かった・・・心が・・・


ツマのあおいちゃんは、化粧っ気もなくて透明感に溢れていた~。自給自足のナチュラルな生活から作りだされた雰囲気そのまま~
とてもキュートでした。
彼女の畏れが表情全てから体現されてて、やっぱり演技も上手いなぁ実感。

ムコさんのむかいり~オシャレしてなくてもカッコいいのは仕方ないね。
彼が大きな心で、彼女の不安や畏れを取り除いてくれるのにきゅん♪としました。
普段では絶対見れないような、へたくそ(わざと?)な歌を披露するシーンも貴重。


いつもチャックが開いているアレチさん=柄本明さんは、もうぴったり!
庭にぼ~~っと立ってるのも絵になる(笑)
セイカさんの松原さんもキュートでしたね。認知になっても、あんな優しい旦那さまがいたら幸せだよね。


子役の2人もよかったね~。
人気子役濱田龍臣くんは、さすがの演技。可愛かった~。
ミタさんの子役本田望結ちゃんもおかっぱで可愛かった~!

声優さん、ソテツの大杉さんは似合っていたな~。私も色々お話したいよ・・・
コソクは柄本息子さんの佑さん(残念ながら気付かなかった)親子共演だったのね?
カンユの安藤サクラは分かったけど~高良健吾くんは分からなかった・・・がっくり~


東京の夫婦・・・緒川たまきさんはミステリアスな雰囲気がよかったし~リリー・フランキーさんも合っていた。


4組の様々な愛の形・・・共通してるのは、みんなそれぞれ必死に生きていること。
一番大切なのは、相手を思いやり、精一杯生きること。大事なものは手放しちゃいけないってこと。
観終わって、温かい気持ちになった。
過去から解き放たれたムコさんの背中の鳥の羽根が、彼を信じて待つツマの元へヒラヒラと落ちてくるシーンが印象的だった・・・

ラストの何気ない会話
「ただいま」
「おかえり」
つ~~っと涙が流れた・・・


この作品は原作でもそうなのかな~?
食事シーンがとっても多くて、そのどれもが美味しそう!
そんなに豪華な食卓ではないのに~ただの畑のトマトも、トマトとモッツァレラ・バッカのカプレーゼも・・・
そして煮物・・・ちくわとさつま揚げはよくするけど、そこに茹で卵!これはやったことがなかった~。美味しいだろうなぁ~~~♪
気になるのはクレソン入りお味噌汁・・・クレソンの味噌汁ってどんな味なんだろう?
こんな美味しそうなご飯は全て、ドラマ「高校生レストラン」のモデル三重県立相可高等学校の生徒さん作だって。凄いね~。

お料理と、もうひとつの主人公は月。月の満ち欠けは女性と密接な関係があるもの・・・
満月の神秘的な美しさに畏れを抱くのは太古の昔から・・・


エキストラで参加されたmigさんもバッチリ!映っていました~。みつけて嬉しかった!!なんか心臓ドキドキしちゃったわ~。



マリー的お気に入り度 ・・・★8個+半+半(migさんが出演してたから~+半×2 笑)