ウポポイ、ピリカコタンというアイヌ文化を理解することができる施設を巡るツアーが交通費無料で実施されると聞いて、友人と共に三人で参加した。今日一日、アイヌ施設を巡りながらアイヌ民族について考える時間を持つことができた。
私が6月に白老町にあるウポポイ(民族共生象徴空間)を訪ねたと知り、友人たちは俄かにウポポイに関心を抱いたようだ。そして「もう一度三人で行ってみないか?」とお誘いがあった。その話と前後するように、札幌市が主催する「ウポポイ、ピリカコタン周遊 日帰りバスツアー」が交通費無料で実施されることを知った。「これは良い機会!」とすぐさま本日8月22日(火)分を申し込んだのだ。
本日のツアーには36人の申し込みがあったという。参加者で目立ったのは女性のグループで、男性の場合は夫婦のペアで参加されている方がほとんどで、男性だけのグループというのは我々だけだったようだ。
いただいた行程表によるとウポポイの滞在時間が昼食時間を含めて3時間30分(10時から13時30分まで)ということで、その間の行動は各自に委ねられるという。そこで3人で相談して次のように行動する予定を立てた。(ウポポイが提供する各種プログラムのタイムテーブルを睨みながら…)
10:30~10:50 伝統芸能上演「シノッ」(体験交流ホール)
※ 開演前の体験交流ホールのステージです。開演中は前の窓は閉じられ、映像がふんだんに流れました。また、客席の方もほぼ満員状態でした。
10:55~11:30 ちょっと早めの昼食(ウポポイ内フードコート)
11:30~12:00 国立アイヌ民族博物館観覧
※ 国立アイヌ民族博物館内の一部の展示の様子です。
12:00~12:20 シアタープログラム「アイヌの歴史と文化」(国立アイヌ民族博物館内)
12:40~12:55 文化解説プログラム「ウパㇱクマ」(野外ステージ)
※ 野外ステージで狩猟の仕掛けの様子を説明する係員の方です。
12:55~13:20 時間まで館内施設を自由観覧
滞在時間が3時間30分ということを考えれば、これが精一杯の計画ではないかと思うが、私たちはこの計画どおりに行動することができた。その中で私が個人的に最も心を動かされたのはシアタープログラムの「アイヌの歴史と文化」だった。そのことについては後ほど触れたいと思う。
ウポポイ(白老町)から2時間かけて札幌市アイヌ文化交流センター「サッポロピリカコタン」に移動した。
※ 札幌アイヌ文化交流センター「サッポロピリカコタン」の外観です。
ここの滞在時間は1時間だったが、そのうち半分は「ストラップ製作体験」というワークショップに費やされ、残りの時間を館内観覧に充てられたので私たちが工夫する余地はなかった。
※ サッポロピリカコタンの内部の展示を見入る参加者たちです。
朝8時20分に札幌駅からバスに乗り、18時に札幌駅で解散するまで残りの時間はバスの中だった。さすがにこの歳になると、長時間のバス乗車は疲れるものだが、「良い旅ができたなぁ…」という心地良い感慨に浸ることができたバスツアーだった。
ところでリード文で触れた命題についてだが、私が今関心を持っているのは世界遺産に登録された「北海道・北東北の縄文文化」についてなのだが、ずーっと疑問に思っていたことがあった。それは「縄文人が…」という文脈では語られるのだが、「それは民族としては誰?」という私の疑問には答えてくれるものではなかった。北海道に和人が渡ったのは歴史的には室町時代から江戸時代初期ということになっている。その頃の北海道(蝦夷地)は「アイヌ文化期」と呼ばれていた。じゃあ、その前の続縄文時代、さらにその前の縄文時代に蝦夷地に住み縄文文化を開花させたのはいったい誰で、何という民族なのか?そのことが「北海道・北東北の縄文文化」についてのお話を聞いても、関連図書に眼を通してもいっこうにはっきりしないのだ。
それが本日、シアタープログラムの「アイヌの歴史と文化」を観て、さらには国立アイヌ民族博物館の展示を見て、おぼろげながら縄文人というのは、アイヌ民族に繋がる先住民族らしいということが分かったような気がしたのだが…。
そのことについて、なぜはっきりと明示したり、発言したりしないのだろうか?まったくの外野の人である私には少々気にかかるところが疑問として残ってしまった…。
※ おまけの写真。私たち友人3人組ですが、ポロト湖畔をバックにと思って撮ったのですが、なんと逆光でした。そのため誰が誰と分からないはずと思い無修正で添付しました。