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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 108 藻琴山

2023-08-14 20:12:50 | 北海道低山紀行 & Other
 おそらく「低山紀行」としては最後の山になるであろうと思いながら登った藻琴山だった。標高はちょうど1,000mの低山であり、難しい山ではないのだが、私にとってはいろいろな思いもある山だったこともあり、最後の山と決めていた…。 

 8月11日(金・祝日)、網走市内の14キロウォークを終え、続いて「藻琴山」の登山口がある「藻琴山展望台駐車場公園」に向かった。登山口に向かう途中、藻琴山の上空に雲が張り出してきたのを気にしながら向かった。実は4年前にも藻琴山登頂を目指したのだが、駐車場に着いたものの周りが深い霧に包まれていたために断念した経過があったのだ。
  
  ※ 登山口に設けられた「藻琴山展望台駐車場公園」です。公園の向こうにはレストハウスが建っています。
 今回、駐車場に着いたときには10数台の車が駐車しており、下山してきた人、これから登ろうとしている人がいて、「これなら大丈夫!」と私も登山の準備を始めた。
 駐車場のところには「ハイランド小清水725」という展望レストハウスが建っている。「725」という数字はレストハウスが建っている所の標高を表した数字である。つまり、藻琴山の標高はちょうど1,000mとされているから、駐車場横の登山口から標高差250mで山頂に到達できるというわけである。
  
  ※ 「ハイランド小清水725」というレストハウスです。この日は閉館していました。
 ところで、私が「藻琴山にはいろいろと思い出がある」と記したが、それは藻琴山に関して次のような思い出話があるのだ。私も歳をとったものである。自らの自慢話(?)を披露したくなってしまった。
 私が30台半ばの頃、藻琴山の麓にある某小学校に転勤となった。その学校では、毎年夏になると全校児童が藻琴山登山をするという行事が行われていた。つまりこの学校に通う子どもたちは6年間で6回も同じ藻琴山に登っていた。このことに私は疑問を抱いた。「子どもの発達段階を考慮した行事を行うべきなのでは?」と…。
 数年を経て、私はその学校の企画担当となった。私は全面的にこの学校の夏の行事を見直した。つまり小学校の最高学年である6年生には、学校の窓からいつも仰ぎ見ることができる「斜里岳登山」に挑ませたいと…。斜里岳登山となると、藻琴山よりは数倍、いや十数倍困難な登山となる。(同じ町の某小学校では一学期の修了式を斜里岳山頂で行っているという学校もあった)
 長々とは書けないので結果だけを記すと、私は自分が担任した学年での体験も含めて(その体験とは自分が担任した学年で5年生の時に25kmの海浜チャレンジウォーク、6年生時に斜里岳登山を試み済みだった)学校全体の夏の行事を次のように企画し、提案した。
 テーマは「さあ 飛び出そう!オホーツクの夏へ チャレンジ93」
 ◇1年生 海浜チャレンジウォーク(距離 約3.5km)
 ◇2年生 藻琴山登山(標高1,000m)
 ◇3年生 海浜チャレンジウォーク(距離 約15km)
 ◇4年生 雌阿寒岳登山(標高1,449m)
 ◇5年生 海浜チャレンジウォーク 斜里―小清水間(距離 約25km)
 ◇6年生 斜里岳登山(標高1,545 m)
 職員、父母などとの喧々諤々の議論を経たうえで実施し、身体に故障を抱える子ども以外は見事に当初の目的を達することができた、という忘れえぬ思い出を持っているのだ。(年寄り故の自慢話です)
 そんな私からすると、小学校2年生全員が登ることができる山なのだから…、と軽く考えていたところがあったことは正直に吐露したい。しかし、やがて77歳を迎えようとしている私の身体は相当に老化していることを痛いほど自覚させられる登山となった。もっとも網走市内のウォーキングを終えた後で疲れ果ててはいたのだが…。
  
  ※ 駐車場公園から続く藻琴山登山口です。
 登山道は本格的だった。高い山に自生するハイマツの間を縫うよう細い登山道が続いていた。それほど急角度の傾斜はなかったが、それでも絶え間なく高度を上げていく。
  
  ※ 写真のようにハイマツの間を縫うように登山道は続いていました。
  
  ※ 迷うことなどあるまいと思える登山道にもこのような道しるべのテープが下がっていました。(冬道用かな?)
 登り続けること30分も経った頃だったろうか?ようやく尾根の一端に辿り着いた。そこからは下界の屈斜路湖や川湯の市街地を望むことができた。
  
  ※ 尾根に出た時、屈斜路湖が眼下に望めました。しかし、上空には雲が。
 問題はそこからだった。尾根に辿り着いたのだが、そこから何度下ったり、登ったりしたろうか?そして山頂を遠くに望みながらもなかなか近づかないもどかしさを感じながら登山が続いた。途中にはちょっとした岩場もあった。
  
  ※ 向かう一番高いところが藻琴山々頂です。
  
  ※ こちらは山頂手前のピークです。
  
  ※ この日最も良く屈斜路湖が望めた一枚です。中の島もくっきりと映りました。
     
     ※ 「屏風岩」です。この周辺は岩場となっていました。
 尾根伝いの上り下りを確か4度くらい繰り返したろうか?ようやく望めた山頂付近は無念にも霧に包まれていた。
  
  ※ 山頂が近づくにつれて霧が山頂を覆い始めました。
そんな無念の思いを抱きながら、登山口からちょうど1時間後に山頂に辿り着いた私だった。 
   
  ※ 周りは何も見えない「藻琴山々頂」です。        
 山頂に辿り着き、そういえばまだ学齢期に満たなかった長男と共に山頂に立ったなぁ、ということも思い出していた。
   
   山頂直下です。山頂は狭いため、登山者たちはここのガレ場で疲れを癒します。私もそうしました。         
【藻琴山 登山データ】 標 高  1,000m
行 程  スカイライン遊歩道登山口(7合目)→(60分)→藻琴山々頂→(45分)→スカイライン遊歩道登山口
駐車場  藻琴山展望台駐車場公園 30台駐車可能
天 候  晴れのち薄曇り、微風
登山日  ‘23/08/11