田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

冬の石狩川河岸を遡る エピローグ Ⅱ

2019-02-15 15:58:28 | 冬の石狩川河岸遡行スノーシュートレッキング

 体力的にはけっこう辛い日が多かった。しかも厳寒の冬である。なぜそんなことが楽しいのか?と多くの方が疑問に思われることだろう。しかし、私の中では石狩川を遡るごとにまったく違う感覚を味わっていた。

           

           ※ '16/01/22 月形町付近の石狩川の様子である。川はまだ氷に覆われてはいなかった。

 このプロジェクトのレポの最終日の投稿を終えると、このところしばしばコメントを寄せていただいているマレさんから次のようなコメントをいただいた。 

 初志貫徹おめでとうございます。
 信じられないくらいの難行苦行、文字通り修行の域ですね。更に一回り人間も大きくなられたのではないでしょうか。厳寒の中での歩行、撮影・・・感服です。 

 とても温かなコメントをいただき感激した。しかし、マレさんが“修行”の域と表現されたが、私はこの取り組みをどこかで楽しんでいた。そうした思いがあったので、次のように返信コメントを送らせていただいた。 

 コメントありがとうございます。
 ご指摘いただいた“修行”などとは思っておりません。確かに簡単なことではありませんでしたが、私にとっては心楽しい日々だったと振り返っています。
 まずは、設定した区間の状況がどうなっているのか?そこに至る交通機関はどうするか?宿は取るべきか、それとも日帰りすべきか?などいった事前の計画を立てる楽しみがありました。
 そして実際に石狩川の河岸に立った時、立ちはだかった倒木を前にどのように進もうか?あるいは、どこかに掘割が潜んでいるのではないか?厳寒の中での行動の要諦は?等々、常に問題解決を求められる中で、自分なりに考え、自分なりに解決策を見い出しながらのトレッキングはけっこう楽しい作業でした。
 そうしたことを繰り返しながら、確実に前へ進んでいることを実感できることがこのトレッキングの楽しみでした。
 ともかく歳が歳ですから、安全第一を心がけながら、なんとか当初目的を果たすことができたことに、今は心から安堵しています。 

 この返信コメントは、取り組みを続けた32日間ずっーと思い続けたことである。

           

          ※ '16/03/06 浦臼町付近、この辺りの中流域ではこのような倒木にかなり悩まされた。

 私が取り組んだプロジェクトについて、友人と談笑することが度々あったが、誰もが異口同音に発することが「単独で行動することは危険ではないか?」ということだった。

 友人たちが指摘することはもっともだと私も思う。しかし、そのことが私の単独行を阻止することにはならない。そこには単独行だからこそのメリットを私が感じているからだ。

          

          ※ '16/12/15 新十津川町の付近です。蓮葉氷が流れる石狩川の様子。

 まず、私と同じように厳寒期に川の河岸を遡ろうなどという酔狂なことを考える人などいないだろう、ということだ。さらに、もし同行者がいたとしても全ての行動について意思統一ができて行動できるとはとても思えない。けっして楽ではない、ある意味危険も伴う行動において、その時々の判断において思いが対立することが当然予想される。そうした際は、どちらかが思いを譲るという行為はそこにわだかまりのようなものが当然生ずることになることを、私は最も避けたいと思っている。最近良く言われることだが、「自己責任」によって、自分の判断を信じ、自分一人でコトに対処したい、という思いが私の中で強く思っていることである。

 そして、誰もが踏み入れていない雪原に足を踏み入れること。そこは冬だからこそ現出されるモノトーンの世界。そして静寂の世界。その中に独り身を置くことの爽快さがたまらない。誰と出会うこともなかった孤独の32日間、私は大いに孤独を楽しんだ…。