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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 199 不都合な真実 2 ~放置された地球~

2017-11-26 20:44:24 | 映画観賞・感想

 前作から10年を経過しての続編である。前作が地球温暖化による惨状を次々と映し出し、私たちにショックを与えたが、本作ではそれから10年間で地球はどうなったのか。そして地球上の二酸化炭素削減に執念を燃やすアル・ゴア氏(元米国副大統領)の姿を追い続ける構成となっていた。 

                 

 11月23日(木・祝)の午後、ディノスシネマズ札幌で封切なったばかりの「不都合な真実 2」を観た。
 前作「不都合な真実」はドキュメンタリー作品としては異例のヒットを記録し、多くの人々に衝撃を与えた。そしてそれに出演したアル・ゴア氏は地球環境問題における功績によりノーベル平和賞を授与された。(私は前作は2度観たが、そのレポはこちら⇒ 2007/12/8  2008/2/20 )
 そのことで環境問題は改善されていくかに思われたが、状況は悪化の一途を辿っていると映画は告発する。

 アル・ゴア氏は言う。「この10年間は挫折の連続だった」と…。
 まず大統領選挙において、不可解な集計結果もあり、ブッシュ氏に敗北したことで、アメリカの環境問題は後退してしまう。
 さらには、「不都合な真実」で告発した内容は欺瞞や誇張に満ちたものだとのネガティブキャンペーンに晒された。
 その後、オバマ大統領の登場によって状況はやや好転したかに見え、2015年にはゴア氏の舞台裏での懸命な活躍によって110の国々の批准によって「気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定」(いわゆるパリ協定)が発効した。
 しかしそれもつかの間、トランプ大統領の登場によってアメリカはパリ協定からの離脱を宣言してしまう。
 というように、ゴア氏は何度も何度も挫折を味わいながらも、その歩みを止めようとしない。

            

 映画では、ゴア氏が世界を飛び回り必死の形相で人々に環境問題を訴え続ける。
 そこまで彼を突き動かすのは何か?ウェブ上で彼が語っていることを転写する。
 「私は、今やっていることが本当に光栄、名誉だと感じています。私にはすべてのエネルギーを注ぎ込むものがあるんです。自分がやるべきことだっていう強い意識を持っているので、疲れを知らないのです。仕事をすれば、するほど、エネルギーが戻ってきて、喜びを感じています。『炎のランナー』の主人公であるランナーは、『走ると神の喜びが与えられる』と言っていましたが、まさに私もそれを毎日感じています」と…。

 今回の映画でも地球温暖化によると思われる豪雨、酷暑、台風、大洪水など例証が数多く映し出されたが、私が最もショックを受けたのはアイスランドの氷河が溶けて崩れ落ちるとき噴煙(水煙?)を各所で上げている光景だった。(いわゆる良く見られる海中に崩れ落ちていく光景ではなく、氷河上の各所で起こっているのだ)

            

 ゴア氏にとってライフワークでもある地球温暖化阻止の闘いは、これからもまだまだ続くのだろう。
 地球温暖化に対してトランプ大統領に代表されるように懐疑的な考え方が存在するのも確かではあるが、多くの科学者が肯定し、しかも統計的にも温暖化が進行していることが明らかなことから、二酸化炭素の排出による温暖化は疑いのない事実だと思われる。
 数々の挫折にもめげず、自らの信念に従い突き進むゴア氏の姿勢に共感するとともに、心からのエールを送りたい。