田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

介助マスターへの道

2017-11-25 21:52:14 | 講演・講義・フォーラム等
 いろいろな講義を受け続けていると、テーマによって自分事として受け止められないテーマのときはどうしても講義の内容が自分の耳に入ってこない場合がある。そうしたことがこれまでもけっこうあったが、今回の場合もその典型のようなものだった…。 

 11月19日(日)、これまでもスケジュールさえ合えば受講していた札幌西円山病院が主催する「地域で暮らす高齢者のための医療公開講座」があった。
 テーマが「介助マスターへの道(その1)~食事動作と排泄動作~」というものだった。
 私の場合、私の両親も、妻の両親もすでに他界していて、当面のところ介助を必要とする人もいないこともあり、「受講しようか、どうしようか?」という思いもあったが、知識として持っておいて損はない、との思いから受講を決めた。(まあ、近い将来私たち自身の問題でもあるし…)

               
               ※ 講師を務められた作業療法士の伊藤隆氏です。とても分かりやすい講義だった。

 講座は予想どおりのものだった。
 つまり、食事動作編においては、障害の程度に応じて介助する方法や認知症の介助の方法などについて、細やかな留意点が示された。
 排泄動作編においても同様であった。排泄の場合は、特に障害の程度によって介助の仕方に違いがあることを学んだが、私にとっては切実感に乏しいものだった。

 そのような講義の中で、「嚥下」のメカニズムについての説明が興味深かった。
 嚥下は実に複雑なメカニズムで行われていることに改めて驚いた。嚥下は「先行期」、「準備期」、「口腔期」、「咽頭期」、「食道期」を経て、飲食物が胃に送られていること知った。
 特に「咽頭期」の段階で「咽頭蓋」の存在が重要であることを知った。しかし、それを私たち人間はコントロールすることはできない。老化によって、「咽頭蓋」が上手く機能しなくなったとき、肺炎などの恐れが出てくる。私たちが嚥下障害に陥らないためには「先行期」、「口腔期」を改善すべしとのことだったが、詳しくは教えていただけなかった。
 敢えて言えば、噛み砕きやすいもの、一口の量をよく考えて、そして良く噛み砕く習慣をつけるということだろうか?

               
               ※ 実習を担当された言語聴覚士の櫻井貴之氏です。

 楽しい実習があった。何というお菓子だったか、その名称は忘れたが、全員が同じ小さなお菓子を何回噛んで飲み下すことができるか、を試された。私は残念ながら平均よりは数多く噛むことでようやく飲み下すことができた。
 また、パン粉が渡され、それを水分無しで飲み下すことができるか、試された。誰一人水分無しで飲み下すことができなかったのは言うまでもない。食物の嚥下には適度な水分が必要なことを改めて教えられた。

               
               ※ 会場には食事の介助を補助するための用具が並べられていました。

 それにしても、札幌西円山病院の講座でいつも思うことだが、講師を務める(今回は作業療法士の伊藤隆氏だった)スタッフの方々の用意周到な準備ぶりには頭が下がる。
 札幌西円山病院の講座では、医師の方々より、今回のように作業療法士とか、理学療法士、薬剤師、社会福祉士など病院スタッフの方々が講師を務める場合が多いようだ。きっと彼らにとっては貴重な研修の場になっているのかもしれない。
 これからもできるかぎりこの病院の講座には参加したいと思っている。