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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道は多文化共生時代になった?

2017-11-24 19:17:21 | 大学公開講座
 講師は「北海道は多文化共生時代に入った」というが、「えっ?そうなの」という思いと、確かにある一面では「そういうことも言える時代になったのかなぁ…」という思いが交錯したひと時だった。 

 11月16日(木)夜、北大観光学高等研究センター(CATS)の公開講座の第2講が開講された。
 この夜は「多文化共生の視点からデスティネーション・マネジメントを考える」と題してバイチャゼ スヴェトラナ助教が講師を務めた。

 バイチャゼ氏はメモができなかったのだが、ロシア系の小国の出身の方と聞いた。氏は、移民の教育やアイデンティテイと言語、多文化共生などを専門領域とする研究者だった。
 氏は最初に、今回の連続講座の共通テーマである「デスティネーション・マネジメント」について、「多様な関係者の連携によって、観光による地域創生」と定義づけたのちに講義に入っていった。

               
               ※ 北大に学ぶ外国からの留学生たちです。

               ※ 本日の写真はウエブ上から拝借しました。

 バイチャゼ氏は、道内における三つの事例を取り上げ、北海道が多文化共生時代に入ったと論じた。その三つとは…。
 一つが、札幌における留学生の急増を挙げた。
 二つ目は、ニセコにおけるオーストラリア人などのニューカマーの人たち。
 そして三つめが、中国・サハリンからの永住帰国者の存在を挙げた。

 バイチャゼ氏によると、札幌市における外国人留学生の数は総数1,450人だそうだ。その8割はアジア地域の出身者で、今後も増えることが予想されるという。
 また、ニセコに居住するオーストラリア人や、仕事目的で来道した外国人労働者も増えつつあるという。氏によると、そうした労働者も含めて北海道に在住する外国人は25,000人だという。
 さらに、中国・サハリンなどからの永住帰国者であるが、これについては具体的数字はあげられなかったが、それほど多い数字だとは私は認識していないのだが…。

               
               ※ まるで外国のスキー場のようですが、外国人向けに英語表記されたニセコのスキー場です。

 確かに一昔前から見ると、外国人の数が確実に増えていることは事実である。しかし、よく言われるように我が国は外国人の移住・移民に関してはハードルが高いと言われている。そういう状況の中でも、確かに本州の一部の地域では多文化共生が課題となっている地域もあると聞く。それらと比べると、北海道の場合はそれほど顕著な事象があるとは思われないのだが…。“備える”という意味においては必要なことだと思うが…。

 さて、氏の現状認識とデスティネーション・マネジメントがどう結び付くのか。その点に興味をもって講義を聞いたのだが…。
 氏はニセコに来るオートストラリア人のうち、働く目的をもって来た人たちは、冬はスキー場で活躍できるが、夏に働く場がなく困っているという。こうした外国人に対して、積極的に援助の手を差し伸べること、このことがデスティネーション・マネジメントの一つではないか、とされた。

 聞いていた私には、ちょっと肩透かしを食ったような思いだったが、地域が変化していく中で、そのことにどう対応し、どのような視点に立って地域づくりをしていくべきか、を問われたときにバイチャゼ氏が提起した課題は、「備えあれば、憂いなし」ということを暗示していたのかもしれない…。