田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

サハの口琴の名人たちの演奏を聴く

2016-11-06 21:52:29 | ステージ & エンターテイメント
 口琴(金属製)は単純な楽器ではあるが、それを名手が奏でると奥が深い。サハ共和国を代表するという三人の口琴演奏家が来日して、コンサートが開催された。彼らの演奏を聴きながら、寒く広大なサハ共和国を想った。 

                    

 今日(11月6日)午後、北大博物館で開催されている「直行さんのスケッチブック展」を観ようと北大総合博物館を訪れた。
 すると、館内において「口琴から広がるサハの世界」と題するレクチャー&コンサートが行われていることを知った。
 好奇心いっぱいの私は、さっそく覗いてみることにした。

               
               今回来日し、演奏した三人の奏者です。

 会場に入ると、いずれも民族衣装をまとった三人の男性が、次々と口琴を口に当て演奏を披露した。サハの口琴は一般的は金属製のもので、形はいろいろとあるようだが、サハではその口琴のことを「ホムス」と称するようだ。彼らも演奏する曲(なのかな?)によって、口琴を変えて演奏していたようだ。

               
               ※ サハのホムス(口琴)の一つです。

 サハ共和国は、ロシア連邦を構成する共和国だが、日本の国土約8倍もの面積に、人口はわずかに95万人だという。民族構成としては、サハ人とロシア人がそれぞれ40~45%を占め、その他多数の少数民族で構成されているようだ。

 口琴というと、我が国ではアイヌ民族に伝わる「ムックリ」が知られている。ムックリは竹製であり、ホムスは金属製である。そして、奏法においてもムックリは糸で引いて竹を震わせて音を出すのに対し、ホムスの方は直接金属の板を指で震わせて音を出しているようだ。
 コンサートの中で、札幌大学に在学中だというムックリの女性演奏家が演奏を披露してくれたが、とても似通った音色に感ずるところと、竹と金属の違いを感じさせてくれるところがあった。

               
               ※ ムックリの演奏を披露してくれた札幌大学の学生です。

 コンサートの最後に、演奏からサハの自然を感じ取ってほしいと、自然の中を飛び回る鳥と、草原を駆ける馬の情景を演奏した。その演奏は指で金属板を震わせて演奏するという奏法を巧みに活用し、サハの自然を連想させる見事なものだった。
 聴衆の方々からも思わず歓声が上がったほどだった。

               

 アイヌの講座を受講していて、ムックリの演奏家たちがサハ共和国を訪れた話をしていたが、サハでは口琴を通した国際交流も盛んのようだ。
 遠く離れた地域の先住民族の中で、同じように口琴が発達し、伝えられてきたところに何かの共通点があるのかもしれない。互いの交流をさらに進める中で、そうした民族の共通性のようなものについての探求も深めてもらいたいものである。

               


※ 昨夜の大雪は、この時期の札幌にとっては1953年の統計開始以来の大雪だとのことです。北大構内のイチョウ並木を歩いていると、雪が降った後に散ったイチョウの葉と雪のコントラストが見事だったので写真に記録した。同時にカエデの葉が散った様子も。