まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
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バヴァリア王ルートヴィヒ1世愛妾 ローラ

2009-07-29 00:28:02 | 王の寵姫・愛妾
ヘタに触るとヤケドするぜ!な情熱家
ランツフェルト伯爵 ローラ・モンテス


1821~1861/愛妾 1846~1848

本名はエライザ・ギルバートといって、アイルランドの陸軍大尉のお嬢さんです。
幼い時に東インドに渡りましたが父親が死亡、母親が亡夫の同僚と再婚し
その再婚相手の父にスコットランドで教育されました。

       
16歳の時、60歳の金持ちの爺さまと結婚させられそうになりましたが
彼女を東インドから迎えに来たトマス・ジェイムス大尉と駆落ちして結婚します。
結局5年でジェイムズ大尉が逃げ出しましたが、この時ちゃんと離婚していなかったことが
後々彼女を苦しめることになります。

生活のためにローラ・モンテスと名を変えてスペインダンサーとしてデビューするも
彼女のダンスはヒドいもので どちらかというと美貌と荒い気性で有名になりました。
なんでも相手が気に入らないとすぐビンタしたり鞭で叩いたりしたそうですよ。
当時はそこそこ裕福な男性の愛人として生活していました。

その後ローラは作曲家フランツ・リストの恋人になります。
ふたりは真剣に愛し合っていたようですが、リストがローラの激しさについていけず
別れることになりました。

続いて文芸評論家のデュジャリエの恋人になりましたが、彼が決闘で死亡したため
気晴らしにバヴァリア(バイエルン)に公演に出かけることにし
そこでルートヴィヒ1世と出会います。
もともと「淫靡だ」ということで中止にされた公演の継続を直訴しに行ったローラですが
王の目の前でドレスをへそまで切り裂いたらしいよ! やっる~

てなわけでルートヴィヒ1世を虜にしたローラはバヴァリアで爵位も手に入れ
宮殿も年金も与えられてやりたい放題になります。
ところがわがままは私生活のみならず政治にも及んでいきました。
ローラは熱烈な共和制主義者で、専制君主制とは相容れないものでしたが
王が言いなりなのをいいことにジュスイット派を排除し組閣までやってしまいます。

ローラは保守派のみならず改革派の反感をかい、また彼女に好き放題やらせている
王への不満も高まってまずは学生から、そして市民へと暴動が拡大します。
1848年、ついにルートヴィヒ1世は退位しローラは国外追放になりました。

その後はロンドンで若い近衛兵と刀傷沙汰をおこしたり
パリでネパールの王子と付き合ったりした後、アメリカに渡って
新聞記者と1ヶ月弱の結婚生活を送ったりしましたが
この間ずっとルートヴィヒからの援助を受けていたらしいですよ。

オーストラリア巡業から恋人の劇場支配人とアメリカへ帰る船上
恋人ファレルが謎の転落死をしてからはローラの生活は一変しまた。
宗教に頼るようになり激しさは鳴りをひそめ、軽い卒中をおこしてからは
心霊術にものめりこんでいきました。

世話をしていた女性にルートヴィヒなどから贈られた宝石類をだまし取られて
生活は貧しくなっていったそうで、肺炎にかかった後はボロアパートに移りました。
母親のクレーギー夫人は(まだ55歳で)元気に生きてましたが娘の面倒をみるのを
断固拒否! ローラは牧師に看取られて39歳で亡くなりました。

ローラは恋人たちとはそれぞれ真剣に結婚を考えていたみたいですが
ジェイムズ大尉との離婚が成立していないから重婚罪になってしまうということで
結婚できなかったらしいのです。
ただ、どれも長続きしてないからどうでもいいといえばいいんだが…

1856年に72歳のルートヴィヒと極秘で貴賤結婚をしたという記録があるらしいけど
だとしたらアメリカで貧しいまま死ぬことはなかったんじゃないかしら?
ルートヴィヒは1868年まで生きていたわけだから… 真相はいかに?

             
           こちら実物…我が強そうな雰囲気はありますね
 
あまりにも情熱的な女性で付き合う方は大変だったでしょうが
大人しくなよなよした女性が淑女らしかった時代に生きたことで
誰もが知る “ 伝説の悪女 ” として後世に残ったわけですね。
それはそれで尊敬に値する…と思う。

(参考文献 エレノア・ハーマン『王たちのセックス』
      M・ニコラス『世界の悪女たち』 Wikipedia英語版)

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