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UNACCUSTOMED EARTH ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
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2008年 ジュンパ・ラヒリ
デビュー作『停電の夜に』 を読んだ時に絶対次回作を読もうと思ってました。
と言いつつ長篇『その名にちなんで』は未読なんですが
今回の短篇集、やはりなんとも言えない想いにとらわれ読み応えがありました。
前作同様アメリカやイギリスなどに暮らすインドの人々が描かれているのですが
今回はインドというよりベンガル人という部分が強調されているようでした。
不勉強でインドではなくベンガルとすることにどのような意味があるのか
皆目分かりません。
ただ独立運動やバングラデシュとの分割(by Wikipedia)など複雑な過去を持つだけに
日本人には理解できない深い思いがあるのかもしれません。
『見知らぬ場所(Unaccustomed Earth)』![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/gp02.gif)
母親が亡くなってから旅行好きになった父親が新居に滞在した1週間。
ルーマは無愛想だった父が黙々と庭を造ったり息子を遊ばせている姿を見て
一緒に暮らしてもいいのではないかという考えを持ち始めます。
しかし父の考えは違いました。 旅先で会いたい女性もいましたし…
『地獄 / 天国(Hell-Heaven)』![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/gp02.gif)
ベンガル人だということだけで家族同然の付き合いをするようになった青年
ブラナーフが家にやって来る日は、母の態度も料理もまったく違っていました。
けれど彼はアメリカ人のデボラと付き合い、母の予想に反して結婚の約束までします。
ウーシャは年頃になるにつれ万事ベンガル式の母に反抗しデボラに好意を持っていきます。
後半の3篇は独立した短篇ですが、ヘーマとカウシクのふたりの子供時代、青春時代
壮年期を描いたもので、ひとつの物語としても堪能できます。
最後にタイでおこった津波が書かれていて、現代に引き戻されたような気がしました。
その中の1篇を…
『年の暮れ(Year's End)』![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/gp02.gif)
カウシクが大学生の時、父がインドへ里帰りして再婚してきたと電話で知らされました。
クリスマスに帰省すると、亡くなった美しい母とは正反対の地味な女性チトラと
彼女のつれ子の幼いルーパとピウ姉妹がいました。
関わり合いになるのは避けたいカウシクでしたが姉妹とは次第に打ち解けていきます。
けれどある晩、怒りに燃えたカウシクは家を出て行くことになります。
8篇の物語の主人公のほとんどが、すっかり慣れ親しんだ海外の生活と
親から与えられるインドの考え方に戸惑いを感じているようです。
ただでさえ親と子の世代には異なった常識が存在しているというのに
全く文化の異なる国へ渡った親とその国で育った二世とのギャップは想像がつきません。
日系人でも同じことがあったんだろうなぁ…
今生活している場所が自分の国と言えるのか? この生き方でいいのか? という葛藤は
日本で生まれて日本で死んでいくであろう私には一生知ることはできない感情でしょう。
まあ、日本にいても「私の人生これでいいのか?」って思ったりするんですけどね![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/gp30.gif)
ちょっと話はそれますが…
全篇通して高学歴でエリートのインド(ベンガル)人ばかりが登場するのですが
考えてみたら2桁の九九ができてインド式計算があるという数学的能力に優れた国です。
IT大国だし30万円の車を開発している国です。
11億人を抱えるインドにはものすごいポテンシャルがあることを認識させられました。
日本はボヤボヤしていたらG8から滑り落ちることになるんじゃないかと不安になります。
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2008年 ジュンパ・ラヒリ
デビュー作『停電の夜に』 を読んだ時に絶対次回作を読もうと思ってました。
と言いつつ長篇『その名にちなんで』は未読なんですが
今回の短篇集、やはりなんとも言えない想いにとらわれ読み応えがありました。
前作同様アメリカやイギリスなどに暮らすインドの人々が描かれているのですが
今回はインドというよりベンガル人という部分が強調されているようでした。
不勉強でインドではなくベンガルとすることにどのような意味があるのか
皆目分かりません。
ただ独立運動やバングラデシュとの分割(by Wikipedia)など複雑な過去を持つだけに
日本人には理解できない深い思いがあるのかもしれません。
『見知らぬ場所(Unaccustomed Earth)』
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母親が亡くなってから旅行好きになった父親が新居に滞在した1週間。
ルーマは無愛想だった父が黙々と庭を造ったり息子を遊ばせている姿を見て
一緒に暮らしてもいいのではないかという考えを持ち始めます。
しかし父の考えは違いました。 旅先で会いたい女性もいましたし…
『地獄 / 天国(Hell-Heaven)』
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ベンガル人だということだけで家族同然の付き合いをするようになった青年
ブラナーフが家にやって来る日は、母の態度も料理もまったく違っていました。
けれど彼はアメリカ人のデボラと付き合い、母の予想に反して結婚の約束までします。
ウーシャは年頃になるにつれ万事ベンガル式の母に反抗しデボラに好意を持っていきます。
後半の3篇は独立した短篇ですが、ヘーマとカウシクのふたりの子供時代、青春時代
壮年期を描いたもので、ひとつの物語としても堪能できます。
最後にタイでおこった津波が書かれていて、現代に引き戻されたような気がしました。
その中の1篇を…
『年の暮れ(Year's End)』
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カウシクが大学生の時、父がインドへ里帰りして再婚してきたと電話で知らされました。
クリスマスに帰省すると、亡くなった美しい母とは正反対の地味な女性チトラと
彼女のつれ子の幼いルーパとピウ姉妹がいました。
関わり合いになるのは避けたいカウシクでしたが姉妹とは次第に打ち解けていきます。
けれどある晩、怒りに燃えたカウシクは家を出て行くことになります。
8篇の物語の主人公のほとんどが、すっかり慣れ親しんだ海外の生活と
親から与えられるインドの考え方に戸惑いを感じているようです。
ただでさえ親と子の世代には異なった常識が存在しているというのに
全く文化の異なる国へ渡った親とその国で育った二世とのギャップは想像がつきません。
日系人でも同じことがあったんだろうなぁ…
今生活している場所が自分の国と言えるのか? この生き方でいいのか? という葛藤は
日本で生まれて日本で死んでいくであろう私には一生知ることはできない感情でしょう。
まあ、日本にいても「私の人生これでいいのか?」って思ったりするんですけどね
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ちょっと話はそれますが…
全篇通して高学歴でエリートのインド(ベンガル)人ばかりが登場するのですが
考えてみたら2桁の九九ができてインド式計算があるという数学的能力に優れた国です。
IT大国だし30万円の車を開発している国です。
11億人を抱えるインドにはものすごいポテンシャルがあることを認識させられました。
日本はボヤボヤしていたらG8から滑り落ちることになるんじゃないかと不安になります。
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