
FINBER'S HOTEL 


ダーモット・ボルジャー/ロディ・ドイル/アン・エンライト/ヒューゴ・ハミルトン
ジェニファー・ジョンストン/ジョセフ・オコーナー/コルム・トビーン
ダブリン市街にあるリフィ川を見下ろす古びたホテル。
あと数週間で取壊されるフィンバーズホテルを舞台にして
7人のアイルランド人作家が101号室から107号室までの宿泊客の一夜を描いています。
『101号室 ベニーが満喫するダブリン』
ホテルに泊まってみたくて妻に嘘までついたベン・ウィンタースがチェック・イン。
憧れのミニバーを部屋中探しますが見つからないので、ホテルのバーへでかけます。
『102号室 罪のない嘘』
姉のアイヴィに呼び出されてロンドンから帰って来たローズ。
玉の輿の結婚をしたはずのアイヴィは疲れ果て、神経症のように見えます。
アイヴィはローズに母親と会うようにしつこく言いますがローズは拒否します。
『103号室 ペットの持ち込みはご遠慮下さい』
ケン・ブローガンは大型ラジカセと猫が入ったボストンバッグを持っています。
猫のために白身の魚を頼んであげたケンですが、彼は猫を殺そうと考えています。
その前に一杯やりにバーへ…
『104号室 夜の支配人』
支配人ジョー・ファレルはその夜不安を感じていました。
104号室の客は、落ちぶれた前オーナーの息子アルフィに似ています。
ファレルはルームサービスを手に104号室のドアをたたきます。
『105号室 テスト』
モーリーン・コノリーは余命が無く、夫は彼女の教え子だった娘と浮気をしています。
モーリーンは嘘をついて毎週ダブリンのホテルに泊まっていますが
フィンバーズホテルにやって来たのは初めてでした。
『106号室 古びた炎』
アメリカから一時帰国したメイ・ブラノックは、少女の頃恋したケヴィンと見た
フィンバーズホテルの火災と、消火にあたっていた父の姿を思い出します。
父が死んで帰国したメイは、家から古い消防日誌を持ってきました。
『107号室 ある老女の肖像』
107号室の常連の男は強盗で、盗品のレンブラントの絵画を売る事になっています。
いつもは目立たず落ち着けるフィンバーズホテルなのに
その夜はなぜかあやしい人物ばかりが目につきます。
実はどの物語を誰が書いているかは ㊙ なのです。
アイルランド文学に詳しければ、どれが誰の作品か予想するのも楽しいでしょうが
わたしにはさっぱり…
でも物語に別の部屋の登場人物がからんできたり
同じエピソードが別の角度から書かれていたりして、かなり面白いですよ。
どうやって書いたんだろう?
だれかがオーガナイズしたのか、それとも順番に書いていったのかしら?
フィンバーズホテルは取壊されて近代的なホテルに生まれ変わるようなのですが
登場人物は古いホテルの時代に生きている人のようです。
ジョイスの『ダブリン市民』 からは100年の月日が流れていますが
同じような薄暗さと、自虐的思考と哀愁を帯びたユーモアがあって
あまり時代のギャップを感じませんでした。
現代人にも息ずく “ ダブリナーズ・スピリット ” を感じた1冊でした。
不思議な一夜が楽しめる一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね


余談です
最近在宅で仕事をするようになりました。
通勤時間が無くなって本が読めなくなっています。
なるべく通勤時間と同じぐらい読書の時間をとろうと思ってはいるのですが…



ダーモット・ボルジャー/ロディ・ドイル/アン・エンライト/ヒューゴ・ハミルトン
ジェニファー・ジョンストン/ジョセフ・オコーナー/コルム・トビーン
ダブリン市街にあるリフィ川を見下ろす古びたホテル。
あと数週間で取壊されるフィンバーズホテルを舞台にして
7人のアイルランド人作家が101号室から107号室までの宿泊客の一夜を描いています。
『101号室 ベニーが満喫するダブリン』
ホテルに泊まってみたくて妻に嘘までついたベン・ウィンタースがチェック・イン。
憧れのミニバーを部屋中探しますが見つからないので、ホテルのバーへでかけます。
『102号室 罪のない嘘』
姉のアイヴィに呼び出されてロンドンから帰って来たローズ。
玉の輿の結婚をしたはずのアイヴィは疲れ果て、神経症のように見えます。
アイヴィはローズに母親と会うようにしつこく言いますがローズは拒否します。
『103号室 ペットの持ち込みはご遠慮下さい』
ケン・ブローガンは大型ラジカセと猫が入ったボストンバッグを持っています。
猫のために白身の魚を頼んであげたケンですが、彼は猫を殺そうと考えています。
その前に一杯やりにバーへ…
『104号室 夜の支配人』
支配人ジョー・ファレルはその夜不安を感じていました。
104号室の客は、落ちぶれた前オーナーの息子アルフィに似ています。
ファレルはルームサービスを手に104号室のドアをたたきます。
『105号室 テスト』
モーリーン・コノリーは余命が無く、夫は彼女の教え子だった娘と浮気をしています。
モーリーンは嘘をついて毎週ダブリンのホテルに泊まっていますが
フィンバーズホテルにやって来たのは初めてでした。
『106号室 古びた炎』
アメリカから一時帰国したメイ・ブラノックは、少女の頃恋したケヴィンと見た
フィンバーズホテルの火災と、消火にあたっていた父の姿を思い出します。
父が死んで帰国したメイは、家から古い消防日誌を持ってきました。
『107号室 ある老女の肖像』
107号室の常連の男は強盗で、盗品のレンブラントの絵画を売る事になっています。
いつもは目立たず落ち着けるフィンバーズホテルなのに
その夜はなぜかあやしい人物ばかりが目につきます。
実はどの物語を誰が書いているかは ㊙ なのです。
アイルランド文学に詳しければ、どれが誰の作品か予想するのも楽しいでしょうが
わたしにはさっぱり…

でも物語に別の部屋の登場人物がからんできたり
同じエピソードが別の角度から書かれていたりして、かなり面白いですよ。
どうやって書いたんだろう?
だれかがオーガナイズしたのか、それとも順番に書いていったのかしら?
フィンバーズホテルは取壊されて近代的なホテルに生まれ変わるようなのですが
登場人物は古いホテルの時代に生きている人のようです。
ジョイスの『ダブリン市民』 からは100年の月日が流れていますが
同じような薄暗さと、自虐的思考と哀愁を帯びたユーモアがあって
あまり時代のギャップを感じませんでした。
現代人にも息ずく “ ダブリナーズ・スピリット ” を感じた1冊でした。
不思議な一夜が楽しめる一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね

最近在宅で仕事をするようになりました。
通勤時間が無くなって本が読めなくなっています。
なるべく通勤時間と同じぐらい読書の時間をとろうと思ってはいるのですが…