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ジョージ・ロバート・ギッシング
この短篇集全体が、思いどおりにいかない人のもどかしさを抱え込んでいるような、
そんな気がするんですけど、その中で “ 妻の役目ってなんだろう? ” と
考えさせられるものがいくつかありました。
『境遇の犠牲者(A Victim of Circumstance)/1891年』
画家を夢みて家族を貧しい目に遭わせながら大作を描き続けるカスルダインと
健気に彼を支える妻でしたが、ある時、妻が描いた風景画の方が
大家やコレクターの賞賛を浴びて夫婦は困惑します。
『塔の明かり(The Light on the Tower)/1895年』
人がいいだけでなんの才覚ももたないフリートウッドは、政治家を目指すと言って
毎日ぶらぶらするだけ、彼のまわりにいるのは寄生虫のような調子のいい輩ばかりで
彼は財産を食いつぶしてしまいます。
『クリストファアーソン(Christpherson)/1902年』
若く美しい妻が働いて得た稼ぎを、次々と本につぎ込んでしまう老いたクリストファーソンは
本を愛するあまり、妻が弱り家計が追いつめられていく事も見えなくなっていました。
『境遇の犠牲者』と『塔の明かり』は望み薄き夢追い人である夫を
陰ながら支える妻の話しですが、これを良妻というのか愚妻というのか悩むところです
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その才能を持ち合せていないのは明白なのに励まし助けるということが
本当に当人にとって良い事なのでしょうか?
夫が会社をやめて、農業や民宿をやりたいというのであれば助けてあげられるけど
歌手になりたいとか馬術でオリンピックに出たいなんてことを言い出したらどうします?
もちろん、夫がめでたく開花すれば影で支える妻は美談の主役です。
でもねぇ・・・若くはないのよ、子供もいるのよ、大金持ちじゃないのよ、って場合。
中には応援し、支える奥さんもいるでしょうが、私はごめんこうむる!!
もっと地に足をつけて生きようね!って諭すわ、きっと。
早くあきらめさせてあげるのも、妻の大事な役目じゃないでしょうか?
『クリストファーソン』は本好きには耳が痛いお話です。
私もよく予算オーバーしちゃうもんなぁ。
でも、家庭がたちゆかなくなるまで自分の娯楽につぎ込んでしまう夫を
妻は優しい眼差しで見ているだけでいいんでしょうか?
譲り合いの心は大切ですけど、妻が夫に何もかも捧げ尽くすっていうのは納得いかないな
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でも逆なら良かったりして・・・
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ギッシングは、二度目の結婚で妻にした女性がヒステリックで落ち着いてものが書けず
その上、家計に不安を抱えてしまって大作をあきらめ
手っ取り早くお金になる短篇に切り替えたそうです。
彼も境遇の犠牲者だったんでしょうけど、そのおかげで
彼の短篇が多数生み出されたということでいえば、読者にとってはラッキーでした。
悪妻にはそういう役目があるということでしょうか?
モーツァルトなんかもそうでしたよね?
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夢が無い人もいやですけど、限度がありますよねぇ…