QUELQUES LARMES DANS LE VIN ROUGE
1981年 フランソワーズ・サガン
表題『赤いワインに涙が・・・』の他に12篇が収められていますが
イタリア、イギリス、ドイツ、アメリカ…コスモポリタン的に
様々な国が舞台になっております。
時代も現代(1981年)のみならず第二次世界大戦当時のものや18世紀のものまで
ヴァリエーションに富んでいて、長編同様、様々な背景の物語に挑戦しています。
サガンがサルトル好きというのは有名で、なんらかの影響は受けていると思うんですが
ではなぜ、私はサルトルが苦手でサガンが好きなのか?
これは考えてみねばなりませんね。(サルトル1冊しか読んでないし… )
好きだった4篇をご紹介します。
『猫とカジノ(Le Chat et Le Casino)』
いなくなった猫を探していたアンジェラは夫ジョゼッペの浮気現場を見てしまいます。
相手は美貌の隣人、近所で噂の未亡人です。
家賃500フランを持っていたアンジェラはその足でカジノへ向かい
600万フランを手に入れます。 さあ、アンジェラはどうする?
いきなり秘密の大金が手に入ったらどうしよう~? 自由にできるんですもの。
私ならアンジェラのような行動はぜったいにとらないのですけれど…
カジノへは行けませんが都くじでも買ってみようと思います。
『「早くも一年」(《 Un An Deja 》)』
皆の目の前で別れを告げられてから1年、同じ場所で開かれるパーティーで
ジュスティーヌは離婚した夫シリルと新しい妻に会うことになります。
念入りに着飾っていったジュスティーヌですが、やはりその女には降参です。
そっと玄関に向かったその時…
ざまあみろ!シリルって感じですかね?
それでジュスティーヌがどうなるってわけではないのですが、心のふんぎりはつきそうです。
ただこの後どうなるのかは分かりませんけどね…
『コースの中途で(A Mi-Parcours)』
さんざん遊んできたシリルも寄る年波には勝てず、ゴルフの途中で気分が悪くなります。
けれども若く美しいジョイスとそのボーイフレンドに笑われるのが嫌で
近所の家の窓にわざとボールを打ち込み、その家まで取りに行きます。
出て来たのは陽気なメイドでした。
これはなんとなくサガンらしからぬ気もするんですけど…
なぜなら私はほのぼのさせられたから。 何事にも潮時ってありますね。
『赤いワインに涙が・・・(Quelquels Larmes Dans Le Vin Rouge)』
冷たい石のベンチで30分以上も愛人を待っている人妻は1時間経ったら帰ろうと決心しますが
そうできないことは分かっていました。
その時、空いているベンチを探していた浮浪者リュカが隣に腰掛け
泣いている彼女に驚いて、なけなしのワインを差し出しました。
ブラボー! そんな男はやめちゃいな! と他人は言えるんですけどね。
激しい恋が終わりを告げるきっかけは、けっこうそこらへんに転がっているのかも。
人生の転機を迎える、というほど大袈裟なものじゃないけど
生き方が変わりそうという人の物語が多かったような気がする1冊でした。
サガンが小説を書き始めてから27年たった45歳ぐらいの作品ですが
わりと丸くなっちゃたなぁ…わたくしの年代にはこれぐらいが心地いいですけどね。
中古本でも買って損は無しですよ!…と思いますよ。
1981年 フランソワーズ・サガン
表題『赤いワインに涙が・・・』の他に12篇が収められていますが
イタリア、イギリス、ドイツ、アメリカ…コスモポリタン的に
様々な国が舞台になっております。
時代も現代(1981年)のみならず第二次世界大戦当時のものや18世紀のものまで
ヴァリエーションに富んでいて、長編同様、様々な背景の物語に挑戦しています。
サガンがサルトル好きというのは有名で、なんらかの影響は受けていると思うんですが
ではなぜ、私はサルトルが苦手でサガンが好きなのか?
これは考えてみねばなりませんね。(サルトル1冊しか読んでないし… )
好きだった4篇をご紹介します。
『猫とカジノ(Le Chat et Le Casino)』
いなくなった猫を探していたアンジェラは夫ジョゼッペの浮気現場を見てしまいます。
相手は美貌の隣人、近所で噂の未亡人です。
家賃500フランを持っていたアンジェラはその足でカジノへ向かい
600万フランを手に入れます。 さあ、アンジェラはどうする?
いきなり秘密の大金が手に入ったらどうしよう~? 自由にできるんですもの。
私ならアンジェラのような行動はぜったいにとらないのですけれど…
カジノへは行けませんが都くじでも買ってみようと思います。
『「早くも一年」(《 Un An Deja 》)』
皆の目の前で別れを告げられてから1年、同じ場所で開かれるパーティーで
ジュスティーヌは離婚した夫シリルと新しい妻に会うことになります。
念入りに着飾っていったジュスティーヌですが、やはりその女には降参です。
そっと玄関に向かったその時…
ざまあみろ!シリルって感じですかね?
それでジュスティーヌがどうなるってわけではないのですが、心のふんぎりはつきそうです。
ただこの後どうなるのかは分かりませんけどね…
『コースの中途で(A Mi-Parcours)』
さんざん遊んできたシリルも寄る年波には勝てず、ゴルフの途中で気分が悪くなります。
けれども若く美しいジョイスとそのボーイフレンドに笑われるのが嫌で
近所の家の窓にわざとボールを打ち込み、その家まで取りに行きます。
出て来たのは陽気なメイドでした。
これはなんとなくサガンらしからぬ気もするんですけど…
なぜなら私はほのぼのさせられたから。 何事にも潮時ってありますね。
『赤いワインに涙が・・・(Quelquels Larmes Dans Le Vin Rouge)』
冷たい石のベンチで30分以上も愛人を待っている人妻は1時間経ったら帰ろうと決心しますが
そうできないことは分かっていました。
その時、空いているベンチを探していた浮浪者リュカが隣に腰掛け
泣いている彼女に驚いて、なけなしのワインを差し出しました。
ブラボー! そんな男はやめちゃいな! と他人は言えるんですけどね。
激しい恋が終わりを告げるきっかけは、けっこうそこらへんに転がっているのかも。
人生の転機を迎える、というほど大袈裟なものじゃないけど
生き方が変わりそうという人の物語が多かったような気がする1冊でした。
サガンが小説を書き始めてから27年たった45歳ぐらいの作品ですが
わりと丸くなっちゃたなぁ…わたくしの年代にはこれぐらいが心地いいですけどね。
赤いワインに涙が… 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
中古本でも買って損は無しですよ!…と思いますよ。