まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『女ごころ』ハッピーエンドでいいのかいな?

2009-11-20 01:39:19 | イギリス・アイルランドの作家
UP AT THE VILLA 
1941年 サマセット・モーム

いつもはなるべくネタバレしないように気をつけて書いているつもりですけれども
この物語はバラしちゃうかもしれないわ。
だって、あまりといえばあまりにアッパラパーなエンディングなんだから…

ある女性の2、3日の心の変化を描いた物語なんですが
そりゃあ、こんな経験をすればわけが分からなくでしょうね、といった内容。

メアリィ・パントンは浪費家の夫を1年前に亡くした30歳の美しい未亡人。
友人の厚意でフローレンスの別荘に滞在しています。

淑女として平穏無事に過ごしてきたメアリィの前に3人の男性が現れて
彼女の人生を大きく変える3日間が始まります。

まずは父親の友人でずっと親切にしてくれたエドガー・スィフト。
大英帝国の植民地をしょってたつ人だし、総督夫人も悪くないな…なんて考えていたら
プロポーズされました。

返事の猶予をもらったメアリィがパーティーに出かけて顔を会わせたのが
女性関係で悪い噂の絶えない有閑青年ロウリィ・フリント。
メアリィは彼からもプロポーズされます。

その帰り道、オーストリアからの亡命者で、金もなく食うや食わずのヴァイオリン弾き
カール・リヒターに出会います。
メアリィはカールを連れて帰り、食事を与えて屋敷内を案内しているうちに
彼の熱意にほだされちゃって…

ここから先、ネタバレしないようにザックリ書きましょう。

メアリィは真剣になったカールの怒りをかって大事件に巻き込まれてしまうのね。
その時彼女が救いの手を求めたのはロウリィでした。
彼はなんだかとっても頼りになる奴だったのですよ。

メアリィはロウリィにも、エドガーにも、カールとの一件を打ち明けるわけですが
二人の反応はまるっきり違っていました。

最終的にメアリィは「この人とだったら」と思う相手を選んでハッピーエンドになるんだが
ふたりで冗談を言い合ってるぜ、おい。 人ひとり死んでるんですけどね…

文中『女ごころの歌』がでてきますが、あれですよね?
「いつも変わるおんなごころ~ 」ですよね。

女の気持ちはころころ変わると言いたいのでしょうが、そんなことないですよ。
でも、自分が分からなくなってしまって「あちゃー 」という夜は誰にでもあるもの。
ちょっと度を外しすぎてしまうということもありますね。
それにほんの一瞬で、他人が今までとは違う印象になることってあるじゃない?
果たしてその一瞬で決心した相手がベストなのかどうかは後になって分かるでしょう。

もしかして結末分かってしまいましたか?
結末が分かっていても楽しめるのがモームの良いところだから… と言い訳してみた

女ごころ
新潮社


このアイテムの詳細を見る


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世妃... | トップ | ポーランド王アウグスト2世愛... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

イギリス・アイルランドの作家」カテゴリの最新記事