まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『二重人格』壊れゆく人の足掻きなの?

2010-03-18 23:05:01 | ロシアの作家
Ф.М.ДОТОЕВСКИЙ 
1846年 ドストエフスキー

やっぱり苦手なんですよ…ドストエフスキー。
読んでいるとイライラしてしまうからなのです。
しかも「あんた、わざとやってるね!」って気がして一層苛つきます。

主人公はヤーコフ・ゴリャートキンという小役人です。
本当にイラ っとする人です。

小心者でうじうじ考えるタイプ、拠り所は正直者で策謀家じゃない自分。
まわりの人たちが悪巧みばかり考えていると蔑みながらも
その人たちの顔色をうかがわずには動けない中年男性です。

ある日恩人の家で大失敗をやらかしてしまいうちひしがれて帰宅する途中
自分とソックリな男性に出会いました。

そして翌日役所に行くとまたしてもその男が…
聞けば名前も、出身地も一緒だというではありませんか。

その日からゴリャートキンは新ゴリャートキンに出し抜かれ
焦れば焦るほど窮地に追い込まれていきます。

要領が良くて、一物ありそうな新ゴリャートキンにはムカつきます。
でも旧ゴリャートキンには同情できない卑屈さがあります。
だからふたりの絡みの部分ではイライラ&ムカムカ

あんまり気分が悪いから急いで読んじゃおうと思って夜更かししましたよ。
ところが、気分が悪い割にけっこう面白かったりするんですよね。

生死に関わるならともかく、たいしたこととは思えないことで足掻く人って
本人には申し訳ないけど、他人には少し滑稽に映りません?

ゴリャートキンの足掻きはすごいぞ!
どうして明日まで待てないか? 何故に後先を考えないか? という
浅はかなアクションを連発します。

そして、すでに壊れかけていたゴリャートキンは
瓜二つの男のせいで完全に崩壊します。

で、新ゴリャートキンは何者か? ということですよね。
私にははっきり分らないんですけど…やっぱり幻覚ってことなのでしょうか?
“ 二重人格 ” というのとは、ちょっと違う気がしております。

二重人格  岩波書店


このアイテムの詳細を見る

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« デンマーク王クリスチャン5世... | トップ | 『アンジェラの灰』実名で書... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ロシアの作家」カテゴリの最新記事