今月、9月の法語は金子大滎先生の法語が掲げられております。
お念仏は 讃嘆(さんだん)であり 懺悔(さんげ)である 金子大滎
お念仏を申させていただく、一声一声は仏様のおはたらき、仏徳を「ようこそ、ようこそ、勿体ないこと」と讃嘆(さんだん)させていただく思いと、ますますわが身のいたらなさ、愚かさ、罪の深さが知らされ、気づかされ、このような私に片時も離れることなく寄り添い呼び続けていて下さる忝さの中にある日々を金子大滎先生は讃嘆の心と懺悔の心が溶け合った心がお念仏によって醸し出されて来ると申して下さいました。
金子先生は真宗大谷派に属される学匠であられ、大谷大学で尊いご講義を続けられましたが、昭和初期の一時期、広島の文理科大学でも教鞭をとられ、『教行信証』の講義をなさっておられます。その講義はいつも満席であったと伝えられています。その頃の広島の文理科大学には藤秀璻先生や白井成允先生などが尊い講義がなされていてその感化は広島のみならず山陰や四国の師範学校などに及んでいました。
拙寺の近くで生まれられ教職にあって生涯聞法生活をされ、45才で往生を遂げられた木村誠一先生の蔵書の中に金子大滎先生の著書が40冊近くも見られ感服したことでありました。金子先生の主要な著書であります『教行信証講義』や『歎異抄講義』などその中に見られます。今その金子先生の著書は万福寺の書庫に移管されていますので、万福寺書庫で見ることができます。(木村先生のことは平成14年刊「木村誠一さんの生涯と真楽記」にまとめていますのでご参照ください)